| ベントレーはもともと無限に近いカスタム性を誇り、「法律と想像力の限界」でしかそれを制限できない |
特にその内装は自動車業界でもっとも高い自由度を持っているとも考えられる
さて、ベントレーが12台限定にて生産されるハンドメイドの限定車「バカラル」の生産について最終工程を迎えたと発表。
すでに8台は納車され、4台は納車に向けて最後の準備がなされているそうですが、バカラルの生産には1台あたり6ヶ月を要し、そしてもちろん1台1台が固有の、かつオーナーの要望に沿った仕様を持つため、その仕様の決定に至るまでにも長い時間がかかっていると考えて良さそうですね。
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バカラルを生産するのはベントレーのカスタム車両生産部門「マリナー」
なお、このバカラルの生産を行うのはベントレーのコーチビルディング部門「マリナー」。
マリナーはもともと独立した、そして世界最古のコーチビルダーであったのですが、ベントレーに買収される形でベントレー傘下に入り(実はマリナーのほうがベントレーよりも歴史が古い)、その後はベントレーの特別仕様車やワンオフモデルの製作を行っています。
そしてこのマリナーは、今回のバカラルの生産が終了したのち、別のプロジェクトに向けて動き出すともコメントしており、こちらは「間もなく」公開されるというので、別途楽しみに待ちたいと思います。
バカラルは「目の肥えたお客様」を対象に
このバカラルはコンチネンタルGTCをベースにするものの、内外装はほぼ完全に作り変えられており、ターゲットは「極小数の、目が肥えたお客様」。
発表と同時に(もしくはその前に)完売となっていますが、さすがにそういった顧客だけあって「どのような細部にいたるまで」顧客の指定するスペックによってデザインされ、ボディカラー一つとっても「同じ色は2台と存在しない」のだそう。
オープントップのボディワークはカーボンファイバー製、そしてホイールは22インチサイズで、3種類の仕上げ(ポリッシュ仕上げのフェイス、ダークグレーのサテンスポーク、アクセントカラーによるハイライト)が用いられています。
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なお、ボディカラーだと「籾殻灰」を混ぜたイエローフレームから、ベントレー伝統のモスグリーンなどが存在しますが、こちらのバカラルの外板色は「サンセットレンジ」。
ヘッドライトのインナーにもサンセットオレンジが使用され、その周囲はグロスブラック、フロントフード上のエアベントはサテン仕上げのカーボンファイバー。
さらにはドアミラーの一部、リアだとシート後方のパワーハンプにも同様の仕上げが用いられています。
ちなみにエキゾーストパイプは「ブラック仕上げ」ですが、アウターはグロスブラック、インナーはマットブラックにペイントされている、とのこと。
このほか、ウインドウサラウンドやドアハンドルの内側にもグロスブラックが使用されているようですね。
バカラルのインテリアにはエクステリア以上のこだわりが反映される
そしてベントレーのクルマはもともと「世界一美しいインテリアを持つ」と評されることも多く、そしてこのバカラルではさらに美しさが加速しています。
サンセットオレンジのエクステリアカラーを持つバカラルのインテリアに用いられるのは「ホワイト、ブラック、マンダリンオレンジ」。
外装同様にサテン仕上げのカーボンファイバー(部位によってはグロス仕上げ)を使用しつつ、アルカンターラ、ブラック、ダークティント、ブライトクロームのグロス/サテン仕上げのメタルパーツなどを使用しており、インテリアのすべてのパネルとディテールは顧客の好みに応じて指定されている、とのこと。
そのほか新しくマリナーのスタッフが開発したパイピング、ドアに沿ったハンドクロスステッチなど細部に至るまでこだわりが満載され、さらにはローテイティングディスプレイのアナログクロック文字盤には「バカラル・ブルー」、カーペットには「ダイヤモンド・カーブド」パターン。
加えて、コンセプトカーである「EXP100 GT」にて採用された、持続可能で倫理的な方法(動物や環境を必要以上に苦しめない)で調達された素材も大量に投入され、天然の英国産羊毛、イースト・アングリアの古代フェンランドから調達した5,000年前のリバーウッドといった素材も使用されている、とのこと。
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ベントレーいわく、すべてのベントレーは「スタンダード」モデルでさえ、文字通り何十億通りもの仕様をチョイスでき、マリナーになるとそのデザインプロセスはさらに進化し、素材、カラー、仕上げの組み合わせは「無限に」まで広がる、とのこと。
これを制限するのは「オーナーが登録する国や地域の法律と、顧客のイマジネーションの限界」のみだといい、これから発表される新しいマリナーの限定シリーズも同様となるようですね。
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参照:Bentley