| 一方、テスラは相変わらずのバカ売れ状態 |
アメリカにて、ジャガーI-PACEの販売があまりにスローだとして問題に。
現状、在庫は「6ヶ月分」が残っており、しかもこの計算は「初期の需要」つまり新車効果があった時期の販売ペースを考慮したものなので、実際は(販売ペースが落ちてきているため)もっと長い期間の在庫が残っているということになりそうですね。
かつ、その在庫を処分するため、各ディーラーは大幅値引きを開始した、とも報じられてます。
I-PACEの販売はディーラーあたり1台(月)にとどまる
そこで今回、「なぜジャガーI-PACEが売れないのか」を考察した動画が登場していますが、主な理由として、ジャガー自体がニッチなブランドであり、メジャーではないことを理由に挙げています。
この3年間でジャガーはわずか(しかし全車種で)35,000台を販売したに過ぎませんが、同じように「ニッチ」なテスラは2019年の7ヶ月だけで100,000台を販売しており、I-PACEについては「ニッチなメーカーが作る、さらにニッチなEV」だと指摘しているわけですね。
なお、現在のジャガーI-PACEの販売台数は、アメリカだと「1ディーラーあたり、月1台平均」。
全米で200のディーラーがあるので、毎月200台売れているということになりますが、これはF-TYPEの「月あたり110台」に比べるとまだマシではあるものの、F-PACEの700台/月に比べると遠く及ばず。
おそらくジャガーは「こんなはずじゃなかった」と頭を抱えているかと思われるものの、これはアウディも同じかもしれません(アウディはe-tron販売テコ入れのために廉価版を投入した)。
ジャガーI-PACEが売れない理由はおそらく「価格」
ぼくとしては、ジャガーI-PACEが売れない理由は「価格」だと考えていて、ジャガーI-PACEのスペックはこんな感じ。
ジャガーI-PACE ボディサイズ:全長4680ミリ、全幅2011ミリ、全高1565ミリ 駆動方式:AWD(2モーター) 車体重量:2208キロ 出力:400馬力 航続可能距離:480キロ※1時間で270キロ分の充電が可能 0−100キロ加速:4.8秒 価格:959万円〜1162万円 |
正直言うと、同じようなスペックを持つガソリン車の倍くらいの価格で、しかもEVということで不便を強いられるケースもある、ということを考えれば「買う理由は見当たらない」とも考えています(それに、1000万円も出すなら他の選択肢を考える)。
かつ、EVは売るときには非常に安く、つまり「買うときはガソリン車の倍だが、売るときはガソリン車の半分」。
ただ、なんでテスラが売れているのかということですが、たとえば「モデル3」の航続可能距離は409km、0-100キロ加速は5.6秒、そして価格は511万円。
「モデル3パフォーマンス」になると価格は6,552,000円に上がるものの、航続可能距離は560km、そして0-100キロ加速は4.6秒へと一気に向上します。
これを見るに、テスラ・モデルSの価格は(性能を考慮して)ジャガーI-PACEの半分くらいということになり、かつガソリン車と同等もしくは「それ以下(コストパフォーマンスは”上”)」。
テスラCEO、イーロン・マスクCEOいわく「ガソリン車にできて、テスラにできないことは何もない」ということですが、それには”価格”も含まれるものと思われ、つまり価格含めてガソリン車よりも不利な条件は一切無い、ということになりそうです。
反面、ジャガーI-PACEは「(消費者が購入し、日常的に使用する場合)ガソリン車はもちろん、テスラよりも優れる要素はほとんどなく」、これが「売れない原因」だとぼくは考えているわけですね。
ただ、これはI-PACEに限ったことではなく、アウディe-tron、メルセデス・ベンツEQC、そしてこれからメジャーメーカーが発売してくるEVにも共通して言えることだと考えていて、いいEVを作れば高くても売れるというのは幻想でしかなく、今後は事実に直面するにあたり、多くのメーカーがEVに対する考え方を改めざるを得なくなるだろう、とも推測しています。
VIA:InsideEVs