| ステアリング周りやサスペンション、ガラスなどを考慮するに、縦に延長するよりもハードルが高そうだ |
おそらくここまでカスタムするには相当な費用と時間がかかったに違いない
さて、世の中には様々な「もしも」系レンダリングが存在し、そういった作品では、スポーツクーペをワゴンにしたりSUVにしたり、はたまた4ドアセダンにしてみたりという「現実には存在し得ない」クルマを表現しています(それこそが”もしも”系レンダリングの醍醐味でもある)。
そして現実世界においても「スーパーカーをリムジンにしてみたり」といった改造が時々見られるものの、今回紹介するのはそのどちらでも見たことがない「クルマの幅を(横に)ストレッチする」という世にも奇妙なカスタムです。
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そもそもクルマの幅を広げる意味が不明
ワゴン化したりリムジン化したりということについては「荷室空間を最大化したり」「室内空間を最大化したり」という目的とメリットがありますが、「車幅を拡大する」というのは前代未聞であり、というのも(入れないところが出てくるなど)デメリットのほうが大きいため(さらに言えば、コストに見合う効果が得られない)。
それでもこの中国人の一団はなぜかクルマの幅を拡大するというカスタムに手を出しており、しかしこうやって世界中で大きな話題となっているので、それだけの効果はあったのかもしれません。
なお、ベースとなるのはフォルクスワーゲンの中国専用社「ラマンド(Lamando)」。
横から見るととくに変わったところはないようですが・・・。
前に回り込んでゆくにつれ「?」といった雰囲気に。
そして正面から見たときの異様さよ!
ちなみにノーマルのラマンドはこんなクルマ。
そしてこのラマンドを後ろから見るとこう。
その完成度には目を見張る物がある
なお、このラマンドは「ラマンド5XL」と名付けられ、全幅3メートルあるそうなので、1メートルちょっと幅が広くなっていると考えて良さそうですが、ボンネット、ルーフ、トランクリッドなど(意外や)破綻なく延長されており、実は相当に高い技術力をもって仕上げられているのかも。
この「ワイド化」の手法については、いったん車体を縦に真っ二つにカットし、そこに「エクステンション」を挟むというサンドイッチ方式で、ある意味では縦に延長してリムジンを作る時と同じ手法を用いています。
よってエンジンは「元の位置」にあるままで、そのため延長した空間はスカスカ。
こんな感じで余裕で中に入ることができるほど(ボンネットの裏面までよくできている)。
ただ、ステアリングラックやドライブシャフトの延長、その他モロモロの改造が必要になり、おそらくは想像するよりも相当な手間がかかっていそうです。
そしてもちろん実際に走ることも可能ですが、最高速度は時速30キロに制限されており、NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)は最大レベル。
おそらくは車体重量がかなり重くなっていると思われ、そもそもスピードが出ないという可能性もありそうです(ブレーキのキャパシティも心配)。
前後ウインドウ、グラスルーフも専用の一枚物で、見れば見るほどよく出来たクルマですね。
フォルクスワーゲン・ラマンド5XLの内装はこうなっている
そしてこちらがこのフォルクスワーゲン・ラマンドXLのインテリア。
運転席側はオリジナルのまま、しかし助手席側が延長され、ダッシュボードにはモニターが並びます(よくこんな長いモニターがあったな・・・)。
運転席側から見るとこう。
ルームミラーもちゃんとセンターに移動しており、やはりそうとうに高いクオリティを持つもよう。
モニターは当然ちゃんと作動するように設定されており、様々な表示を行うことが可能です。
リアシートは広々。
内装にも破綻はなく、シートやルーフ内張りの繋がりも自然です。
なお、リヤハッチは(おそらくガラス面積拡大のため)非常に重くなってしまい、成人男性4人がかりでないと開けることができないようですね。
ウェザーストリップや内張りも含めてしっかり作り込まれており、どこからどうみても素晴らしい出来栄えを持っていると思います(単に見た目の奇抜さを狙っただけのクルマではないようだ)。
フォルクスワーゲン「ラマンド5XL」を紹介する動画はこちら
参照:Wheelsboy