| アストンマーティンはまず現行モデルの開発コストを吸収せねば先に進めないようだ |
どうやらDBXのピュアエレクトリック化は今のところ念頭に無い模様
さて、ここ最近動きが大きいスポーツカーメーカーというと「アストンマーティン」。
なぜかというと資本が変わりCEOが入れ替わったためで、これによって以前の方針の多くがひっくり返ってしまったわけですね。
たとえば「ル・マン24時間レース参戦」「ラゴンダブランド復活」「新型V6エンジン投入」「MT継続」「大排気量ガソリンエンジン重視」といった部分がアッサリと取り下げられてしまい、現在では環境対応路線が色濃くなっています。
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アストンマーティンがピュアEVを発売するのは「少し先」
そして現在電動化を推進しているアストンマーティンですが、トビアス・メアースCEOによると「電気自動車は次世代のスポーツカーを発売する準備が整うまで数年は待つ必要がある」。
DB11、ヴァンテージやDBSスーパーレッジェーラといったモデルのコストを回収することが先決ということになりそうですが、これらのコストを回収した、もしくは回収する目処が立った時点でピュアEVが登場することになりそうです。
なお、この中ではDB11が最も早くコストを回収することになりそうなので(2026年に10年が経過する)、おそらくはDB11後継モデル「DB12(仮)」がアストンマーティン初のキュアエレクトリックスポーツという栄誉に浴する可能性が高いと考えています。※実際のところ、トビアス・メアースCEOもそれを示唆している
ちなみにアストンマーティンはピュアエレクトリックカーとして「ラピードE」を発売していますが、これはほどんど売れなかったと見え、現在では「なかったことに」されているという印象も。
そして「次のピュアエレクトリックモデルは数年先」になるという発言からするに、ラピードEに搭載されたエレクトリックシステムは「失敗」だったと考えてよく、アストンマーティンとしてはここからノウハウを得ることがほぼできなかったのかもしれません。
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もうひとつ参考までにですが、もともとDBXは「ピュアエレクトリック」モデルとして企画されており、しかしその後ハイブリッドへと計画が変更され、結局は「ガソリンエンジン」にて発売されています。
これについては、新興自動車メーカー含む各メーカーとも似たようなこととなっており、いかにピュアエレクトリックカーを発売すること、そしてそれを成功させることが難しいかがわかりますね。
アストンマーティンは電動化を急がない
なお、ガソリン重視路線から電動化路線へと転換したといえど、アストンマーティンは必要以上にエレクトリック化を急がない模様。
そこにはラピードEから得た教訓(物理的な難しさに加え、そもそも自社の顧客がエレクトリックカーに興味を示さなかった)もあるのだと思われ、実際に「2030年にはラインアップの半分を電動化する」としながらも、「ガソリンエンジンを求める層はまだまだおり、電動化の速度は需要を見ながら調整する」とも。
このあたり、アストンマーティンが多くの顧客を抱える中東そして中国においては、欧州よりもまだしばらく先までガソリン車の販売ができそうだという事情を考慮しているのかもしれず、「行ける範囲までは」ガソリンエンジンを維持することになりそうです。
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参照:MotorTrend