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ロールス・ロイスは2022年に「118年の歴史で最高の販売台数」6,021台を販売!平均価格は7000万円を超え、日本では「新しい成功者が、ますます我々のクルマに投資している」

ロールス・ロイスは2022年に「118年の歴史で最高の販売台数」6,021台を販売!平均価格は7000万円を超え、日本では「新しい成功者が、ますます我々のクルマに投資している」

| ロールス・ロイスは、歴史を守ることではなく、破壊することで自らを変革し、若返らせてきた |

追求すべきは販売台数ではなく「1台あたりの利益」

さて、つい先程はブガッティが「2022年には過去最高の納車を記録した」と発表したばかりですが、今回はロールス・ロイスも「2022年に史上最多の納車台数となった」と公式に発表。

ロールスロイスCEO、トルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏は以下のように語っています。

「2022年は、ロールス・ロイス・モーター・カーズにとって記念すべき年でした。ロールス・ロイス初の完全電動シリーズモデルであるロールス・ロイス・スペクターを世界に公開しただけでなく、当社の全製品ポートフォリオに強い需要があり、1年半の間に6,000台を超える納車を行った初めての年でもありました。しかし、真のハウス・オブ・ラグジュアリーとして、販売台数だけが私たちの成功の尺度ではありません。ビスポークはロールス・ロイスの象徴であり、昨年は過去最高の売上を記録しました。お客様のご要望はますます想像力に富み、技術的な要求も高くなっていますが、私たちはこのチャレンジを積極的に受け入れています。グッドウッドのチームが達成したビスポークの創造性と品質により、お客様は平均して約50万ユーロを支払って独自のクルマを購入されています。

ロールスロイス

ロールスロイスは継続的に成長を続ける

加えてトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは、「もちろん、この成功は一夜にして達成されたものではありません。この間、私たちは、継続的かつ持続的な成長、慎重な経営と計画、利益への揺るぎないこだわり、ロールス・ロイスというブランドへの敬意と先見の明に基づく長期戦略によって、事業を変革してきました。私たちが成功したのは、顧客の好みや要望に耳を傾け、一貫して製品を進化させ、生来の独占性と希少性を維持しながら、意識的にブランドを若返らせたからです。私たちの製品ポートフォリオは大幅に拡大し、今年後半には世界初の超高級電動スーパークーペ”スペクター”を発売する予定です。(ロールスロイスの本社がある) グッドウッドでは現在2万5千人が働いており、2022年だけでも150人以上の新規雇用が創出されました。しかし、おそらく最も重要なことは、私たちが中身よりもスタイルを優先したことがないことです。技術、品質、ラグジュアリーという点で、ロールス・ロイスはこれまでと同じように、最高の中の最高を目指すのです」とコメントし、これまでに同社が行ってきたこと、達成してきたことに対して強い自信を見せています。※ちなみにロールス・ロイスは、流行りの大きな液晶パネルを装備していないが、それも「見かけではなく中身」を重視し、タイムレスな残存価値を意識しているからだと思われる

ロールス・ロイスは、2022年に過去最高の年間販売台数を達成し、世界約50カ国の顧客に2021年比8%増の合計6,021台の車両を納車していますが、同社の118年の歴史の中で、12カ月間の販売台数が6,000台を超えたのは今回が初めてであり、かつビスポーク(オーダーメイド)依頼額も過去最高を記録し、ロールス・ロイスの全モデルに対する需要も極めて堅調だとされ、2023年までずっと先行受注が確保されている状態なのだそう。

ロールス・ロイス

地域別だとこんな特徴も

さらに2022年、ロールス・ロイスはほぼすべての地域で販売台数を伸ばし、特に中東、アジア太平洋地域、米国、欧州では前年比で大幅増を達成。

台数よりも重要なのは、顧客のビスポーク依頼額がこれまでになく高水準になったことだとコメントしており、これによって大きく車両単価が上昇し、上述の通り、平均するとその車両価格は50万ユーロ(約7000万円)にも達しています。※これによって利益率が大きく上昇する

地域別の特徴だと、中東はずっとロールス・ロイスのビスポーク依頼における主要地域であり、特に広範囲で個性的なパーソナライゼーションが施されたユニークな作品が多くあるといい、そのため2022年、ロールス・ロイスはグッドウッド以外で初めてドバイに招待客専用のプライベートオフィスを開設し、より多くのカスタムオーダーを受け付けつけることが可能にとなっていますが、さらにこの傾向を加速させるため、世界各地に追加にていくつかのプライベートオフィスが開設される予定であることについても言及しています。

ロールスロイスが今後世界各地に「本社と同じ顧客体験ができ、その場でオーダーメイドモデルやワンオフモデルを注文できる」プライベートオフィスを開設。第一号はもちろんドバイ
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アメリカ大陸はロールス・ロイスにとって最大の市場であり、2022年も大幅な成長を遂げており、中華圏は現在ロールス・ロイスにとって2番め、かつ成長途中にあるという”戦略的に極めて重要な地域”(ただし現在中国では逆風が続いているため、売上高は過去最高だった2021年と比較して一桁の減少)。

欧州では、(ロシアのウクライナ侵攻という)地政学的な問題が深刻化しているにもかかわらず、英国やドイツなどいくつかの市場で過去最高の売上を達成し、2022年には地域全体が成長し、(中国を除く)アジア太平洋地域もこれまでにない高い売上高を達成したと報告されています。

日本については、成功を収めた新しいクラスの起業家がロールス・ロイスにますます投資するようになっており、お隣の韓国では過去2年間で大きな成長を見せ、近い将来、ロールス・ロイスの主要市場となる可能性を秘めていることについても語られており、全世界における人気ぶりが伺えますね。

ロールス・ロイス

ただ、ロールス・ロイスは「販売台数は重要ではない」といい、最も重要視しているのは「利益貢献度」。

これはロールス・ロイスが大量生産メーカーではなく、販売台数の慎重によって会社を成長させているのではないためで、つまり目指しているのは「1台あたり、どれだけ高く売れるのか」。

そのため過去10年間、ロールス・ロイスのブランドと製品ポートフォリオを意識的に改良し、若返らせることで、生来の高級感と希少性を維持しながら、顧客の要求、嗜好、人口統計の変化を反映させてきたといい、同社の言葉を借りるならば「真のラグジュアリーメゾンであると同時に、革新的でエンジニアリング主導の企業として、これまで同様、最高レベルのクラフトマンシップ、テクノロジー、ラグジュアリー、クリエイティビティを体現してきた」。

ロールス・ロイス

そして今後もその本質を追求すべく、さらにビスポーク、そしてボートテイルのようなワンオフモデルの製作を強化することについても触れていて、トルステン・ミュラー・エトベッシュCEOは「グッドウッドにあるホーム・オブ・ロールス・ロイスが20周年を迎えるに際し、2022年の結果はロールス・ロイス・モーター・カーズが英国の素晴らしいサクセスストーリーであることを裏付けています。私たちのビジネスは非常に強固な基盤の上に成り立っており、2023年まで続く先行受注を確保しています。また、世界的な課題や経済の逆風と無縁ではありませんが、バランスのとれた世界規模の販売戦略のおかげで、2023年はロールス・ロイスにとって好調な年になると慎重に楽観視しています。そしてこれを成し遂げ、自足させるのはグローバル・ロールス・ロイス・ファミリーであり、ファミリーなしには、このようなことは不可能です。彼らの貢献は、卓越したスキル、才能、知識、経験にとどまらず、それぞれの個性や視点が、このブランドに強さと個性を与えているのです。卓越性と細部へのこだわり、そしてチャレンジ精神とアイデアを現実のものにする卓越した能力は、ファミリーの誰にも共通しています。そして何より、彼らは常に完璧を求め、それ以下のものには妥協しない人たちなのです。創業者も彼らと一緒に働けることを誇りに思っているはずです」と締めくくっています。

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参照:Rolls-Royce

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