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ランボルギーニは「フェノメノ」以外にも様々なスペシャルモデルを用意している?デザイン責任者が語る“未公開アイデア”とV12オフローダーの可能性

ランボルギーニは「フェノメノ」以外にも様々なスペシャルモデルを用意している?デザイン責任者が語る“未公開アイデア”とV12オフローダーの可能性

Image:Lamborghini

| 「Few-Off」最新作、ランボルギーニ・フェノメノが登場したところではあるが |

ランボルギーニの進撃はとどまるところを知らない

モントレー・カーウィーク2025にて、ランボルギーニは新たな限定スーパーカー「フェノメノ(Fenomeno)」を発表しましたが、このモデルはレヴエルトをベースとしながらも、過去の少量限定生産車(フューオフ)であるヴェネーノ、チェンテナリオ、シアンといったスペシャルモデルの系譜に連なる”量産車とは別の軸にある”存在です。

そして現在、ランボルギーニのデザインを統括するのは(2016年に就任した)ミッチャ・ボルカート氏で、今回彼はフェノメノ誕生の背景や、ランボルギーニデザインの方向性について語っています。

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デザイン哲学 ― 狂気と現実のバランス

「私は常に想像力にあふれ、アイデアが尽きることはない。しかし、ランボルギーニは小さな会社。実際に形にできるかどうかには制約がある。」

ミッチャ・ボルカート

彼によれば「ランボルギーニのデザインは“狂気じみたアイデア”と“実現可能性”のバランスを取ることが鍵」。

実際、同氏がランボルギーニでデザインを行ってきた過去10年間には、一般に公開されていない“未発表デザイン”が数多く存在し、ポルシェが2020年に発表した「Porsche Unseen」シリーズのように、一冊の本が作れるほどの量になるのだそう。

たしかに同氏は「テルツォ・ミッレニオ」「ランボV12 ヴィジョン・グランツーリスモ」のような破天荒なコンセプトカーを次々発表しており、溢れるクリエイティビティを抑えることができないといった印象も。

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フェノメノに込められた要素

そこで彼がまず語ったのは「フェノメノのデザインには、遠くからでもランボルギーニと分かるシルエットラインと、カウンタックを思わせる宇宙船のようなフォルムが盛り込まれている」ということ。

「(レヴエルト、テメラリオ含め)3台の車を並べても、どれがフェノメノなのか、一目で分かるようにしたかったのです」

なお、この「宇宙船」というのは彼にとっての一つのキーワードであり、フェノメノのデザインスケッチにも「スペースシップ」という文字が書き込まれているほか、これまでのインタビューにおいてもたびたび、「私がデザインするのは宇宙船なのです」と述べることに。

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幻の“V12オフローダー”

そしてインタビューの中で最も興味深いのは、かつて社内で検討された「V12オフローダー」についての言及ですが、ミッチャ・ボルカート氏は「フォトショップでアヴェンタドールをオフロード仕様にした試作を試みた」と明かしたものの、その結果は”みごとに失敗”。

「V12はホイールベースが長すぎ、重量もありすぎるため、ステラートのようなコンセプトには(おそらく構造的に)合わなかった」と語ります。

ランボルギーニ

さらに、「公式に言えるが、V12オフローダーの計画は一切ない」と断言しているので、このV12オフローダーの市販化は期待できそうにありませんが、「ただし50年後なら可能かもしれませんね」と冗談を交えてコメントしたもよう。

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まとめ

フェノメノはランボルギーニの未来を象徴する「フューオフ(Few-Off)」モデルであると同時に、同社のデザイン哲学そのものを体現した存在ですが、常識を超えたアイデアが盛り込まれながらも、ブランドの伝統と現実性の狭間で形作られるデザインを持っており、そこにランボルギーニの強烈な個性が宿っている、と考えて良さそうです。

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そしてこういったフューオフモデルでは、量産モデルではできない技術・デザイン的挑戦(上述のような制約はあるが、量産車よりは制約が少ないことは間違いない)も可能となり、そして量産車とは異なる世界観や役割、ポジションを持つため、「より新しいチャレンジ」を盛り込むことが可能となるのかもしれません。

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参照:CARBUZZ

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