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ポルシェがマカンEVのメディア向け試乗会を開催し新情報と画像も公開。単に「マカン」を名乗り、既存マカンシリーズのバリエーションとしてEV版が提供されるようだ

ポルシェがマカンEVのメディア向け試乗会を開催し新情報と画像も公開。単に「マカン」を名乗り、既存マカンシリーズのバリエーションとしてEV版が提供されるようだ

| ガソリンエンジン搭載モデルとピュアエレクトリックバージョンが同じ車名で販売されるのはポルシェ初 |

ただしその価格は大きく跳ね上がることになりそうだ

さて、ポルシェはEV版マカンの開発を進めている最中ではありますが、今回メディア向けの試乗会が開催されており、どうやら発表「一歩手前」まで来ているもよう。

マカンEVの開発過程においては、ポルシェ属するフォルクスワーゲングループ傘下にあり、そして同グループ内のソフトウエア開発を一手に引き受けていた「カリアッド」による制御ソフト開発の遅れが報じられており、これが主要因となってマカンEVはじめグループ内のEVの発表が半年から1年ほど遅れてしまったと言われています。

マカンEVについていくつかの「新事実」も

そしてこのマカンEVにつき、たとえばメルセデス・ベンツの「EQAとGLA」、BMWでの「5シリーズとi5」のように”同じプラットフォームを使用してガソリンエンジン版とEV版をリリースする”のではなく、ガソリンエンジンを搭載するマカンとは全く関連性のないEV専用プラットフォーム(PPE)を使用したクルマです。

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なお、このマカンEVについて、その発売時の名称は「マカンEV」や「マカンエレクトリック」ではなく、単に「マカン」と呼ばれるとされ、となるとマカンというひとつの名のもとに、ガソリンエンジンを搭載するモデル、そして全く異なるプラットフォームとデザインを持ち、エレクトリックパワートレーンを積むモデルとが存在するということになりそうです。※現行「マカン」と区別するため、なんらかのグレード名が与えられるはずで、「ターボ」「ターボS」になると言われている

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現時点ではこのEV版マカンについて詳細は公表されていないものの、メディアに対して公表された内容だと「バッテリーパックは約100kWh」「WLTPサイクルでの一回の満充電あたり航続距離は500kmオーバー」。

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駆動方式は「すべて」デュアルモーターセットアップによる全輪駆動を採用し、その出力は3つあるといい、つまりは3つのグレードが展開されることにを意味します。

そして最上位モデルであれば600馬力を発生するというので、これは現時点でのマカンのトップレンジ、マカンGTSの440馬力からの大幅アップということに。

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このトップレンジにはエアサスペンションが備わり、当然ながらデュアルモーターを搭載するものの、タイカンのような(リアの)2速トランスミッションは備わっていないといい、一方でトルクベクタリングを備えたアクティブリアディファレンシャルを持つ”パフォーマンスアクスル”が採用されます。

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EV版ポルシェ・マカンは「普通に快適」

そして今回の試乗の場となったのはカリフォルニア州だそうですが、そこでは渋滞あり、ワインディングあり、そして悪路ありといったバラエティに富んだコース。

レビュワーの言葉を借りるならば「普通に快適」だそうで、渋滞の中だと「眠ってしまいそうになるほど」静かなのだそう。

ただしワインディングロードに差し掛かるとマカンEVの性格は一変し、素晴らしい反応と挙動を示すうえ、ドライブモードを「スポーツプラス」に入れるといっそう顕著になると述べています。

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ハンドリングは他のポルシェと同じく(初期は)弱アンダー、しかしスロットルを踏み込むと積極的にノーズを内側へ向けるというオーバーステアに。

もちろんこれはリアのアクディブディファレンシャルによるものですが、それでも危険という印象はなく、むしろ楽しさのほうがずっと上回るようですね。

なお、リアアクスルステアリングはオプション扱いだそうですが、この「装着/非装着車」を乗り比べると(リアアクスルステアリング装着車では)そのシャープさがぐっと増すもよう。

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さらに特筆すべきはその加速性能だといい、「アクセルを踏む前に適切な警告を受けなかった同乗者は首に怪我をする可能性がある」と評されているほどで、これはガソリンエンジン搭載版のマカンではどうやっても到達できないレベルのかもかもしれません。

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マカンEVは「ブレーキ・バイ・ワイヤ」を採用していますが、レビュワーによれば「人工的な感触がある」そうで、基本的には回生ブレーキを使用して停止し、強力な制動力が必要な場合のみ摩擦(物理)ブレーキが介入されるとされ、これはタイカンと同じ”ワンペダルドライブなしの”制御ということになりそうですね。※ブレーキがフェードした際、ペダルの感触を調整してドライバーにフィードバックを与えることになる

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そのほか今回の試乗レポートでインテリアにつき最初に言及されているのは「着座位置」で、通常EVは床下にバッテリーを積むのでフロアが厚くなり、そのぶんフロアが高くなって着座位置も高くなってしまうのですが(ロータス・エレトレではそれが顕著であった)、マカンEVではガソリン版マカンよりも低い位置に座ることになるようで、これは「新設計のシート」による恩恵なのだそう(それでもシートヒーター、ベンチレーションが内蔵されている)。※インテリアに関する画像は一切公開されていない

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全体的なインテリアデザインは、新型カイエンと同様に非常にタイカンにインスピレーションを得たもので、湾曲したデジタルゲージクラスターが(タイカンと同じく)3パネルレイアウトによって提供され、 中央のタッチスクリーンはカーナビゲーションやAndroid Auto、Apple CarPlayなどのその他のインフォテインメント機能に使用されますが、(カイエン同様に)オプションにてパッセンジャー ディスプレイも提供されることも伝えられ、しかしマカンEVからの新装備として「コミュニケーション ライト」と呼ばれる新しいユーザーインターフェイスがデビューする予定であり(オプション扱い)、LEDアンビエント照明に加え、ダッシュボード全体に2つ目の LED ストリップが配置され、ドライブ モードの変更などに対する一種のインジケーターとして機能するもよう( 警告のために点滅したり、ローンチ コントロールに合わせて明滅したりすることもできる)。

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現時点ではマカンEVの発売時期について明言されておらず、もちろん価格についてもアナウンスはなされていないものの、もちろんそのパフォーマンスにふさわしい価格に設定されることは間違いなく、トップレンジだと(現行モデルの)マカンGTSの1295万円を超える可能性もありそうです。※ポルシェは馬力と価格とのヒエラルキーというかバランスを重要視しており、これまでは整合性の取れるものとしている。一方、ガソリン/エレクトリックモデルを同じ名称で販売したことはないので、マカンではどういったバランスが導入されるのかはわからない

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参照:Motor1

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