
| まだ「新車状態」のエンツォ・フェラーリが存在していたとは |
この記事のポイント(要約)
- タイムカプセル状態:走行距離がほぼ「デリバリーマイル(新車時)」のまま、20年以上保管されていた超極上車
- ドバイの有名店で販売:世界最高峰の在庫を誇る「F1rst Motors」が、ロッソ・コルサとイエローの2台を公開
- 価格は未知数:通常の低走行車でも4億〜9億円(4M〜6Mドル)で取引される中、この個体は史上最高額を更新する可能性
20年の時を超えた「新車」。フェラーリ・エンツォがドバイに現る
スーパーカー好き、そしてフェラーリファンそしてコレクターにとって「心躍るニュース」が登場。
ドバイを拠点とするハイエンドカー・ディーラー「F1rst Motors(ファーストモータース)」にて走行距離が実質ゼロ、いわゆる「デリバリーマイル」の状態を維持したエンツォフェラーリがリストアップされており、しかもボディカラーが「ロッソ・コルサとイエロー」という2台が登録されています(ロッソ・コルサのほうはもう売れてしまったようだ)。
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ジャッロ・モデナのエンツォフェラーリが放つ「新車の輝き」
現在販売されている個体は非常に希少な「イエロー(Giallo Modena)」ですが、エンツォ・フェラーリの多くは「ロッソ・コルサ」をまとって販売されており、このジャッロ・モデナに塗装されたエンツォフェラーリは(正確な数は公開されていないものの)26台、あるいは20〜30台程度に留まるのでは、と言われます。
そこでこのエンツォフェラーリについて振り返ってみると、この素晴らしい限定車はF1の技術を公道に持ち込むというコンセプトで開発された「スペチアーレ」の1台です。
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主要スペック一覧
| 項目 | スペック詳細 |
| エンジン | 6.0L 自然吸気 V型12気筒 |
| 最高出力 | 651 hp / 7,800 rpm |
| 最大トルク | 657 Nm |
| トランスミッション | 6速セミAT (F1ギアボックス) |
| 駆動方式 | 後輪駆動 (MR) |
| 生産台数 | 399台+1台(チャリティ用)計400台 |
市場での位置付けと資産価値
現在、低走行のエンツォはオークションにて約400万ドル〜600万ドル(約6億円〜9億円)ほどで取引されるのが相場となっていますが、今回のような「走行距離がほぼゼロ」という個体は、もはやクルマというよりも「美術品」や「投資対象」としての価値が優先され、F1rst Motorsでは価格を提示していないものの、昨今のインフレとハイパーカー人気の過熱を考えると、この個体の価格は10億円を超える可能性も十分に考えられます。
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結論:エンツォは「最後にして最高の自然吸気V12」か?
フェラーリの最新ハイパーカー「F80」がV6ハイブリッドを採用したことで、エンツォフェラーリのように「自然吸気V12」を搭載したピュアなハイパーカーの存在はさらに神格化されているというのが現在の状況ではありますが、ドバイで売りに出されたこの「奇跡の1台」は単なる中古車にとどまらず、フェラーリが最も輝いていた時代、そしてF1の皇帝ミハエル・シューマッハが開発に携わったという歴史そのものを”当時のままの姿”で手に入れることができる最後のチャンス。
おそらくはロッソ・コルサの個体同様、さほど時間がかからずに次のオーナーのもとへと届けられることになるのかもしれません。
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なぜドバイに「新古車」が眠っているのか?
ドバイや中東の富裕層の間では、ハイパーカーを「乗るため」ではなく、完璧な温度・湿度管理のもとで「資産としてコレクションする」文化が根付いており、そのため製造から20年経っても一度も公道を走っていない個体が、このように時々市場に現れることがあるもよう。
いわゆる「デッドストック」ということになりますが、コレクターの間では最も高値で取引される聖杯のような存在でもあり、今後もこういった「驚きの物件」が登場する可能性も。
なお、F1rst Motorsでは、現在「走行0km」のフェラーリとしては、デイトナSP3、プロサングエ、12チリンドリ、12チリンドリ・スパイダー、812コンペティツォーネA、ラ・フェラーリ・アペルタなどが販売されています。
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参照:F1rst Motors














