| すべての条件を反映させると、もうそれはサイバートラックではない |
ドイツの認証機関、TUV(テュフ)にて車両を担当するシュテファン・テラー氏が現地メディア、シュピーゲル(Spiegel Online)に語ったところによると、テスラ・サイバートラックは「そのままでは欧州市場で登録することはできないだろう」とのこと。
現在公開されているサイバートラックは欧州の法規や安全基準から程遠く、「根本から」作り変える必要がある、というのがその骨子のようですね。
そしてざっと考えうる変更内容は「ワイパー」「ミラー(欧州ではデジタルカメラが一部でしか認可されていない)」「タイヤサイズ(小さくする必要がある)」「ヘッドライトのサイズ」「フロントバンパー(現在の仕様だと歩行者に対して危険)」「各部のエッジを丸くする」といったもの。
テスラはどこまで「自分を貫けるか」
これらを考慮すると、ワイパーやミラーはまだいいとして、通常サイズのヘッドライトや、衝撃吸収製の高いバンパーを装備し、かつ各部を丸くしてタイヤを小さくすると、もうそれは「サイバートラック」ではなくなるような気も。
ただ、そうやって多くの優れたデザインが「フツウになってゆく」のが世の常でもあるので、テスラが現在の姿をどこまで貫けるのか、当局とどう調整を行い、どの部分で変更を受け入れてゆくのかは注目に値する部分でもありますね。
なお、これまでに耳にした範囲だと、たとえば北米だとちょっと前までは「樹脂製のヘッドライトカバーは禁止」というものがあり、今でも残るのは「オレンジのフロントサイドマーカー」や「レッドのリアサイドマーカー」。
さらには悪名高き「5マイルバンパー」も北米ならではの規制だと言え、「なんでもあり」のように思えるアメリカでも、意外と細かいところにこだわるんだな、という印象。
日本市場は意外に「ユルい」部分もある
反面、色々と厳しいように思える日本の規制ですが、「デジタルサイドミラー」や「樹脂製フロントウインドウ」は世界でもほぼ最初に認可されており、先進技術については比較的寛容であるようにも。
逆に、しばらく前までは「前後で幅の違うタイヤはダメ」といったものや、自主規制となるものの「280馬力縛り」というものもありましたね。
さらに日本では先ごろの法改正にて、一定範囲内でのハミタイ、そしてサイドマフラーもOKという寛容さを見せていますが、一方では「カド」に対する規制も(ちょっと前に)厳しくなり、たとえばシボレーの「ボウタイ」エンブレムの端が尖りすぎてNGということになって、当時の日本仕様車のボウタイエンブレム周囲には「カバー」が取り付けられたという事例も。
そのほかにも当然ながら各国ごとに細かい規制があると思われ、それらすべてに対応できるようなクルマを作るのは相当に難しいんだろうな、と思います。