| ただしそのカラーリングはAMG Oneにあわせたのか、W13よりはW12に近いという印象 |
いろいろな事情がうかがえるものの、魅力的なクルマであることは間違いない
さて、メルセデス・ベンツが「メルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディション」を発表。
そのボディカラー、グリーンのアクセントを見ても分かる通り、メルセデスAMG F1(メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)のF1マシンをイメージした仕様を持っています。
ただ、ここで注意を要するのは、2022年シーズンにおいて、メルセデスAMG F1チームはレッドブル、フェラーリに継ぐ「3位」に終わったこと。
メルセデスAMG F1はチャンピオンシップを獲得するつもりでいた?
こういった特別仕様車はすぐに製作したり発表したりできるわけではなく、それなりの開発期間を要するので、それを考慮すると、メルセデス・ベンツは結構前からこのメルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションの発売を企画していたのかもしれません。
たしかにメルセデスAMG F1は(ポーパシングで苦しんだ前半とは異なり)2022年シーズン後半以降には調子を上げており、一気にフェラーリを追い上げたのも事実です。
そこでメルセデス・ベンツの幹部は「これはもしかしたらチャンピオンシップを穫れるんじゃないか・・・」となって急遽このクルマの発売を企画したのかもしれません。
ただし、実際には(上述の通り)2022年のコンストラクターズ・チャンピオンシップにおけるメルセデスAMG F1チームはレッドブル(759ポイント)、フェラーリ(554ポイント)に次ぐ3位(515ポイント)に終わり、ドライバーズ・チャンピオンシップでも最高位はジョージ・ラッセルの4位、そしてルイス・ハミルトンは6位。
これはおそらくメルセデスAMGの意図したところではないはずですが、それでも「企画したもの」をそのままお蔵入りにすることはできず、よってどうするか迷った後にこのメルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションを発売したのかも(完全なる推測)。
加えて、2022年のF1最終戦が終了した後、ここまで発売が遅れたのは「2022年シーズンの余韻が消え去るのを待っていた」のだと考えられ、逆にメルセデスAMG F1チームがコンストラクターズ、もしくはドライバーズタイトルを取得していたならば、F1最終戦終了後「即座に」発表していた可能性もありそうです。
メルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションはこんなクルマ
それはさておき、このメルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションを見てみると、2022年のF1マシン「W13」よりも2021年の「W12」に近いもよう。
フロントははシルバー、そしてリアにゆくに従いブラックへと色が(グラデーションとともに)切り替わってゆきますが、これはメルセデスAMG One、そしてその購入者のみに発注の機会が与えられた「メルセデスAMG GTブラックシリーズ P Oneエディション」と同様の仕様です。
ただ、メルセデスAMG One、メルセデスAMG GTブラックシリーズ P Oneエディションと異なるのは、グラデーションの開始位置が(メルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションのほうが)後ろにあること。
これは(おそらくですが)グラデーションがドアパネルとリアフェンダーにまたがることを嫌がったためだと思われ、というのもメルセデスAMG One、メルセデスAMG GTブラックシリーズ P Oneエディション(下の画像)ではドアパネルとリアフェンダーとにまたがる”スリーポインテッドスター”の位置、角度、色をちゃんと合わせていたため。
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ただ、これは見た目ほど容易なことではなく、メルセデスAMG One、メルセデスAMG GTブラックシリーズ P Oneエディションにおいてメルセデス・ベンツはこれを再現するのに相当に苦労したと見え(これらはステッカーではなく塗装で再現されている)、よってメルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションでは「同じグラデーションであっても、あまり手間がかからない方法」を採用したのだと思われます。
この他の特別仕様としては、グリーンのアクセントを持つ10スポーク21インチホイール、AMGエアロダイナミクスパッケージ、AMGナイトパッケージI・II、さらにはスプリッター、サイドシル、ミラーキャップ、ラジエーターグリルの装備、バッジなどにハイグロスブラックコーティングとブラッククロームコーティングを施し、よりアグレッシブなバンパーとディフューザーを演出したことがアナウンスされています。
インテリアだとブルメスター(Burmester)サウンドシステム、AMG Track Paceテレマティクスパッケージが装備され、付属品としては専用のAMGインドアカーカバー、オプションとしてはブラックナッパレザーのスポーツシートのステッチ(レッドもしくはイエロー)が紹介されています。
このメルセデスAMG SL63 モータースポーツ コレクターズ エディションの限定台数は100台に絞られ、しかし価格については公表されておらず、しかしこの「ハンドペイントによるグラデーション」を考慮すると安い金額ではないと思われます。
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