| F40ほどデザイン的に特徴があるフェラーリも珍しい |
数あるフェラーリの限定モデルの中でも特段の輝きを放つのがF40。
その魅力はやはり「公道を走るレーシングカー」というコンセプトのもと作られた、妥協なき仕様にあるのかもしれません。
フェラーリF40は1987年に「フェラーリ創業40周年」を記念して発売され、エンジンは2.9リッターV8ツインターボ、重量1089キロ、0-100キロ加速は3.9秒というスペックを持ち、世界で初めて最高速が200マイル(時速322キロ)を突破した車としても知られます。
もともとの生産予定台数は350台であったものの、あまりに多くのオーダーが殺到したために予定を変更して1,311台が製造されることになったことでも有名ですね。
フェラーリF40はすでに伝説
F40はもっともアイコニックなフェラーリのひとつと言ってもよく、よってこれまでにも数々のアーティストが「フェラーリF40を再解釈したモデル」をレンダリングにて公開していますが、今回は日本人アーティスト、Naoto Kobayashi氏が作成した「フェラーリF40コンセプト」を紹介したいと思います。
フロントを見ると、SF90ストラダーレやローマのようなヘッドライト構造を持ち、ボディサイドには488GTBやF8トリブートのようなエアインテークも。
ボディと一体化したリアウイングは紛れもない「F40」、そして丸4灯テールランプもまた「F40」。
逆にF40と異なる部分はラップアラウンドウインドウを採用していることですが、今後フェラーリはこれを市販モデルに採用する可能性も高く(一部のワンオフ、フューオフモデルではこれを採用している)、その意味でもこのレンダリングは「フェラーリの未来を示唆する」作品だとも言えそうですね。
フェラーリは「F40」をイメージしたワンオフモデルを製作したことも
そしてフェラーリは2018年に「SP38」をリリースしていますが、これは重要顧客の依頼によるワンオフモデル。
デザインイメージはF40だと公表されており、とくにリアセクションのルーバーを模したエンジンフード、小ぶりではあるもののボディと一体化したリアウイング、そして丸四灯テールランプがやはり「F40」。
そのほかにはこんなF40の「再解釈」も
こちらはサミール・サディコフ氏による「F40トリビュート」。
FXX K風のアグレッシブなルックスを持ちながら、フロントフェンダー、ボディサイドのエアインテークとNACAダクト、星型ホイール等からはF40の面影が強く感じられます。
リアもやはりルーバー(スリット)の再現、リアウイングやテールランプがF40風。
ちなみにこのレンダリングが公開されたのは2018年ですが、この時点でSF90ストラダーレに採用されている「上下をカットした」テールランプを採用していて、非公式レンダリングながらも「のちにフェラーリが採用するデザインを先取りしていた」ということに。
こちらはまた別のアーティストによる「フェラーリF44」。
ヘッドライトやフロントフード上のNACAダクトにF40らしさが見られるものの、独自色の強い作品となっています。
フロント、サイド、リアアンダーにはウイングレット付きのエアロパーツが装着され、巨大なリアディフューザーが現代風ですが、やはりリアウイング、テールランプはF40そのもの。
こうやって複数デザイナーの作品を見ると、それぞれにうまくF40のエレメントを取り入れていることがわかりますが、F40は「ヘッドライト」「フロントフェンダー」「NACAダクト」「サイドのエアインテーク」「リアウイング」「スリット」など特徴的なデザインを多く持っていて、これもまた”人々に記憶されやすい”理由だと言えそう。
現在フェラーリは「モンツァSP1/SP2」や「ローマ」において1950-1960年代のフェラーリをイメージしたデザインを採用していますが、もしかすると、あと20年くらいすれば、「1980-1990年代のフェラーリ」すなわちF40をイメージしたデザインが採用されたりするかもしれませんね。
VIA:Behance