| これから高騰する開発費用、資源の奪い合いに向けて自動車メーカーは提携を強化する必要があるようだ |
今後の提携関係によっては「勢力図」が書き換えられる可能性も
さて、ステランティスは、同社の自動車をより収益性の高い先進的なものにすることを目的とし、一連の技術とパートナーシップを発表。
このステランティスは、プジョー・シトロエンを核とするPSA、ダッジやジープを擁するFCAとが合併した新組織で、傘下にはクライスラー、ダッジ、ジープ、ラム、フィアット、アルファロメオ、フィアットプロフェッショナル、ランチア、マセラティ、プジョー、シトロエン、DS、オペル、ボグゾール(ボクスホール)といった14のブランドが収まります。
半導体に関してはアップルの下請けとのパートナーシップ契約を締結
そしてまずパートナーシップに関してですが、iPhoneの製造を行うアップルの下請け、鴻海科技集団(Foxconn)との間によって、"ステランティス社およびサードパーティの顧客をサポートするための専用半導体群 "の設計・開発を行うという覚書を締結しています。
このフォックスコンは自社でもEVビジネスに乗り出しており、すでにプラットフォームを自社で開発しているうえ、それらを他社に供給するとも発表。
加えてEV製造のための設備も(米ローズタウンモータースから)買取り、自社のEVをリリースすることで「完成車ビジネス」にも参入済みです。
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ステランティス社のCEO、カルロス・タバレス氏によると、このパートナーシップが "当社の半導体ニーズの80%以上をカバーする4つの新しいチップファミリーを創出し、当社のコンポーネントの大幅な近代化、複雑性の低減、サプライチェーンの簡素化に貢献することを目指している "と述べており、つまりは現在不足が叫ばれる半導体(マイクロチップ)確保のための仕組みを作るということになりそう。
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自律走行ではBMWとのパートナーシップも
そして自律走行(自動運転)の面では、Waymoとのパートナーシップを拡大して地域の配送サービスを行う(商用車を強化する)ことを発表し、エンジニアリングチームは来年にはプロトタイプを完成させる、と報じられています。
加えてステランティスは、BMWと提携してSTLA AutoDrive(ステランティス独自の自動運転技術)を開発しているということも発表されており、このプラットフォームは、レベル2、レベル2+、レベル3の半自律走行システムを可能にするもので、無線アップデートにより「継続的にアップグレード」される予定なのだそう。
ちなみにBMWはつい先日、「サウジアラビアにて設立させる新会社へと車体を提供し、フォックスコンが技術を提供する」と報じられたばかりなので、「ステランティス、フォックスコン、BMW」の3者は強い絆で結ばれていると考えていいのかもしれません。
新しく4つのEVプラットフォームを発表
さらにステランティスは、今後発売される電気自動車に使用される3つの新しい「技術プラットフォーム」を発表しており、これらに共通するのはSTLAブレインと呼ばれる”頭脳”、そしてSTLAスマートコクピット、STLAオートドライブという3つの基本機能。
さらには現行の3倍のモジュール数を持ち、無線によるアップデートが可能、かつ新しいソフトウェアのアーキテクチャだと紹介されており、クラウドと完全に統合されることで、車内の電子制御ユニットと車両の中央高性能コンピュータを高速データバスで接続する 、という説明がなされています。
そして新しく用いられるプラットフォームとしては「スモール」「ミディアム」「ラージ」「フレーム」の4つで、この中には0-100km/h加速を2秒で走ることができるものもあるといい、「フレーム」はその名の通り、オフローダーに採用されるラダーフレームシャシー(これはジープに使用されるのだと思われる)を指しています。
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