Image:Porsche
| ポルシェにとっての「ターボ」はターボチャージャー以上の意味合いを持っている |
これまでも、そしてこれからも、たとえ電動化されたとしてもポルシェ「ターボ」はトップレンジとして君臨するであろう
さて、ポルシェが自社の運営するポルシェミュージアムにて新しい特別展「パフォーマンスを超えて。ポルシェ ターボ50周年」をスタートさせたとアナウンス。
今年はポルシェがターボを導入してから50周年という節目となりますが、ポルシェにとってのターボとは単なる物理的な過給器ではなく概念としての「頂点」を意味しており、さらにポルシェによれば「経験と成功、パフォーマンスと日常の使いやすさの組み合わせ」を表している、とのこと。
そして「ターボ」の歴史とは、ポルシェにとって課題を克服し、平凡を何度も超えることの意義を問い、時代を超えたクラシックの継続的な進化、実現可能な限界への挑戦をも意味するといい、さらにポルシェは「ポルシェ ミュージアムを訪れた後、”ターボといえばポルシェ”だと同意してくれることを期待しています」。
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「パフォーマンスを超えて。ポルシェ ターボ50周年」展ではこれまでに公開されなかった展示物も
今回の展示においては「今まで公開されなかった」秘蔵アイテムもお披露目されるといい、たとえば13メートルもの展示ケースに並べられた”ターボ テクノロジーを視覚化した”カットアウェイモデル、さらには技術展示品、設計図面、写真が含まれ、これはさまざまなターボチャージャー、バイパスバルブ、チャージエアクーラー、Kジェトロニックといった補機類も含まれるのだろう。
さらには1973年のIAAフランクフルト・モーターショーで展示されたポルシェ911ターボのオリジナル仕様書、930世代のポルシェ クーペの技術図面、アクティブ エアロダイナミクスを備えた991世代のポルシェ911のスポイラー、1970年代初期のデザインモデルも展示されています。
ただしなんといっても注目すべきは「最初の911 ターボ」で、これはポルシェ創業者であるフェルディナント・ポルシェの娘であるルイーズ・ピエヒの70歳の誕生日に贈られたもの。
この911ターボはナローボディと260馬力を発生する2.7リッターエンジンを備え、エンジンフードには「ターボ」ではなく「カレラ」という文字が記されているほか、専用にデザインされたリアウイング、そして彼女のイニシャルである「LP」というバッジと「Turbo-Porsche No. 1、Stuttgart-Zuffenhausen、1974年8月29日」という文字が記されたグローブボックス、「運転しているときにアルプスと空がよく見えるように」という意図からシェードを廃したフロントウインドウといった装備も見られます。
特別展示のうち、もう1台のワンオフカーは、シルバーのツートン仕上げを持つ992世代911ターボSで、これは2020年に製作された航空機メーカー「エンブラエル(Embraer)」とのコラボレーションによる”911ターボ デュエット”。※当時、エンブラエル社のフェノム300E ビジネスジェットを購入した顧客は、自分のプライベートジェットと同じ仕様の911ターボSをオーダーできた
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そのほかにはフェリー・ポルシェが所有していた(オークグリーンメタリックの)1976年型ポルシェ911ターボや・・・。
モータスポーツシーンで大活躍したポルシェ935”モビーディック”も展示されています。
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参照:Porsche