| サイバートラックは画期的な新しい構造を採用したがために、今まで予見できなかった問題がいくつか発生している |
ただしこれらも生産が進むについて改善されてゆくものと思われる
さて、テスラ・サイバートラックの出荷が一時停止されたとの報道。
これはサイバートラックオーナー専門掲示板への投稿から明らかになったもので、数名のオーナーが「テスラから納車が遅れるという通知を受け取った」という情報を共有しており、その理由は”ワイパー モーターの安全性の問題”だとされています。
掲示板へと投稿された内容だと、テスラは先週末の「一部の車両の納車前」にこれを発見したとされ、このモーターの問題の詳細はスレッドで明らかにされていないものの、(すでに納車された)サイバートラックオーナーの中には、ワイパーモーターに関する問題を経験している例もあり、「部品の交換に数週間かかると言われた」と明かしたオーナーも。
すべてのサイバートラックに問題があるわけではないようだが
現在テスラからはリコールの届け出がなされていないものの、どうやらワイパーが作動しなくなることがあるようで、サイバートラックオーナーのCnod氏は掲示板へと以下のように投稿しています。
火曜日にフロリダでサイバートラックの納車を受けて自宅に向けて出発し、20マイル進んだところで土砂降りになりました。雨が止むまで3時間半もダンキンドーナツに座って待ち、しかし雨がやまず、クルマを運転しようにもワイパーが動かず何も見えないので、テスラのロードサイドアシスタンスに電話しなければなりませんでした。彼らはクルマをサウスカロライナに持って行く必要があり、ワイパーモーターの交換できるまで数週間かかるだろうと言いました。やむをえず、雨が止んだときにレインXを塗り走り出しましたが、その後また雨が降るととても危険でした。ワイパーが動かない状態で安全な場所にたどり着くまで、窓を開けて外を見ていなければならなかったのです。
一方、この投稿に対し「いや自分のサイバートラックは納車されて何度も雨を経験しているが問題はない」というオーナーもいれば「自分も同じような状況を経験した」とコメントするオーナーもあり、つまりすべてのサイバートラックに問題があるわけではないもよう。
このサイバートラックの問題は「物理的な修理を要する」
なお、テスラのクルマは問題がおきたとしても、ほとんどの場合「無線アップデート(OTA)」で解決し、これは多くの自動車メーカーが羨むところです(OTAでトラブルを解決できればコストがかからないから)。
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中には「パワーウインドウの挟み込み防止機能のセンサー感度が緩い」という問題ですらOTAで解決したことがありますが、これはテスラ車の設計の特殊性に起因すると考えてよく、というのもテスラは最初にクルマを動かすソフトウエアを設計した後、そのソフトにあわせてクルマ=ハードウエアの設計にかかるといい、これは既存自動車メーカーの「ハードウエアが先」「ハードウエアとソフトウエアを別々に開発する」という手法とは全く異なるもの(最近では多くの自動車メーカーの設計過程につき、テスラの手法へと近づきつつあるが、それでも旧来の手法からは脱することができていない)。
こういった事情もあって、ほとんどの問題においてテスラは「OTAで解決できる」こととなっているのですが、サイバートラックに関してはソフトで制御できる範囲以外の問題がいくつか発生していて、「ホイールカバーが物理的にタイヤを削ってしまう」「アクセルペダルが物理的にずれてフロアマットに引っかかる」といった問題も。
そして今回の「ワイパー」についても、ソフトウエアによる制御の問題ではなく、「モーターが故障して動かなくなる」という物理的な問題であるようで、OTAでは解決できず、実際にモーターを交換するといった対応が必要となるようですね。
ただ、テスラはこういった問題が発覚したのち、比較的速いスピード感を持って対応しており、そのために「後の製品ほど品質が高くなっている」のもまた事実。
さらにテスラは「モデルチェンジを行わず、同じ製品をひたすら改良し続ける」というスタンスを取っており、ここもほかの自動車メーカーとは大きく異なるところだと思います。
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参照:Cybertruck Owners Club