| たしかに最近はウルスをよく見かけるようになった |
ランボルギーニが「10,000台目のウルスを製造した」と発表(ランボルギーニのオフィシャルフォトでは、男性が腕組みをするのが通例となっている。今回はちゃんとソーシャルディスタンスにも配慮している)。
この1万台目のウルスはマットブラック(ネロ・ノクティス)にペイントされ、ロシアの顧客に届けられるとのことですが、ウルスは2017年12月から生産が開始されたばかりではあるものの、その販売ペースを一気に伸ばし、2019年には4,962台が生産されるに至った人気モデル。
以下は2019年までのランボルギーニの生産台数となり、これを見ると「とんでもない量」のウルスがリリースされ、それによってランボルギーニが大きく成長している、ということがわかります。
2020年はすでに3,000台のウルスを出荷
なお、ランボルギーニによると、2020年はコロナウイルスの影響にかかわらず、すでに3,000台のウルスを製造しており、年内には6,000台を製造する見込み。
この6,000台というのは、2019年の総販売台数である8,205台の73%に相当する数字であり、ウラカンそしてアヴェンタドールの生産が昨年並みであれば、ついに1万台を突破するかもしれません(場合によっては、フェラーリを販売台数を抜くかもしれない)。
ちなみに「SUVを製造するとブランドイメージが下がる」という懸念を持ち、なかなかSUV製造に乗り出せないメーカーもあるものの、ランボルギーニの場合はウルス投入によってイメージが下がったかどうかと言えば、「それはまったくない」と考えています。
理由としてはいくつかあるものの、やはりウルスのパフォーマンスがスーパーカー並だったこと、そのデザインがエクストリームであったことが大きく、つまり「ウルスはどこからどう見てもランボルギーニだった」というものが大きいのかもしれません。
そのほか、もともとランボルギーニは「LM002」というオフローダーを作っていたことも影響している(そのためにウルス投入にも違和感がなかった)と思われるものの、これを知る人は多くはないのでさほど大きな要因ではないのかも。
さらに理由を挙げるとするならば、ポルシェが「カイエン」の投入により、結果的に会社が潤ってさらにいいスポーツカーを作れるようになったという前例を作っており、これはスーパーカー購入者であれば多くの知るところだと思われ、よってウルスも「ランボルギーニの未来」のために歓迎されたという可能性がありそうですね。
ランボルギーニはスーパスポーツの生産を抑える?
そしてもうひとつ、ウルス投入によって生じるであろう変化の一つが「スーパースポーツの生産台数減少」。
ランボルギーニは以前より、スーパースポーツつまりアヴェンタドールやウラカンといったラインナップについて、「作りすぎると」希少性を損なうともコメントしており、しかし会社としては販売台数と利益を増加させねばならないため、ウルスの販売台数を制限しない代わりに、スーパースポーツの販売台数を制限して希少性の維持に努めるといった意向も示しています。
そしてウルスの販売台数が年間6000台を超えてくると、この「スーパースポーツの台数制限」も現実的な話となってきて、フェラーリのように「手に入りにくい」状況を作って希少性を作り出すことも可能となってくるわけですね。
実際にそうなると(スーパースポーツの)中古相場が大きく上がるため、ぼくとしては(売却時に有利になるので)ありがたい限りですが、こういった側面を考慮しても、ウルスの発売はブランドイメージ的にはマイナスどころかプラスに働くだろう、と考えています。
ただ、ウルスとて「ずっと」販売好調を維持できるとは考えにくく、よって今後は限定モデルや派生モデルを投入することで常に魅力をフレッシュに保ち、更に販売台数を増やすための活動が見られるだろうと考えています。
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参照:Lamborghini