| 出力だけで対象車が決められるわけではなく、「パワーウエイトレシオ」によって決定されるため、サルーンやSVの多くは除外となりそう |
文字通り「超」ハイパワー車が対象となるため、ポルシェの多くも対象外
さて、南オーストラリア州が「スーパーカーやハイパーカー含むハイパワー車を運転する際、特別な訓練を受ける必要がある」という新しい運転免許制度(2024年12月1日から)の導入を発表。
この直接のきっかけはとなったのは”15歳の少女が、車道から歩道に乗り上げたランボルギーニ・ウラカンにはねられて死亡する”という痛ましい事故だとされていますが、この免許の名称は通称「U免許」。
このUは対象となるUHPVから取られているそうですが、おそらくこれは「ウルトラ・ハイ・パフォーマンス・ヴィークル」を指しているのではないかと思われます。
UHPVとはとんなクルマなのか?
そこで現地メディアの報道をもとにUHPVの定義について触れてみると、これは車両総質量が4,500キログラム未満で、パワーウェイトレシオが1トンあたり370馬力以上の車両だと規定され、バスなどの大型車、二輪車(バイク)は対象外。
つまり車体重量が1トンであれば370馬力、1.2トンであれば444馬力、1.3トンであれば481馬力、1.4トンであれば518馬力、1.5トンであれば555馬力、1.6トンであれば592馬力、1.7トンであれば629馬力。
この「重量」がどういった基準となるのかは不明ではあるものの、日本の「車両重量」に相当するのであれば、フェラーリ・ポルトフィーノは「車両重量1,750kg、600馬力」なので、1トンあたり344馬力という計算となり「対象外」。
一方、ランボルギーニ・ウラカンEVO RWDだと車両重量は1,600kg、出力は610馬力なので「対象」ということに。
参考までに、ポルシェ911 GT3だと車体重量1,510kg(PDK)そして510馬力なので1トンあたりのパワーウエイトレシオは339馬力なのでこれはセーフ。
そう考えると、スーパーカーであっても「すべて」該当するわけではなく、ポルシェであればほとんどのモデルが該当せず、かつ「いかにハイパワー」であったとしても、サルーンやSUV、EVは(重量が重いので)これに該当しにくいかもしれず(ただ、リマック・ネヴェーラは1,914馬力、2,300kgなので1トンあたり832馬力を発生し、これは”対象”となる)、文字通り”ウルトラ”ハイパフォーマンスな場合のみがこのU免許の対象となるのだと思われます。
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どうすればU免許を取得できるのか?
そしてこのU免許についてですが、その取得については「オンライントレーニングコースを修了する必要がある」とのことで、この講習はウルトラ・ハイパワー車とその一般的な機能に関連するリスクについてドライバーに教えることを目的としているのだそう。
さらに公道でABS、トラクション・コントロール、スタビリティ・コントロール等の車両制御機能をオフにしたドライバーには、最高で5,000オーストラリアドルの罰金が科されることもあわせて報じられています。
加えて罰則や量刑も強化され、以前は無謀運転に関する最高刑は12カ月であったものの、今後は5年にまで引き上げられ、犯罪が加重された場合(運転者がアルコールやその他の薬物の影響下にあったことを意味する)には、3年間の免許停止とともに7年という重い刑が科されることとなるもよう。
今回の新しい免許制度の導入につき、南オーストラリアの司法長官は以下のように語っています。
「これらの改革は、超ハイパワー車を運転する人々が自らの行動により大きな責任を負うことを保証すると同時に、当局が道路交通法を無視し、他人の命を危険にさらす者を起訴する権限を持つことを確実にするものである」。
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参照:Drive