| ポルシェからすると、自社が今まで経験した苦労や投じた資金を否定されるように感じたのかもしれない |
ただし2035年までには何があるかわからず、まだまだ先行きは不透明
欧州連合(EU)は、2035年までにガソリンとディーゼルエンジンを搭載したクルマの販売を禁止するという政策を提案しており、この提案はまだ法律化されていないものの、もし法制化されると各自動車メーカーは今まで以上にエレクトリック化への対応速度を早める必要が出てきます。
そしてつい先日、イタリアのロベルト・チンゴラーニ環境移行担当大臣が、自国のスーパーカーメーカーに対する禁止措置の緩和を求めたということも報じられたばかりで、こちらが認められればフェラーリ、ランボルギーニ、パガーニは2035年以降にもガソリンエンジンを積んだクルマを販売できるということに。
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ランボルギーニとフェラーリが「2035年以降はガソリンエンジン禁止」規制から特例として除外される可能性があるようだ!認められれば2035年以降もガソリンエンジン車の生産と販売が可能に
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ただしポルシェはこの緩和措置には「納得できない」
しかしながらこの緩和の要求に対して不快感をあらわにしたのがポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏。
ポルシェは現在、スポーツカーメーカーの中ではもっともアグレッシブにエレクトリック化を進める自動車メーカーということになりますが、「EUがこのような免除を提供するのは間違いである」とコメント。
オリバー・ブルーメ氏によると「今後10年間で、電気自動車はもっとも優れた選択肢になる」と語っており、「脱炭素社会に向けて、すべての人や企業が貢献しなければならない」とも。
つまりは「例外はあってはならぬ」ということになりそうですが、ポルシェが多額の資金や労力をかけて進めてきた計画を根本から否定されたような印象を持ったのかもしれません。
ただしフェラーリ、ランボルギーニもエレクトリック化を進行中
ただ、フェラーリやランボルギーニもエレクトリック化に消極的なわけではなく、フェラーリはすでに「定番」としてハイブリッドスポーツを2台も揃えるという、スーパースポーツ界ではもっとも進んだメーカーへと変貌を遂げることに。
さらには「ガソリン禁止も大歓迎」と述べて電動化ウエルカムな意思も示しており、早ければ2025年にも「ピュアエレクトリックスポーツ」を発売する意向を示しています。
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フェラーリ会長「ガソリン禁止、業界の電動化への流れは大歓迎だ。その中でこそ我々の製品が際立つだろう」。たしかにフェラーリはSF90、296GTBによっていつの間にか「電動化スポーツカー」のトップランナーになっていた
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一方のランボルギーニは今のところ遅れを取っていて、限定モデルだと「スーパーキャパシタ」を使用したシアン、そしてカウンタックLPI800-4を発売したものの、定番モデルとしてのハイブリッドカーの用意はなく、しかし2024年には全ラインアップをハイブリッド化する予定だと発表しています。
加えて、ランボルギーニがピュアエレクトリックカーを発売するのは2025年以降となりそうであり、フェラーリやポルシェに遅れを取るのは間違いなさそう。
ただ、2035年というと、今から14年も先の話であり、そこに至るまでは何があるのかわからず、今後の流れについては「ただ見守る」しかなさそうですね。
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参照:Bloomberg