| モータースポーツにおいて、特定カテゴリではEVのほうが向いていそうだ |
さて、先日フォードより予告されていたマスタング・マッハEのトンデモ改造車、「マスタング・マッハE 1400」が正式発表。
これはフォードがピュアエレクトリックカーのパフォーマンスを示すためにワンオフで製作したクルマであり、その名から想像できる通りに1400HP(1419PS)を発生するモンスター。
なんと搭載されるモーターは「7つ」で、フロントに3つ、リアに4つが組み込まれています。
北米では「EV嫌い」も多い
なお、このマッハEについては批判も多く、というのもEVそしてSUVに対し、伝統的なスポーツカーであるマスタングのデザイン、「マッハ1」をネーミングを(アレンジしながらも)与えたため。
よって、生粋のマスタング愛好者、ガソリンエンジン愛好者から敵対視されているクルマでもありますが、フォードはもちろんそれを理解しており、マッハEの発表前から「EVだからといって運転が楽しくないとは限らない」といった、パフォーマンスやドライビングの楽しさを押し出したキャンペーンを展開しています。
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つまり「EV食わず嫌い」な人々に対するカウンターとして企画したのがマッハEだとも考えられ、他社のEVというとコンパクトでエコ推しばかりな中、EVの印象を変えようとして真面目に「マスタングのSUV、そしてEV版」としてマッハEを発売したことは高く評価されるべきだろう、とぼくは考えています。※もちろん、その根底あるのは他社との差別化であり、自社のEVをほかより優位に立たせようという商業的な戦略
そしてこのマッハE 1400については、フォードがさらにその考え方を推し進めたものだと言えそうですが、その外観は見ての通りダウンフォースを強化した「サーキット仕様」。
ダウンフォースはマクラーレン・セナの800kgを上回る1000kgを(時速257km/hの時点で)発生します。
エレクトリックモーターは「回転数にかかわらず」瞬時に最大トルクを発生できるというメリットがあり、そのためにこういったドリフトマシンにはもってこいなのかもしれません。
加えて、同じ理由で「ドラッグレース」にも適していると考えられ、かつこのマッハE 1400のように「モーターを増設すれば」パフォーマンスを(ガソリンエンジンに比較すると)容易に向上させることができ、もしかすると(EVは)レーシングカーに非常に向いているのかも。
反面、バッテリーがすぐに消耗してしまうという問題もあり、そのため耐久レースなど長丁場のレースではガソリン車のほうが適していて、今後はモータースポーツの「カテゴリによって」エレクトリックそしてガソリンエンジンとの棲み分けが進むのかもしれません。
フォード・パフォーマンスはマッハEが爆走する動画を公開していますが、その「モーターサウンド」は必聴です。
やはりリマックも「ドリフト」
クロアチアのエレクトリックハイパーカーメーカー、「リマック」が開発を進めているニューモデル、C_Two。
およそ2000馬力にも達しようかというモンスターですが、今回は「ドリフト」に特化した動画を公開しています。
なお、リマックがこれまでにドリフトをここまで押し出したことはなく、これもマッハE 1400同様、「ガソリンエンジン搭載車にできることはEVにもでき、かつEVでしか到達できない領域もある」ということを示すためなのかもしれません。
現在は既存自動車メーカー、新興メーカーともにEVに注力しており、実際にいくつかのEVが登場しているものの、いまひとつ「消費者がついてこれない」という印象も。
そういった状況においてEVを売ろうと思うと「パフォーマンス」「運転する楽しさ」を押し出すしかないのだとも思われ、いくつかのメーカーは「頭を切り替えた」ということなのかもしれませんね。
なお、自動車が発明されたとき、人々が最初に行ったのは「モノを運ぶ」のではなく「競争」だったといい、自動車というのはやはり、なんらかの(自分の乗るクルマであれ、相手であれ)征服欲を満たすものであって、「我慢しながら乗る」たぐいのモノではないのだろう、とも思います。※その意味では、自動運転は自動車のルーツとはかなり遠いところにある
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