| フェラーリはこういったことにかなり厳しい会社でもある |
さて、イギリス拠点にて活動するフェラーリのスペシャリスト、「GTOエンジニアリング」が公開した”プロジェクト・モデナ”。
これはかのフェラーリ250GTOを現代風のデザインや仕様にて蘇らせるというもので、発表後には相当数のポジティブな反応があった模様。
そして今回アナウンスされたのは「現状報告」ということになりますが、搭載を予定している自然吸気V12エンジンの開発が最終段階に近づいていると述べています。
プロジェクト・モデルナはこんなクルマ
なお、このプロジェクト・モデナはGTOエンジニアリングによってイチから製造されるクルマで、メインフレームはチューブラー、サブフレームは軽量なアルミ製。※走行できない国もけっこう多いと思われる
トランスミッションにはもちろん「マニュアル」が採用され、車体重量は1000kg以下に抑えられるとしています。
参考までに、GTOエンジニアリングは過去にも「フェラーリ250GT SWBベルリネッタ・コンペティツォーネのレプリカ」をスクラッチにて製作し販売済み。
フェラーリの許可を取っているのかどうかは不明ですが(フェラーリが許可するとは思えない)、なんとか現在までやってきているので、様々な問題をクリアしているのかもしれません。
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ただ、今回のプロジェクト・モデナについては「レプリカ」というよりも「オマージュ」。
CGを見る限りでは、LEDヘッドライトやテールランプといった現代のクルマの特徴を備えています。
「250GTO」の名称は使用できるが、その姿をコピーすることは許されない
なお、「250GTO」という名について、フェラーリはこの商標権をアレス・デザインと争ったものの「敗訴」することになり、よって現在は第三者であっても250GTOの名を使用することが可能となっているようですね。
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ただしフェラーリ250GTOの「外観」についてだと、イタリアの裁判所が「250GTOは固有の芸術作品として認められるべきであり、レプリカやコピーはまかりならん」という判決を出しています。
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この「プロジェクト・モデナ」については、フェラーリ250GTベルリネッタ・パッソコルトと250GTOとの特徴をミックスしたかのように見え、「モロに250GTOを意識したわけではない」のは、上述のイタリアの裁判所による判決を重視したためなのかもしれませんね(そのほかにもオリジナル要素が入っており、様々な配慮が見られる)。
GTOエンジニアリングでは、これから「ボディの開発に入る」とコメントしていて、その状況についても随時公開されるものと思われ、今後の進捗についても期待したいと思います。
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