| いやいや絶対無理、とも言い切れないだけの背景がある |
現ヒュンダイN部門のボスにして前BMW M部門の代表、アルバート・ビアーマン氏が「いつでもポルシェ・ボクスター/ケイマンを超えるだけのミドシップスポーツを作ることができる」と豪語。
これはカーメディア「Evo」に対して同氏が語ったもので、「その時が来れば、我々はポルシェを負かすクルマを作ることができる。いつだってそれは可能だ。実際のところ、我々には予算の制約がない。やろうと思ったことはなんだってやれる」。
ただし現在ヒュンダイはSUV、そして「ジェネシス」ブランドにて高級車の拡充を急いでおり、現段階ではスポーツカーに割くリソースが足りず、実際には「対ポルシェ用スポーツカー」の開発許可がおりていない、とも語っています。
ヒュンダイは「いずれ」本気でスポーツカーを開発しそうだ
なお、ヒュンダイにどうしてここまでのお金があるのかは謎ですが、実際にお金があるのは著名デザイナーをガンガン獲得していることからも容易に想像でき、「打倒ライバル」のためにはお金に糸目をつけない、ということも見て取れます。
そしてヒュンダイは以前からスポーツカーを作りたいと考えていると報道され、今回の「ポルシェ・ボクスター/ケイマンの対抗」のほかにもスーパースポーツを発売するのではというウワサも出てきたほど。
なお、ヒュンダイはこれまでにもランボルギーニのデザイナー(ヒュンダイ副社長に昇格)、ランボルギーニの副社長、上述のBMW M部門のボス、ブガッティ・シロンのデザイナー(離職してケーニグセグへ)、アウディTTのデザイナー(今はヒュンダイ傘下のキア社長)などを引き抜いていて、つまりは「スポーツカーに明るい人材」を獲得してきたこともわかります。
そして今後、「適切な時期がやってきて」予算の縛りなくスポーツカーの開発を行うとなると、おそらくはポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、アストンマーティン等からエンジニアを引き抜くことも予想でき、業界に大きなインパクトを与える可能性も。
衝撃度MAX!アヴェンタドールのデザイナーがヒュンダイへと移り、ヒュンダイはランボルギーニやベントレー出身者で固められることに
ヒュンダイはミドシップと無縁ではない
ヒュンダイはミドシップスポーツに対して「縁がない」わけではなく、つい最近も「リマックとミドシップスポーツ開発の契約を結んだ」と報じられたところ。
こういった経緯を見ても、「まだ承認がおりていない」と言えどもヒュンダイ内部では着々とミドシップスポーツ計画が進んでいる、と考えて良さそうです。
そしてヒュンダイはけっこう前からミドシップに対して強い興味を持っていたようで、コンセプトカー「RM(レーシング・ミドシップ)シリーズ」RM14(2014)を発表したことも。
その後はRM15(2015)へと発展させるなど一過性のものでないことを示し、
翌年にはRM16(2016)、
2017年にはRN30(名称からするとミドシップではない?)も発表しています。
「ヒュンダイ」というイメージからすると「一生かかってもポルシェを超えるスポーツカーを作ることはできないだろう」と考えるものの、集められたメンバーを見る限りでは、ポルシェを超えることはできなくとも、それに近いスポーツカーを作ることはできるかもしれない、と考えたりします(いや無理か)。