
| フェラーリの収益構造は確実に「変革」されつつある |
フェラーリがまたしても驚異的な決算を発表し、販売台数はわずかに減少したものの、利益は過去最高。
その恩恵は、マラネロで働く従業員たちにも「280万円のボーナス」という形で還元されます。※昨年も240万円程度のボーナスが支払われた
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フェラーリが2025年度の決算を発表。売上は前年比+7%、利益は前年比+12%、一方の販売台数は13,640台(-112台)。希少化、1台あたりの高利益化が鮮明に
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この記事のポイント(30秒でわかる要約)
- 大盤振る舞い: 2025年の好決算を受け、イタリアの全従業員約5,000人に最大14,900ユーロ(約280万円)のボーナスを支給
- 量より質: 販売台数は前年比112台減の13,640台。しかし、純利益は12%増の約2.1億ユーロ(約3,300億円)と過去最高
- 未来への投資: 2027年の生産分はすでに完売。初となる新型EV「ルーチェ(Luce)」の発表も控える
- V12は不滅: 2030年末までモデルの80%にエンジンを搭載。純ガソリン車も40%維持する方針
販売が減っても「儲かる」フェラーリの魔法
2025年、フェラーリは前年をわずかに下回る販売台数となったものの、決算の内容を見るに「経営成績は絶好調」。
さらには決算発表の中でベネデット・ヴィーニャCEOが「イタリアの従業員に対し、最大約18,000ドル(約280万円)に達する年度末ボーナスを支給する」とも発表し、これはイタリア国内で新車のコンパクトカーが買えてしまうほどの金額です。
「なぜ、売れた台数が減ったのに利益が増えたのか?」と気になるかもしれませんが、そのカギは顧客による「パーソナライゼーション(カスタマイズ)」と「限定モデル」の圧倒的な利益率。
一台あたりの単価が上昇し、純利益は前年比12%増という驚異的な伸びを記録することとなったわけですね。
なお、販売台数が減少しているのは「売れなかった」のではなく希少性を担保するための戦略的調整であり、フェラーリは少し前から「生産を制限し、しかし利益を拡大する」方向へと動いていて、その方針が反映された形となっています。
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フェラーリ「私たちは会社を成長させたいと思っていますが、それは販売台数を増やすという意味ではありません」。あくまでもフェラーリは1台あたりの利益向上を目指している
| フェラーリは新しい施設の稼働によって車両開発を効率化してコストを下げ、さらにはパーソナリゼーションを強化する意向を示している | おそらくは限定モデルやワンオフモデルにもリソースが割かれるはずであ ...
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その意味では、今後ますますフェラーリの新車を購入することが難しくなるのかもしれませんが、これによって中古相場の上昇も期待でき、相場の低迷も「もう少しの辛抱」にて改善されるのかもしれません。
参考までにですが、フェラーリの本社工場を訪問した際には「車両が生産されておらず」、それは「作っても売れない」のではなく「これ以上作らない」という決定が反映されたものだとも捉えており、文字通りこれが「フェラーリの余裕」ということなのでしょうね。
2025年・2026年 財務・生産トピックス
フェラーリの決算発表を数字おさらいしてみると以下の通りとなっており、生産枠が「2027年分もほぼいっぱい」ということは、今からフェラーリを注文したとしても、「納車は2028年」ということに。
| 項目 | 2025年 実績値 | 備考 |
| 世界販売台数 | 13,640台 | 前年比 -112台(ほぼ横ばい) |
| 純収益 | 71億ユーロ (約1.1兆円) | 前年比 +7% |
| 営業利益 | 21億ユーロ (約3,300億円) | 前年比 +12% |
| ボーナス額 | 最大14,900ユーロ | イタリア国内の約5,000人が対象 |
| 受注状況 | 2026年分は完売 | 2027年分もほぼ埋まりつつある |
2026年の注目:初の電気自動車「ルーチェ(Luce)」
フェラーリは現在、歴史的な転換点に立っており、2026年5月25日にはブランド初となる100%電気自動車「ルーチェ(Luce)」のワールドプレミアが実施予定。
元Appleのジョナサン・アイブ氏率いるデザインチームが協力したこのモデルは、最新技術を搭載しながらも、車内にはあえて物理ボタンやアナログ風のメーターを残す「レトロ・フューチャー」な仕上がりになることがわかっていますが、「まだ発表されていない」エクステリアに大きな期待がかかるところです。
Image:Ferrari
変わるもの、変わらないもの
電動化が進む一方、フェラーリは「エンジンの咆哮」を捨てるつもりはなく、「電動化」への歩みがやや緩やかになることも発表済み。
- 2030年のラインナップ構成: 純エンジン車40%、ハイブリッド車40%、EV 20%
- 技術革新: V6、V8、V12エンジンは今後もアップデートされ、さらなる高出力化と排ガス規制への適合を両立させる
結論:フェラーリはもはや「自動車メーカー」ではない
今回の記録的なボーナス支給は、フェラーリが単なる車屋ではなく、世界で最も成功した「ラグジュアリー・ブランド」であることを証明するもの。
顧客は「移動手段」を買うのではなく、「フェラーリを所有する体験」に数千万、数億円を投じており、従業員への手厚い還元はそのブランド体験を支える「職人技」や「情熱」を守るための重要な投資と言えそうですね。※同時に株主への還元(配当)も発表されている
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参照:Ferrari
















