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欧州で「日本車離れ」が加速。イギリスで中国車が激増し「10台のうち1台」が中国製に。とくに「(中華ブランドとなった)MG」「BYD」が好調

欧州で「日本車離れ」が加速。イギリスで中国車が激増し「10台のうち1台」が中国製に。とくに「(中華ブランドとなった)MG」「BYD」が好調

| もはや日本車の優位性は過去のものである |

【この記事の要約】

  • 2025年、英国の新車販売の10台に1台(シェア10%)が中国車に。年間販売数は20万台を突破
  • BYDが前年比4倍以上の4万台超え、MGは7万台超と独走。対照的に日本車はシェアを落とす結果に
  • EUの関税強化をすり抜ける「ハイブリッド戦略」と、英国特有の「愛国心によらない購買」が躍進を後押し

かつての「安物」イメージは消滅?英国で起きているリアルな異変

「中国車なんて、選ぶ理由がない」——そんな考えがもはや過去のものとなったことが明らかに。

2025年のイギリスの道路では中国メーカーのロゴを冠した車が驚くべき勢いで増えているといい、最新の市場データによると2025年末時点で英国の新規車両登録のうち中国ブランドが占める割合は約10%に達するのだそう。

その一方、長いあいだ信頼の象徴として君臨してきた日本メーカーがシェアを落としたことも判明し、ここで「なぜ英国の消費者は中国車を選び始めているのか」、その背景にある”単なる価格競争だけではない”巧妙な戦略と市場構造の変化を追ってみたいと思います。


数字で見る「中国車躍進」と「日本車後退」のコントラスト

2025年の販売データ(推定値含む)を整理すると、特定のブランドが市場を牽引していることがわかります。

2025年 英国市場における主要ブランド販売実績

メーカー名2025年販売台数(推定)2024年実績(比較)特記事項
MG70,000台超維持中国勢トップの圧倒的知名度
BYD40,000台超約9,000台約4.4倍の爆発的成長
Jaecoo (ジェコ)20,000台超新規参入SUVモデルが好調
Omoda (オモダ)約20,000台新規参入若年層の支持を獲得
日本メーカー全体未公表だがシェア減少-市場シェアを約1%喪失

この1年でBYDは納車台数を4倍以上に増やしており、かつては「物珍しさ」で語られていた中国車がいまや英国の街並みに完全に溶け込んでいるというわけですね。


徹底分析:なぜ「関税」や「ブランド忠誠心」は機能しなかったのか?

「愛国心」で購入できない英国市場の特殊性

そこで欧州自動車アナリストのマティアス・シュミット氏の指摘する「英国市場の特殊性」は以下の通り。

「ドイツ人にはフォルクスワーゲン、フランス人にはルノーやプジョーといった『自国ブランド』がある。しかし、現在の大衆車市場に純粋な英国ブランドは存在しない。英国の消費者は、歴史的な忠誠心や愛国心に縛られず、純粋にコスパや利便性で車を選べる環境にある」

この「パトリオティック・パーチェシング(愛国的な購入)」の不在が、日本車から中国車への乗り換えのハードルを極限まで下げているというわけですが、もうひとつの英国市場特有の要素が「MG」。

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現在MGは中国企業傘下にあるものの、いまでもMGは英国のブランドといった印象が強いといい、これは「鴻海精密工業(フォックスコン)に買収されたといえど、シャープは日本の企業及びブランド」という認識が広く持たれているようなものかもしれません(ただしMGの場合はシャープとは異なって会社そのものが以前の英国企業とは異なる、完全なる中国の会社である)。※そのため、中国の自動車メーカーの間では、欧州に進出する手っ取り早い方法は「欧州の自動車メーカーを買収し勾配に関する心理的障壁を取り除く」ことだと言われるほど

8月の欧州自動車市場は20%増、その中でもEVは102%増。1-2はテスラが占めるも中国資本となったMGの販売が伸び、MGは欧州で販売された中国車の69%を占める
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日本車ブランドが直面する「相対的な魅力」の低下

長年、英国で「故障しない、賢い選択」として愛されてきた日本車。

しかし最新のテック機能や洗練された内装を低価格で提供する中国車の前でそのアドバンテージが相対的に薄れており、消費者の関心は「20年乗れる耐久性」から「最新のデジタル体験を月額いくらで楽しめるか」へと移り変わっているという指摘もなされています。

ただしここでもう一つ考慮すべきは「インフレ」の存在で、これによって可処分所得が減ってしまったため、「より安価な」選択肢に流れている可能性も否定はできないともされています。

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結論:2026年、日本メーカーに逆転の策はあるか

2025年は英国市場において「中国車が当たり前の選択肢になった年」として記憶され、20万台という販売実績はもはや一過性のブームではありません。

日本メーカーがかつて世界を席巻したときと同じように、いま中国メーカーは「安さ」を足がかりに「品質」と「ブランド力」を着実に積み上げており、2026年以降、日本メーカーが再び英国で輝きを取り戻すには「単なる信頼性だけでなく、中国勢を凌駕するソフトウェア体験や圧倒的な電費効率そ、そしてコストパフォーマンスを提示する必要がありそうです。

さらに英国の消費者の目は非常にシビアだとされ、ブランドの歴史に胡坐をかいていられる時間はもう残されていないというのが現実なのかもしれません。

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