| たしかに昨年のルシードは納車の加速など好材料が続いていたが |
ルシードCEOはアメリカの会社すべてのCEOの中でも2番めの高額収入、なお一番はエヌビディアCEO
さて、オートモーティブ・ニュースによる最新のCEO報酬調査によると、ルシード(ルーシッド)モータースのピーター・ローリンソンCEOの2022年の報酬は、他のどの自動車会社のCEOよりも高く、2022年に3億7902万9183ドル(業界関わらず全米全体で2位)であった、とのこと(現在の為替レートだと約561億円)。
とにかく衝撃的な金額ではありますが、これはゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラCEO(3410万6824ドル=50億5000万円。自動車業界では2番め、アメリカ全体では3位)の11倍、フォードのジム・ファーレイCEO(1834万695ドル=28億円。自動車業界では3位、アメリカ全体では14位)の20倍に相当するのだそう。
ただしCEOによっては報酬の「内容」が異なる
しかしながらこの報酬の内容は各社CEOによって異なり、ピーター・ローリンソンCEOの報酬である3億7902万9183ドルのうち3億7292万8375ドルが株式報酬であり、それを除いた610万ドルが「基本給」。
なお、メアリー・バーラCEOの基本給は210万ドル、ジム・ファーレイCEOの基本給は170万ドルだというので、いずれも株式報酬の比率が非常に高いということがわかります。
参考までに、日本のCEOだと「基本給(役員報酬)」の比率が非常に高く(もしくは全部)、報酬における構成が「米国型」とは大きく異なるといい、しかし米国では株式報酬のウエイトが非常に大きいため、米国のCEOは株価をなんとか上げようと躍起になるわけですね。※日本でも株価連動型の報酬制度を導入しようという動きが大きくなっている
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リビアン、フィスカー、テスラCEOの報酬は?
そしてアメリカの自動車業界にて4番目の高額報酬を得ているのはリビアンのロバート RJ スカリンジCEO。
2022年の報酬総額は101万2518ドル(1億6000万円、全米全体で47位)ですが、上に挙げた他の最高経営責任者とは異なり、同CEOの報酬の半分以上は65万ドルの基本給によって構成されています(もっと株価が上がっていれば、もっと報酬が多かったのかもしれない)。
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リビアン同様に新興EVメーカーに属するフィスカーCEO、ヘンリック・フィスカー氏の報酬は78万3255ドル(約1億1600万円)で、基本給は6万2400ドル、残りは71万ドルのボーナスとインセンティブ報酬によるものだと報じられています。
参考までに、ヘンリク・フィスカーCEOの2021年における報酬は1973万8873ドル(2022年に比べてかなり多い)、メアリー・バーラCEOの2021年度報酬は6226万812ドル(2022年の倍)、ジム・ファーレイCEOの2021年度報酬は998万6637ドル(2022年の半分)。
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そして興味深いのがテスラCEO、イーロン・マスク氏の2022年における役員報酬で、これはなんと「ゼロ」。
2021年には235億ドルのストックオプションを受け取ったことが話題となったものの、2022年にはストックオプションを行使せず、報酬を受け取らないことを選択しています。
今回の調査では「欧州の自動車メーカー」まではカバーできていない
もう一つ参考までにですが、今回の調査は「米国」にとどまっており、よって欧州の自動車メーカーのCEOの報酬は含まれておらず、たとえばステランティスのカルロス・タバレスCEOは2022年に2600万ドル(フォードのジム・ファーレイCEOよりもずっと高い)。
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さらに参考として、全米においてもっとも高い報酬を得たCEOはエヌビディアの最高経営責任者であるジェンスン・フアン氏で、その額はなんと5億634万3201ドル(日本円換算で747億円)。
なお、エヌビディアは昨年より話題となった「AIブーム」に乗って株価を大きく上げており、実際にこのうち4億4280万5513ドルはストックオプションの行使によるものだと報じられています(基本給は99万6832ドルなので高くはない)。
参照: Automotive News, CARBUZZ