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マラネロが赤く染まった日。フェラーリがファンへの感謝を示してWEC世界王座戴冠を記念しパレードを実施、499Pが公道を走る

マラネロが赤く染まった日。フェラーリがファンへの感謝を示してWEC世界王座戴冠を記念しパレードを実施、499Pが公道を走る

Image:Ferrari

| まさにフェラーリ499Pは「無双」の強さを誇る |

この記事の要約

  • 2冠達成の快挙: 2025年FIA世界耐久選手権(WEC)で製造者&ドライバーズのダブルタイトルを獲得
  • 聖地マラネロでの熱狂: 伝説の「アベトーネ・インフェリオーレ通り」の門を499Pが駆け抜け、ファンと喜びを共有
  • ヒーローたちの集結: 優勝ドライバーのフォコ、モリーナ、ニールセンらが集結し、従業員やティフォシと交流
  • 伝統の継承: モータースポーツの歴史に新たな1ページを刻んだフェラーリの「強さ」の源泉に迫る


フェラーリが再び世界の頂点へ。聖地を揺らした歓喜の一日

2025年12月19日、イタリア・マラネロはこれまでにない「赤い熱狂」に包まれることに。

フェラーリが世界最高峰の耐久レースであるFIA世界耐久選手権(WEC)において、マニュファクチャラーズおよびドライバーズのダブルタイトルを見事に獲得し、この歴史的な勝利を祝うため、優勝マシンである「499P」とドライバーたちがフェラーリの本拠地で感動のパレードを行ったことが報じられています。

かつてエンツォ・フェラーリが歩んだマラネロの街を、最新鋭のハイパーカーが轟音とともに駆け抜ける姿はまさに「伝説の帰還」。

ここでは、現地でのセレモニーの様子とともに、世界を制した「499P」のスペックや、フェラーリがなぜここまで人々を熱狂させるのか、その理由を考察してみたいと思います。

Ferrari

Image:Ferrari


ティフォシと分かち合った「不滅の歴史」

1. 従業員と歩んだ「勝利の道」

祝祭はマラネロ本社の敷地内から始まり、まずアントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン(50号車)らチャンピオンたちは自分たちの手で作り上げたマシンとともに社内パレードを敢行(従業員を大切にするフェラーリらしい順序である)。

最前線で働く従業員たちからの拍手喝采を受け、サイン会やランチを通じ、チーム一丸となって勝ち取った勝利の味を噛み締めることとなっています。

2. 歴史的な「アベトーネ・インフェリオーレ門」からの出撃

そして午後2時にはハイライトが訪れ、フェラーリの象徴である「アベトーネ・インフェリオーレ通り」の歴史的な門から2台の499Pが姿を現すことに。

沿道を埋め尽くした「ティフォシ(熱狂的なファン)」の歓声は最高潮に達し、街全体がフェラーリレッド一色に。

その後、一行はフェラーリ・ミュージアムへと向かって一般ファン向けのサイン会を実施したといい、モータースポーツが単なる競技を超えて「文化」としてマラネロに根付いていることを証明する瞬間となっています。


車種概要:世界を制したハイパーカー「フェラーリ 499P」

フェラーリが50年ぶりに耐久レースの最高峰クラスに復帰するために開発した499Pは「技術の粋を集めた究極のマシン」。

F1に比較すると「地味」に感じられる耐久レースではありますが、もう少し盛り上がってくれると「V6+ハイブリッド」そのものの評価も高まるのかもしれません。

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【スペック・主要データ】

項目詳細スペック
パワートレイン2,992cc V型6気筒ツインターボ + 電気モーター(ハイブリッド)
駆動方式4輪駆動(フロント:電気モーター、リア:エンジン)
最高出力(システム合計)規制により最大 $500\text{kW}$ (約680hp)に制限
シャシーカーボンファイバー・モノコック
主要戦績(2025)FIA WEC マニュファクチャラーズ&ドライバーズタイトル獲得
50号車ドライバーA.フォコ / M.モリーナ / N.ニールセン
51号車ドライバーA.ピエール・グイディ / A.ジョヴィナッツィ / J.カラド

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なぜ「499P」という名前なのか?

なお、この「499P」というモデル名はフェラーリの伝統的な命名規則に従ったもので、「499」は、エンジン1気筒あたりの排気量(2,992ccを6気筒で割り、1気筒当たり499cc)を表し、「P」はプロトタイプ(Prototype)を意味します。

かつて耐久レースを支配した「250P」や「330P」といった名車の系譜を継ぐ、誇り高い名称というわけですね。

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フェラーリの勝利は、情熱の結晶である

今回のマラネロでの祝祭は、フェラーリが単なる自動車メーカーではなく、「情熱を共有するコミュニティ」であることを改めて世界に示す例にほかならず、2025年のWEC制覇は「最先端のハイブリッド技術と、ドライバーの卓越したスキル、そして何よりマラネロで働くすべての人々の献身」があったからこそ成し遂げられたもの。

歴史的な門を抜けて街の人々と触れ合う姿は「フェラーリの工場は機械でできている、しかしフェラーリのクルマは人でできている」というエンツォ・フェラーリの言葉を象徴するかのような光景でもあり、「耐久レースの頂点に返り咲いた跳ね馬」の勢いは次なるシーズン、そしてぼくらが手にするであろう、次なる市販車への技術的フィードバックへと繋がっていくこととなりそうです。

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参照:Ferrari

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