| ファレル・ウィリアムスの路線はストリートカジュアル、しかしヴァージル・アブローよりはオールドスクルール寄りになりそうだ |
ルイ・ヴィトンはこれによって「カルチュアル・メゾン」への道をいっそう強める
さて、ルイ・ヴィトンにてデザイナー(ルイ・ヴィトンの表現だとクリエイティブ・ディレクター)を務めていたヴァージル・アブローが急逝したのち、ずっとその座が空白だったのですが、今回ファレル・ウィリアムスが新しくクリエイティブ・ディレクターに就任すると公式にアナウンスがなされています。
ファレル・ウィリアムスは(ぼくのお気に入りの曲、Number Oneをリリースした)ミュージシャンとして知られており、シャネルのアンバサダーを務めていたこと、アディダスとの契約を結んでいること、モンクレールのコラボレーターとして起用されていることからファッション業界にはゆかりの深い人物です。
最初のコレクションは6月に発表
ファレル・ウィリアムスが最初に担当するコレクションは6月に開催されるパリ・メンズ・ファッション・ウイークにて発表されると発表されており、路線としてはヴァージル・アブローと大きく変わらず、「ポップなストリートカジュアル」が継続されるものと思われます。
ちなみにA BATHING APE創業者のNIGOとも繋がりが深く、自身のアルバム「In My Mind」のジャケットではNIGOとのコラボによるイラストが描かれていて、ここからもファレル・ウィリアムスの嗜好を汲み取ることができ、しかしヴァージル・アブローと(同じストリート系であっても)異なるのは「オールドスクール的傾向が強い」ということ。
一方でヴァージル・アブローはハイテク素材や立体的な構造、建築的な構造を好んだので、ファレル・ウィリアムスのコレクションは(ヴァージル・アブローに比較して)すこしシンプルになるのかもしれません。
ちなみに現在はヴァレンティノはじめ「スクール系」を強く意識したデザインが流行しており、ちょうどファレル・ウィリアムスの好む方向とマッチしているようにも思われ、しかも「着やすい」デザインへと変化してゆく可能性もあり、けっこう人気が出るんじゃないかとも考えています。
ファレル・ウィリアムスはこんな人物
ファレル・ウィリアムスはぼくにとって「ミュージシャン」としての印象が強く、しかしヴァージル・アブロー同様に多方面で活躍する人物で、そしてよく知られているのは「年をとっても見た目が変わらない」ということ。
ちなみにぼくの中で「見た目が変わらない3大人物」の一角を占めており、あとの二人はキアヌ・リーブスと荒木飛呂彦。
それはさておきですが、ファレル・ウィリアムスはカニエ・ウエスト(イェ)とも親交があり(楽曲でコラボしたこともある)、カニエ・ウエストとしては「自分が(ルイ・ヴィトンに)選ばれなかったこと」で腹を立てているのかもしれません。
ここでちょっとカニエ・ウェストについて触れておくと、自身のミュージックビデオにてマイバッハを分解したりしたことでも知られていますが、ミュージシャンとして成功した後はファッション分野に対して強い興味を抱き、2000年代初めからカニエ・ウェストの下で働いていたのが若き日のヴァージル・アブロー。
カニエ・ウェストとヴァージル・アブローはファッション業界に参入するにあたり、ともにフェンディにてインターンを開始しますが、ここでヴァージル・アブローが頭角を現した後にルイ・ヴィトンのクリエイティブ・ディレクターに抜擢されたのに対し、カニエ・ウェストは大きなチャンスをつかむことができず、コラボレーション先として獲得できたのはアディダスとGAPにとどまっていて、ハイブランドに見初められたヴァージル・アブローとは大きく差がつくことに。
こういった経緯から、「ヴァージル・アブローは、カニエ・ウェストがやりたかった仕事を全部(実力で)奪っていった」と言われているわけですが、今回はともに楽曲をつくりヒットを飛ばした仲でもあるファレル・ウィリアムスがルイ・ヴィトンのクリエイティブディレクターに抜擢されたのに対し、カニエ・ウェストはアディダスやGAPとの契約も解除されてしまい(人種差別的言動が理由である)、つくづく「仲間に恵まれていない人」なのかもしれません(自業自得な部分もある)。
.@Pharrell joins Louis Vuitton as the new Men’s Creative Director and will debut his first collection for Louis Vuitton in June during Men's Fashion Week in Paris. #LouisVuitton #PharrellWilliams pic.twitter.com/xKKzQoWU4i
— Louis Vuitton (@LouisVuitton) February 15, 2023
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