| 今のところル・マン・ハイパーカー=LMHクラスはあまり盛り上がっていない |
さて、トヨタがル・マン24時間レースに参戦するためのハイパーカーを1月15日に公開すると予告。
これはちょっとややこしい背景を持っていて、このハイパーカークラス(LMH)に参戦するレーシングカーは「ベース車が20台以上が生産されていること」が条件となり、よってトヨタはこの20台を「GRスーパースポーツ(仮)」として発売し消化する予定。
ただ、このGRスーパースポーツはル・マン24時間レースの覇者であるTS050ハイブリッドをベースにしており、つまりTS050ハイブリッドの市販モデルがGRスーパースポーツで、GRスーパースポーツをLMH用レーシングカーに改装したクルマが今回公開されるということに。
レーシングカーを市販車にしてまたレーシングカーに戻すという難解な背景を持っているのがこの「ハイパーカー」ということになりますね。
LMHレーシングカーのスペックもちょっとだけ公開に
そしてこのLMHクラスに参戦するトヨタのハイパーカーですが、ちょっとだけスペックが公開されており、それによると「ハイブリッド4WD」「680馬力」「1030kg」。
TS050に比較するといささか控えめなスペックですが、これは先日プジョーが発表したLMHクラス用レーシングカー「HYBRID4 500」の2.6リッターガソリンターボ単体と同じ出力です。
さらにLMH参戦車両の出力はレギュレーションによって「ハイブリッドシステム含めて750馬力」とされているため、今回トヨタが発表した「680馬力」はハイブリッドシステム抜きの出力なのかもしれません。
ちなみにプジョーはHYBRID4 500について「ロードバージョンを市販しない」とコメントしており、つまり生産するのはレーシングカーのみ。
LMHクラスのレギュレーションは当初「公道走行可能なロードカーを20台以上生産していること」とあり、さらには「2年以上生産していること」とあったものの、現時点でプジョー、そしてトヨタのル・マン・ハイパーカーもこの条件を満たしておらず、他に参戦を表明しているスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、ケーニグセグ、ゴードン・マレー(IGM)も同じ。
よってこのあたりは「思ったよりも参戦車両が集まらなかったので」レギュレーションの変更がなされたのかもしれません(当初、ル・マン開催側は、ポルシェやフェラーリ、マクラーレン、ブガッティが市販車を改造して参加してくれると考えていたのかもしれない)。
再びトヨタとポルシェとの対決がル・マンにて
なお、トヨタはTS050でル・マン24時間レースにて3連覇を成し遂げているものの、これはポルシェ撤退後に築いた記録。
つまりポルシェが919ハイブリッドにてル・マンに参戦していた頃にポルシェに勝利したことはなく、しかし今年のル・マンではトヨタが「ル・マン3連覇を成し遂げたTS050ハイブリッドをベースにしたレーシングカーでポルシェに挑む」ことになり、トヨタがついに雪辱を果たすときがやってくるのかもしれません。
With 1⃣1⃣ days to go until we launch our new Hypercar, let's take a look at some specs 🏎️💪🏋️@FIAWEC @24hoursoflemans #TOYOTAGAZOORacing @Michelin #PushingTheLimitsForBetter pic.twitter.com/FXlDvk0uJK
— TOYOTA GAZOO Racing WEC (@Toyota_Hybrid) January 4, 2021
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