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| まだメルセデス・ベンツ傘下ではない時代のAMGが手掛けた「豪華な仕様を持つ」R129だけにその価値は非常に高い |
さらには「2台しか存在しない」右ハンドル仕様
さて、パガーニのハイパーカーにはメルセデスAMG製のV12エンジンが積まれていることが知られていますが、「ゾンダ」には自然吸気、一方で「ウアイラ」「ユートピア」ではターボ化されたV12エンジンが搭載されています。
そしてパガーニがなぜメルセデス・ベンツのエンジンを積んでいるのかというと、創業者であるオラチオ・パガーニ氏と同郷(アルゼンチン)の出身である伝説的レーシングドライバー、ファン・マヌエル・ファンジオのアドバイスと推薦によるものだから。
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パガーニのV12エンジンを手組みする過程を動画にて。製造を担当するのはメルセデスAMG、そしてこのエンジンの組み立てを許されているのはわずか2名
| パガーニ以外にメルセデスAMGが「専用エンジン」を提供する例は他にない | おそらくパガーニは当面このV12エンジンを継続して使用することになるだろう さて、パガーニが製造を委託しているメルセデス ...
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もちろんメルセデス・ベンツにもパガーニに積まれたものと同型のエンジンを積むモデルが存在
なお、パガーニに搭載されるエンジンは「パガーニ専用」に新規設計されたものではなく、もともとメルセデス・ベンツが保有していたエンジンをベースにした特別仕様で、よってメルセデス・ベンツにもパガーニ・ゾンダに積まれていたエンジンを搭載するモデルが存在するわけですね。※パガーニに積まれる自然吸気エンジンはM120もしくはM297型、ツインターボだとM158型
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そしてそのクルマとは「メルセデス・ベンツSL73 AMG」であり、これはそのモデル名があらわすとおりに7.3リッターV12エンジン(M120)を搭載し、5,500回転にて518馬力を発生するというスペックを持っています。
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メルセデス・ベンツの命名法則はこうなっている。「A」「B」「C」「E」「S」「G」「CL」「GL」「EQ」は何を表し、その後の数字は何を意味するのか
| 「出自がわからない」ものもあり、かつ同じアルファベットでも複数の意味を持つ場合も | 付与される「数字」についても時代とともに移り変わっている さて、メルセデス・ベンツはその車名に「名前」ではなく ...
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今回は米中古車売買サイト、コレクティング・カーズにてこのメルセデス・ベンツSL73 AMGが出品されることとなっていますが、この個体は85台のみが生産されたSL73 AMGのうちの1台であり、さらにその価値を高めているのは「ブルネイ王室が所有していた」1台であるということ。※ブルネイ王室は7,000台ものコレクションを保有していると言われるが、どういった基準でコレクションが放出されるのかは定かではない
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総勢7,000台、購入金額4兆円。ロールスだけで600台、さらにフェラーリ、ポルシェ、マクラーレンなど驚くべきブルネイ国王のコレクションに焦点が当てられる【動画】
| ただしそのコレクションの「実際」については誰も把握していない | もしかすると国王自身も自分のコレクションを把握していないのかも さて、カーコレクターの間でよく話題に登るのが「ブルネイ国王(ハッサ ...
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ブルネイ王室のコレクションにしては「控えめ」な仕様を持っている
なお、ブルネイ王室は「高度にカスタムされた」車両を注文することでも知られており、ときにはクルマの形状をすっかり変えてしまったり、全く新しい命名がなされるクルマとしてオーダーされることもあるほどですが、このメルセデス・ベンツSL73 AMGは非常に「控えめ」な仕様を持っています。
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ボディカラーはAMGダイヤモンドブラックメタリック、インテリアはブラックレザーというオーソドックスな仕様を持ち、AMGのコンバージョンキット(エンジンアップグレード、AMGドアシル、カーボン製ボンネット、ダックテールスポイラー、レカロシート、AMGステアリングホイール、サスペンション、エキゾースト、2ピース17インチアロイホイールなど)が装着済み。
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参考までに、AMGは今こそメルセデス・ベンツの1つのブランドではありますが、AMGがメルセデス・ベンツに組み込まれたのは1999年(100%子会社化は2005年)で、それまでのAMGモデルは一旦完成車として工場から送り出されたメルセデス・ベンツをAMGがカスタムする、といった手順が踏まれることとなっています。※よってこのSL73 AMGはまず「SL600」として誕生した後にコンバージョンがなされている
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なお、この個体は2台のみが製作された「右ハンドル」仕様であり、「希少なSL73、ブルネイ王室所有、さらに数少ない右ハンドル」という様々な条件が揃ったレアピース。
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出品に際しては長いオプションリストが示されていますが、オプションコードまでが記された詳細なリストが示されており、つまりブルネイ王室が保有するクルマについてはその仕様がしっかり管理されていると考えて良さそうですね。
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メルセデス・ベンツSL73 AMGを紹介する動画はこちら
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参照:The Supercar Blog, Collecting Cars