| 新型マカンGTSのパフォーマンスは先代マカン・ターボを超え、新型マカンSのパフォーマンスは先代マカンGTSを凌駕する |
インテリアの装備も最新のポルシェと同等に進化
さて、ポルシェが「もっとも売れているモデル」、マカンをフェイスリフト。
内外装のデザイン変更に加えてパワーアップが施され、そのパワーに見合うよう、雰囲気的にはこれまでの「丸っこい」イメージからシャープでダイナミックに変化したように思います。
なお、今回はフラッグシップの「マカン・ターボ」が発表されておらず(そう遠くない先に発表されると予測)、現時点でのトップレンジは「マカンGTS」。
新型ポルシェ・マカンGTSの加速性能は大幅に向上
マカンGTSの最高出力は440PSにまで高められていますが(エンジンは2.9リッターV6ツインターボ)、この数字は現行マカンGTSの+40馬力、そしてなんと現行マカン・ターボと同じ数字です。
これによって0-100km/h加速は0.6秒マイナスの4.3秒へ(スポーツクロノパッケージ装着時)短縮されていますが、この数字も現行マカン・ターボの「マイナス0.1秒」なので、新型マカンGTSのパフォーマンスが大きく引き上げられたということがわかり、となると「マカン・ターボはさらに上」のパフォーマンスを誇るのはもう確実。
もちろん足回りも強化され、GTS専用のスポーツエアサスペンションは「走行状況や路面状況に応じ、より敏感に、よりダイレクトに反応し、ステアリングホイールを介してドライバーにさらに優れたフィードバックを与える」ように再調整。
PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)のダンパー特性も変更されており、SUVの快適さ、スポーツカーとしてのダイナミックな性能を両立した、とのこと。
なお、これまで通りマカンGTSは(スポーツサスペンション装着によって)車高が10ミリダウンしており、かつ新しいエアサスペンションの剛性はフロントで10%、リアでは15%も向上。
オプションのGTSスポーツパッケージを選択すると、パフォーマンスタイヤ+21インチのGTデザインホイール、ポルシェ・トルク・ベクタリング・プラス(PTVプラス)、スポーツクロノパッケージが付与されることになり、さらなる性能向上が期待できます。
新型マカンGTSのデザインはこう変わった
新型マカンGTSのデザインについては、ノーズセクションやその他の部分がブラックにて仕上げられ、大きくガバっと口を開けているかのような印象に。
なお、「ハイパフォーマンスモデルにおいて大きく口を開ける」のは、つい先日発表された新型アウディRS3にも共通しているので、今後のフォルクスワーゲングループにおけるデザイン上の「セオリー」となるのかもしれませんね。
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ボディサイドには「GTS」レター。
リアだと新デザインのディフューザーが目を引く部分であり、これによって印象が一変して「スポーツカーのようなルックス」に。
前後バンパー、そしてサイドブレードにはひし形を用いた新しいテクスチャが採用されています(ダミーのメッシュグリルのように見えずにいいと思う)。
ルーフスポイラーは立体的な二重構造。
新型マカン/マカンSはこう変わった
そして新型マカンSだと、そのエンジン(2.9リッターツインターボ)出力は26馬力向上して380馬力へ。
0-100km/h加速は4.6秒、最高速度は259km/h、これは現行マカンSの「5.3秒、254km/h」からの大幅な向上であり、現行マカンGTSの「4.9秒、261km/h」を一部凌駕する数字です。
なお、380PSというと現行マカンGTSと同じなので、「新型マカンGTSは現行マカン・ターボと同じ出力に、そして新型マカンSは現行マカンGTSと同じ出力」を得たということになりますね(そしてパフォーマンスでは現行の1ランク上のモデルを超えている)。
そしてマカンに積まれるのは新開発の4気筒ターボエンジンで出力は265馬力(現行は245馬力)、0-100km/h加速は6.2秒(同6.7秒)、最高速は232km/h(同225km/h)。
トランスミッションはいずれのモデルも(マカンGTS含め)7速PDK(デュアルクラッチ)、駆動方式はもちろん4WD。
デザイン面においては、ボディカラー同色のインレイが施されたフロントバンパーを持ち、「ワイド感、堂々たる印象を強調」。
ポルシェ・ダイナミック・ライト・システム(PDLS)付きLEDヘッドライトとスポーツデザイン・エクステリアミラーが全モデルに標準装備されています。
なお、ポルシェにおいては、「先代ではオプション装備だったもの」「先代の1ランク上のグレードに装備されていたもの」がフェイスリフト版において「標準装備」となることが通例となっていて(アウディも同様で、それまでオプション扱いだったSラインが標準化されたりする)、今回の新型マカンもそのセオリーに従ったということになりそう。
テールランプについては現行マカンとの相違はないように見えるものの、リアディフューザーは大きく変更されており、テールパイプともどもマカンGTSと共通デザインを持つ模様(オプションが装着されている可能性もある)。
そしてポルシェは、モデルチェンジ、フェイスリフト(マイナーチェンジ)の際に新しいボディカラーを追加する傾向にあり、今回も新色として「パパイヤ・メタリック」と「ゲンチアナ・ブルー・メタリック」、マカンGTSには(GTスポーツパッケージ装着の場合に限り)「パイソン・グリーン」が選択可能。
もちろん標準のボディカラー以外にもポルシェの用意するパーソナリゼーションプログラム「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」を使用すれば無限のバリエーションの中からボディカラーを選ぶこともできます。
新型マカンのインテリアはこう変わった
今回のフェイスリフトにおいて見逃せないのが「インテリアの変更」。
現行911やタイカンにて使用されるハードやデザインを取り入れており、大きくその先進性が向上しています。
要はずらりと並ぶボタンが少なくなってタッチ式に変更されたということですが、そのほかにも短くなった新しいセレクターレバー(911のようなスイッチではない)、ダッシュボード上部のアナログクロック、911に採用されるマルチファンクションステアリングホイールとGTスポーツステアリングホイール(マカンGTS)が標準装備に。
GTSスポーツパッケージを選択すると、インテリアにも特別な専用装備が追加されることになり、18ウェイ・スポーツシート、カーボン・インテリア・パッケージ、エクステンデッド・レザー・エレメント+レース・テックス・インテリア、コントラスト・ステッチ、パイソン・グリーンのGTSレタリングなどが含まれます。
新型ポルシェ・マカンのデリバリーは2022年はじめから
この新型マカンについて、デリバリーは(仕様地によって差はあると思いますが)2022年はじめからデリバリー開始。
現時点ではポルシェジャパンからのアナウンスはなく、しかし例によってまもなく何らかの発表がありそうですね。
参考までに、ポルシェ・マカンは現在までに60万台を販売し、購入者の80%が「ポルシェにとっての新規ユーザー」、そして女性顧客比率が最も高いモデルでもあり、中国ではなんと「マカンユーザーの60%が女性」とのこと。
今回のフェイスリフトでは、やや男性的なイメージを強めているようにも感じられますが、ポルシェとしては「これまでの女性客に加え、男性客をもっと呼び込みたい」という考えもあるのかもしれません。
なお、デザイン的には「ポルシェのフェイスリフトにしては珍しく」ヘッドライトが変わっていないため全体的な印象が劇的に変化しているわけではなく、しかしこれは「デザインを大きく変えるとセールスに影響する(下がる)可能性がある」ことを考慮し、人気のあるパーツにはあえて手を入れなかったのでしょうね。
新型ポルシェ・マカンのプロモーション動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=dzRxvJAKZh8参照:Porsche