| そもそもレッド内装のブガッティEB110SSは1台しか製造されていない |
イエローのボディにレッドの内装という「世界でただ一台の」組み合わせを持つブガッティEB110スーパースポーツが中古市場に登場。
価格は掲示されておらず「ASK」ですが、正確に言うならばレッド内装を持つEB110自体がこの1台のみとのことなので、その価格はEB110史上最高レベルとなるのかもしれません。
このブガッティEB110は、現在の「ブガッティ・オトモビル(フランス本社)」ではなく「アウトモビリ・ブガッティ(イタリア本社)」が世に送り出したスーパーカー。
ただし現在のブガッティも「ミドシップ、クワッドターボ、4WD」というEB110が採用したパッケージングを継続しており、EB110をイメージした「チェントディエチ」も限定販売しているため、両社はあながち無関係とも言えないポジションです。
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そしてチェントディエチの登場によってEB110にも再び脚光が当てられることになり、直近ではその相場が7倍以上に上昇しているとも言われていますね。
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アウトモビリ・ブガッティが発売したのは「EB110」ただ一車種のみ
なお、アウトモビリ・ブガッティは1987年にイタリア人の実業家、ロマーノ・アルティオーリ氏が「ブガッティ」の商標を取得して設立した会社。
その後1995年にロマーノ・アルティオーリ氏は財政破綻し、そこからブガッティの商標権を買い上げたのがフォルクスワーゲングループで、この判断には故フェルディナント・ピエヒ氏(ポルシェ創業者一族)が大きく影響していると言われます。
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ちなみにブガッティEB110のデザインはカウンタックで有名なマルチェロ・ガンディーニ、車体の設計は「ミウラの父」そしてカウンタックの設計も行ったパオロ・スタンツァーニ。
そのせいかブガッティEB110は「ミドシップ」「ガルウイング(シザースドア)」というカウンタックとの共通点があるものの、決定的に異なるのは「4WD」。
ただしパオロ・スタンツァーニはカウンタックでも「4WDを想定していた」と後に語っており、設計思想としてはカウンタックの流れにある、と言って良さそうです(この頃ランボルギーニはオーナーの元を転々とし、5番目のオーナーであるクライスラー傘下にあった。パオロ・スタンツァーには不安定なランボルギーニではできない”理想”をブガッティで実現したとも考えられる)。
3500cc/V12エンジンにターボ4基がけという、現代においても規格外のパワーソースが特徴で、 出力は552馬力、0-100キロ加速は3.6秒と当時としては破格の性能を誇ることに。
今回売りに出されているEB110GT”スーパースポーツ(SS)”は更にその出力を611馬力にまで向上させたもので(反面、重量は150キロ削られて1400キロに)、リアウイングの追加などが外観上の相違点。※こちらは0-100キロ加速は3.2秒、最高速度は355km/h
ブガッティEB110の総生産台数は154台、EB110SSの生産台数は30台だという記録が残ります。
これまでに売りに出されたEB110はいずれもブラックのインテリアを持っていたこともあり、このレッドの印象はまさに鮮烈。
ステアリングコラム、ステアリングホイール、シフトブーツ、シフトレバー等もすべてレッドレザーに覆われ、妖艶な高級感もありますね。
センタートンネルやサイドシルにはクロスステッチがほどこされたレザーでカバーされており、これもまた現代の車とは異なるエレガントさが感じられます。
ステアリングホイール状の「EB」とは、ブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティのイニシャル。
これは現代のブガッティにも引き継がれていますね。
ピラー内張り、ルーフライナーもレッド。
ダッシュボードもレッドなのでフロントウインドウには盛大な映り込みが生じていますが、そんなことを気にするクルマではないこともまた事実ですね。
走行距離は約15,000キロだと紹介されており、現所有者のFacebookにはさらなる画像が公開されています。
VIA:Autoclassics, Vladimir Tretyakov