| たしかに現在に至るまで、SUVのコンバーチルボディにおいて成功した例は皆無に近い |
そしておそらく、今後もカイエンのオープンモデルは登場しないだろう
さて、ポルシェは過去に「928のワゴン」「911の4ドア」など様々なコンセプトカーを作成していますが、今回公式コンテンツとして紹介されているのが実現しなかったコンセプトカー、「カイエン・コンバーチブル」。
ポルシェはカイエン「20周年」を祝うために様々な「知られざる」カイエンの過去を公開していて、たとえば「当初はメルセデス・ベンツMクラスの兄弟車になる予定だった」「ポルシェがSUVを開発していると知られないよう、ダミーとすべく会社を一つ敷地ごと買い取った」といった事実も明かされています。
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ポルシェは当初からカイエンの様々なバリエーションを検討していた
そして今回ポルシェが公開したコンテンツによると、ポルシェは2022年のカイエン発表当初から様々なボディタイプの発売を考えていたといい、とくに有力だったのは「クーペ」「3列シート」「コンバーチブル」。
たしかに当時、3ドア版の「カイエン・クーペ」のウワサが何度か出ていたものの、3列シート版、コンバーチブルについては当時話を聞いた覚えはなく、しかしつい最近になって「3列シート」版のSUVもしくはミニバンが登場する、という話も出ていますね。
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なお、このプロトタイプには着脱可能なソフトトップが装着されていますが、もし市販するのであれば電動開閉式ルーフが与えられる予定だったといい、実際にリアパネルの開閉そしてトップの折りたたみ方法、さたに収納スペースなどについてはコンピューター上にてシミュレーションを完了させていたといい、その動作は991世代以降の911タルガの動作に似ている、とも(となると、リアセクションがガバっと持ち上がるのだと思う)。
サイドウインドウはリアに行くに連れ天地が狭くなり、リアセクションをスマートに見せていますが、「2ドア化」されていることも大きな特徴で、そのためドアは通常のカイエンに比べると20センチも長い、とのこと。
カイエン・コンバーチブルのリアセクションは「2タイプ」を検討
ちなみにポルシェはこの時点で「リアのデザインをどうするか」決めかねており、そのために2パターンを一台に組み込んでいますが、これは(プロトタイプといえど)けっこう珍しいと思います。
テールランプの位置はもちろん、ナンバープレートの位置も異なっていて、現行カイエンのナンバープレートはテールゲートにあり、そしてカイエンクーペのナンバープレートはリアバンパー側に装着されていますが、結構印象が異なるということもわかりますね。
カイエン・コンバーチブルはこういった理由で発売されなかった
なお、カイエン・コンバーチブルの生産が実現しなかった理由は主に2つあり、ひとつは収益性が高くなかったこと(つまりコストが高い)、そしてもう一つはデザイン的な魅力を持つかどうかの判断ができなかったことだといいます。
ポルシェのデザイン部門責任者、ミヒャエル・マウアー氏によれば「SUVをコンバーチブルにすることは、美的にも形式的にも難しいことです。SUVは常に大きくて重いボディを持っています。これを小さな上半身と組み合わせ、さらにルーフを切り落とすと、非常に奇妙な形が浮かび上がってくるのです」。
SUVのオープンモデルというと(ちょっと前から現在まで)日産ムラーノ、レンジローバー・イヴォーク、フォルクスワーゲン Tロック・カブリオレが存在しますが、たしかにクローズドボディに比較して十分に魅力的かどうかは判断が分かれるところ。
なお、ポルシェはパナメーラにもオープンモデルを追加するのではと言われたことがあるものの(実際にパテントが出願されている)、もちろんこれは実現しておらず、スポーツカーとは異なり、サルーンやSUVのオープンモデルは「ニッチすぎる」のかもしれませんね。
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