| ただし発売できるかどうかはまた別問題 |
さて、北京モーターショーには様々なクルマが展示されており、今回は「ハイパフォーマンスカー編」をお届けしたいと思います。
まずは中国の最高級ブランド、そして国家の威信をかけた官僚ご用達ブランド「紅旗」が展示するS9。
これは1,400馬力を発生する(スペックはこれまでに二転三転している)エレクトリックハイパーカー(ハイブリッド)で、もちろん「中国史上もっともパワフルなクルマ」、そして70台のみが限定生産されるクルマでもありますね。
なお、その価格は1億6000万円程度だと言われ、パフォーマンスとしては0-100km/h加速1.9秒、最高速度は400km/hを誇る、という無双ぶり。
この加速性能と最高速は現時点では「世界トップクラス」で、リマックC_Two、そして新型テスラ・ロードスターと同等のスペックです。
紅旗S9は実際に生産できるのか?
そして気になるのは実際に生産できるのかどうか。
計画当初はピュアエレクトリックカーとして設計が進められていましたが、なんらかの事情(というか、実現が難しいと判明したのだと思う)によってV8ツインターボエンジン+エレクトリックモーターへと変更されたと報道されており、来年に予定されている生産開始までにはなんらかの変更があるかもしれませんね。
外観は完全に「ハイパーカー」といった雰囲気で、コクピットにはドーム型を採用し、全体的に流線型を意識したデザイン。
ヘッドライトはフロントバンパー内にインテグレートされており、ドアミラーの代わりには「カメラ」がフロントフェンダー後部のウイングレットに取り付けられています。
見たところホイールはセンターロック、そしてリアには巨大なウイングとディフューザー、必要以上に大きなテールパイプも。
車両の中央には「中国」を表現していると思われる、そして紅旗の特徴でもある「レッド」のラインが用いられ、車体後部中央には中国っぽいフォントにて「紅旗」のバッジが装着されます。
ARRIZO-STARは「セダンベース」
そして次はCheryによるARRIZO-STAR。
ちなみにCheryはかつて中国でも有名なコピーメーカーでしたが、現在では自社独自のデザインを採用する方向へとシフトしています。
フロントにはアグレッシブなグリル、大きく張り出したフェンダーを持ち、ドアミラーは超薄型。
ホイールはなぜかレトロなメッシュで、タイヤにはボディカラー同色の「シルバー」のライン入り。
なお、セダンをベースとしたというだけあり、フロントドアは短く、後部ドアを埋めたということもわかります。
リアには大きなウイング、そしてアンダー部にはディフューザーではなく「リップ」のような形状が与えられていますね。
GACはロサンゼルス仕込みのスーパーカーを発表
そして広州汽車(GAC)はバタフライドアを持つスーパーカー、「Enpulse Concept(エンパルス・コンセプト)」を発表。
GACはホンダ、トヨタ、フィアット、三菱と合弁企業を展開する会社で、それなりにノウハウがあると考えて良さそうです。
このエンパルス・コンセプトは、同社がロサンゼルスに所有する「GACアドバンスト・デザイン」によって企画されたクルマで、パワートレインは「ピュアエレクトリック」だとされ、しかし発売時期等は未定、とのこと(単なるデザインスタディにとどまるのかもしれない)。
フロントはピュアエレクトリックカーらしくグリルレス、そしてドアミラーはF1風にアレンジを加えたもの。
極めてクリーンかつシャープなスタイルを持ち、前後オーバーハングは極端に切り詰められています。
フロントスクリーンは見たところ「1枚もの」で、帝人が発表した樹脂製スクリーンのようなイメージですね。
リアもまたシンプルでスタイリッシュなルックスを持っており、なかなかに魅力的なクルマだと言えそうです。