ちょっと驚き。ポルシェ 718ケイマンの加速は「ローンチコントロール」なしではホンダ・オデッセイやマツダCX-90とそう変わらないという事実が明らかに

｜　にわかには信じがたいが、この数字が事実であれば衝撃的である　｜

たしかにボクはポルシェ718ケイマンの加速が「そこまで優れる」と感じたことはないが

さて、Car And Driverが興味深いデータを公開しており、ここで取り上げてみたいと思います。

簡単に言うと、いくつかのクルマについて「停止状態（時速0km）から時速96kmに達するまで」と「時速8kmから時速96kmに達するまで」のタイムの差を調べたもので、以外なことに多くのスポーツカーやハイパフォーマンスカーにおいては「停止状態から加速するより、時速8kmから加速したほうが」圧倒的に遅い数値を示した、という内容です。

「そんなバカな」とは思うものの

論理的に考えるならば、停止状態から加速するよりも、走行を開始してから加速するローリングスタートのほうが時速96kmに速く到達するはずですが、事実はそうではなく、まずはこの表を見てみましょう。

この表に従うと、ポルシェ 718ケイマンTは停止状態から時速96kmまで加速するのに4.4秒しか要せず、しかし時速8キロから時速96キロにまで加速するのに6.4秒もかかります。

これはにわかには信じがたい事実ではありますが、その理由としては「ローンチコントロールの高性能ぶり」が挙げられ、つまり停止状態でローンチコントロールを使用してロケットスタートを切れば「最短で」96km/hに到達するものの、時速8キロで転がっている状態からドンと加速しても、96km/hに達するまでには2秒も多くかかってしまうということに。

これはかなり意外な事実であり、スポーツカーやハイパフォーマンスカーのローンチコントロールがいかに優秀であるか、そしてこれを使用しなければ意外と加速が速くないということがわかります。

そしてほとんどの人はローンチコントロールを使用することはなく、さらにはもちろん公道上にてこれを試すことはできず、よって現実的な加速にかかる時間は「8-96km/h」に近いと考えていいのかもしれません。

つまり、自動車メーカーはスポーツカー、ハイパフォーマンスカーの加速を速く見せるためにローンチコントロールを導入しており、しかし実際にそのタイムを一般ユーザーが公道状上で体験することはできないのだ、ということになりますね。

ポルシェ 718ケイマンTの現実における加速はホンダ・オデッセイとほぼ同じである

一方、ハイパフォーマンスカーではないコンパクトカーやミニバン、SUVだと「停止状態（時速0km）から時速96kmに達するまで」と「時速8kmから時速96kmに達するまで」のタイム差がなお、もしくはスポーツカーやハイパフォーマンスカーと逆転していて、こちらもかなり興味深い事実です。

そしてこの表を見ると、なんとホンダ・オデッセイ（米国のオデッセイなので日本のオデッセイとは異なる）とポルシェ 718ケイマンTとの現実世界（8-96km/h）における加速がほぼ同じであるという衝撃に事実が明らかに。

参考までに、こちらはターボエンジンを積み、かつもっとも「停止状態（時速0km）から時速96kmに達するまで」と「時速8kmから時速96kmに達するまで」の差が少ないクルマです。

なお、ポルシェの名誉のために言及しておくと、一般のクルマの最高速はさほど高くなく、よってそこまでの間にギアを詰め込むことが可能になる（いわゆるクロスレシオになる）ので実用域である96km/hまでの加速に優れ、しかしポルシェの最高速はそれらよりもずっと高く、よってオープンレシオとなってしまう、ということを認識する必要があるかと思います（ポルシェは低速域の加速を重視するクルマではない）。

あわせて読みたい、関連投稿

参照：Car And Driver