| クリス・バングルによる7シリーズが発表されたとき以上に衝撃的なデザインでBMW XMが登場 |
正直、カッコいいのかそうでないのか判断ができない
さて、BMWが予告通り、モータースポーツ部門である「M」独自開発となるコンセプトXMを発表。
BMW Mは1978年に(ランボルギーニの協力を得て)はじめてM部門専用となるスーパーカー「M1」を発表していますが、こちらは3.5リッター直列6気筒エンジン(274馬力)を搭載するBMW初のミッドエンジン車。
そしてそれから40年以上が経過し、2台目となる「M専用モデル」、コンセプトXMを発表することとなっています。
新世代のM専用モデルはクロスオーバー
その意味では、今回のコンセプトXMはM1の後継といえなくもなく、しかし新世代の「M専用モデル」はプラグインハイブリッド、そしてクロスオーバー。
デザイン的にも大きなカイリがあり、M1との共通点があるとすれば、コンセプトXMのルーフ両端にあるBMWのプロペラマークかもしれません(M1のリア左右にも、同じようにプロペラマークがあった)。
ちなみにこちらはM1。
おそらく、この位置にプロペラマークがあるのはM1とコンセプトXMだけなんじゃないかと思います(ヴィジョンMネクストはこの位置にプロペラマークを持たない)。
BMW コンセプトXMは市販化前提
そしてこのコンセプトXMは市販化前提のコンセプトカーですが、これまでBMWが発表してきたコンセプトカー(コンセプトZ4など)について、「コンセプト」という文字が取れた状態で発売されているので、このコンセプトXMについても、市販時には単に「XM」となるのかもしれません(シトロエンXMとの兼ね合いや、国ににっては2文字だと商標登録ができないので、なんらかの変更も考えられる)。
なお、発売については「BMW M部門が50周年を迎える」2022年だと言われていますね。
パワートレーンは上述のとおり「プラグインハイブリッド」ではあるものの、現時点でBMWはその詳細(エンジンやバッテリーサイズなど)について述べておらず、ただし最高出力は750馬力、最大トルクは最大トルク737Nmを発揮し、バッテリーのみでは約48kmの走行が可能だと推測されています。
BMW コンセプトXMのデザインもまた新世代
このコンセプトXMについて、やはり触れずにいられないのがそのデザイン。
従来のBMWとは大きく異るデザインを持ち、キドニーグリルはBMWのラインアップ中では「最大級」であり、ティーザー画像にて示されたようにLEDイルミネーションがグリルフレームに仕込まれ、夜間には強烈な存在感をアピールしそう。
ねお、ヘッドライトは「上下二分割」ではなく、スリムなLEDヘッドライトが左右ひとつづつ備わります。
ホイールは23インチでこれまた「BMWでは最大級」の大きさを誇り、スポーク部、センターキャップともにこれまでにないデザインを採用。
リアバンパーに仕込まれるテールパイプも「新しい」デザインを持ち、三角とも六角形とも受け取れるデザインです。
テールランプはボディサイドからテールゲートへと回り込むデザイン。
Mロゴ自体はこれまでと同じですが、カラーがモノクロームに。
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インテリアは意外やレトロで重厚だった
このコンセプトXMにてぼくが驚いたのがこのインテリア。
外観から推測すると先進的な雰囲気を持っていそうですが、意外やレトロ。
そしてそのレトロな雰囲気はヴィンテージレザーによって形成されているようですね。
シート形状そのものは最新であるものの、やはり張り材はヴィンテージレザー。
なお、天然レザーは「サステイナブルではない」「エコではない」という理由にて敬遠される傾向が(特に欧州で)強まっていると聞きますが、一方ではレザーの支持も非常に高く、よってBMWはそういった風潮を鑑み、レザーを使用しつつも、ヴィンテージレザーによってエコっぽさを出そうとしたのかもしれません。
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センターコンソールのスイッチ類も新しくデザインされ(ベゼルはホイールのスポークとの関連性が見られる)、周囲のパネルのテクスチャも新しいデザインへ。
一方でドアインナーハンドルやドアインナーパネル上のスイッチは従来のBMWとの共通性が見られるところ。
リアシートの背もたれこそ独立しているものの、座面はベンチシートとなっており、「ラウンジのような雰囲気」を出そうとしていることもわかります。
シート座面にはダイヤモンドステッチ入りベルベット、そしてフロアマットには毛足の長いカーペットが使用されており、一風変わった高級感を演出しているようですが、BMWとしては、メルセデス・ベンツやベントレーなどと異なる方向にてプレミアム感を出したかったのでしょうね。
ちなみにヘッドライナーには「パープル、ブルー、レッド」という3色のMカラーを用いたアンビエント照明が用いられている、とのこと。
現時点ではコンセプトXMの価格については何ら情報はなく、しかしプラグインハイブリッドに750馬力、そしてこのインテリアや独特の(専用設計パーツの多い)エクステリアを見るに、その価格はけして安価なものではなく、「かなり高価」、しかもBMWでもっとも高価な部類となるかもしれません。
参照:BMW