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トヨタは「いかなる不況でもクビを切らない」。70年前にたった一度だけ行ったリストラがトヨタを変えた

投稿日:2020/06/27 更新日:

| 豊田一族は素晴らしい教育を受けて育ってきたようだ |

さて、トヨタ自動車について、たびたび話題となるのが「人を切らない」ということ。

たとえばカルロス・ゴーン氏が日産自動車を立て直すために行った主な施策のひとつが「リストラ」つまりクビ切り。

もちろんこれは欧米の企業では日常的に行われていることで、昨今のコロナ禍のような状況下においてはマクラーレンやベントレー、BMWも従業員の解雇を行っており、これは「残った人」を守るためにはやむを得ないことなのかもしれません。

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トヨタがクビ切りをしたのは一度だけ

ただ、トヨタの場合は事情が異なり、現在に至るまでクビ切りを行ったのは一度だけ。

そしてその一度というのは(ドッジ・ラインの影響で不況に突入した)1950年のことで、このときトヨタは倒産に危機に瀕し、銀行から融資を獲得するために受け入れた条件が(当時の社長で、トヨタ自動車創業者だった)豊田喜一郎の社長退任、そして1600名の従業員解雇。

もちろんそれを受け入れたからこそ現在のトヨタが存在するということになりますが、常に「社員は家族であり、会社の宝である」、そして従業員を家族のように大切にする「温情友愛」を掲げてきた豊田喜一郎にとって大きな心の傷となったわけですね。

この後社長に就任した石田退三はこの「トヨタ最悪の決断(ただし他に選択肢はなかった)」を二度としなくてもすむよう、”自分の城は自分で守れ”と主張し、第三者からの助けを得なくても自力で生き抜ける体力を身につけることに専念し、これが「無借金経営」の礎となったものと思われます。

豊田家は「代々地味な家風」

ちなみにトヨタ一族の出身は「三河」で、この土地の風土としては「質実剛健」というものがあると言われ、そのためトヨタ自動車そしてトヨタグループ創業一族も基本的に「地味」なのだそう。

実際に、豊田喜一郎も借家に住んでいたことがあるそうで(お金がなかったわけではない。実際にサンフランシスコやロンドン等に視察の度に出かけている)、必要でないところにお金をかけない、という風潮があるのかもしれません。

その豊田喜一郎の長男が豊田章一郎(6代目トヨタ自動車社長)、そしてその長男が現トヨタ自動車社長の豊田章男(11代目社長)ですが、やはり現在に至るまで質実剛健さが貫かれており、「お金を出さずに知恵を出せ」「改善とは知恵とお金との総和」という考え方が豊田一族に脈々と受け継がれ、それが自動車業界において有数の営業利益率を維持する原動力となったのかも。

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豊田家には「失ってはならない」ものがある

なお、豊田家の家訓には「豊田家の全財産を失っても、納屋だけは守れ」というものがあって、この「納屋」とはトヨタグループ創始者である豊田佐吉(豊田喜一郎の父)の生家と納屋を指す、とのこと。

豊田佐吉は発明に没頭しており(それで最初の奥さんに逃げられたとも伝えられている)、その甲斐あって自動織り機を発明することとなりますが、これがトヨタグループのはじまりでもあり、これだけは守り抜け、ということですね。

加えて、糸巻き=スピンドルをモチーフにしたデザインがなされることが多いのも、やはりこのルーツを表したものだと思われます(デザイナーによると、スピンドルグリルのモチーフは糸巻きではないと言うが、諸々考慮するとやはり糸巻きだと思う)。

そしておそらくは(表に出さないものの)、豊田佐吉の納屋と同じく守らねばならないのが雇用であり従業員の生活なのだと思われ、「クビを切るな」ということも豊田一族、とくに経営者には脈々と受け継がれている「鉄の掟」なのかもしれません。

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参考までに、豊田佐吉は当時からエネルギー問題解決手段として「電池(バッテリー)」を重要視しており、”佐吉電池”なるバッテリーの基準を95年前に示し、これを開発した者には当時の貨幣価値で100億円相当の懸賞金を与える、と宣言したことも(未だ実現していない)。

その基準とは「100馬力で36時間持続運転でき、重さ60貫(225キログラム)、容積10立方尺(280リットル)以内」だとされていますが、もちろん現代でもこれは開発されていないので、極めて高い要件を当時から掲げていたということになりますね。

トヨタには「豊田綱領」がある

トヨタ自動車には「豊田綱領」なるものがあって、これは豊田佐吉の考え方を持ちにまとめたもので、トヨタグループ各社にて示される指針なのだそう。

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし

一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし

一、華美を戒め、質実剛健たるべし

一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし

一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし

トヨタ自動車

参照:Sankeibiz, トヨタ自動車, 日本経済新聞

 

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