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ポルシェはなぜターボチャージャーを持たないモデルに「ターボ」の名称を与え、その逆もあるのか?「ターボは機械的な特徴を指すものではなく、頂点を意味するから」

ポルシェはなぜターボチャージャーを持たないモデルに「ターボ」の名称を与え、その逆もあるのか?「ターボは機械的な特徴を指すものではなく、頂点を意味するから」

| 市販車初のターボカーを発売したポルシェにとって、「ターボ」は大きな意味を持つ |

そして930ターボの登場によってポルシェ、そして自動車業界は一変してしまう

さて、今年はポルシェが「930ターボ」を発表してから50年という節目ですが、これは同時に「ポルシェがターボカーを市場投入して50年」「ポルシェが”ターボ”という名称を使用し始めて50年」ということを意味します。

そしてこの930ターボは「市販車初のターボカー」でもあり、文字通りこの930ターボの登場によって自動車業界が一変することとなっていて、そこから「ターボ」という言葉の持つ意味も時代とともに変化してきたわけですね。

その変化については、「ターボチャージャーを持つ」という物理的機械的な意味から、「ワイドフェンダーやリアフェンダー」をあらわしたり、あるいは「トップレンジ」という意味においてガソリンエンジンを持たないタイカンそしてマカンにも使用され、さらには「ターボチャージャーを持つにもかかわらず」718ケイマン / ボクスター、911シリーズの一部にこの名称が使用されていないという例も。

ポルシェにおける「ターボ」は1974年にその歴史がはじまった

そこでまずポルシェ最初の「ターボ」である930ターボについて振り返ってみると、このクルマは1974年のパリ・モーターショーにて発表されており、当時では驚異的であった260馬力という出力を誇ります。

この出力はスポーツカーとしてはもちろんのこと、ラグジュアリーカーとしても規格外であり、よって930ターボははじめて「それまで不可能だと思われていた、ハイパワーで、かつ第一級のスポーツカーとしての性能を誇り、さらにはラグジュアリーさを併せ持つ」クルマとなったわけですが、つまりパワーだけではなく、その存在そのものが衝撃的であったということがわかりますね。

なお、これ以降ポルシェにとってターボチャージャーは不可欠な存在となり、1978年以降だと、911はもちろん、あらゆるモデルにおいて”ターボ”を設定し、トップレンジとして君臨させています(ボクスター / ケイマンなど、いくつかの例外もある)。

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ポルシェは「ターボ」の視覚的特徴を資産として活用

さらに1983年になると、ポルシェは「ターボ」の外観的特徴を活用することを思いつき、当時の(自然吸気エンジンを搭載する)911カレラ3.2に対して「ターボ専用ワイドボディ(オプションコードM491、いわゆる”ターボルック”)」、さらにはターボ専用であったホエールテールリアウイングを選択できるようにし、おまけに911ターボ用のブレーキシステムとサスペンションを追加したことも。

これらオプションはスピードスターはじめクーペ、タルガ、カブリオレといったラインアップで選択でき、ここから「ターボボディ」が特別な存在となったわけですね。

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2002年、ついに「4ドア」のターボモデルが登場

そして時は流れ2002年に入ると「ポルシェ初の4ドアモデル」、すなわちカイエンが登場することに。

もちろんこのカイエンのトップレンジにはターボチャージャーが追加され450馬力という途方もない出力を絞り出しますが、2009年に発売されたパナメーラにおいてもやはりターボチャージャー搭載モデルがラインアップ最上位に据えられています。※これはマカンでも同様である

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「ターボ」を名乗らないターボチャージャー搭載モデルも

そしてターボに関する興味深い点が「ターボを名乗らないターボチャージャー装着モデルが存在すること」。

その最初のモデルが1994年の993型911GT2で、これがヴァイザッハ開発センターのポルシェモータースポーツ部門(GTディビジョン)が開発・製造したクルマですが、公道よりもサーキットでの走行を重視したハードコアモデルでもあり、さらにはFIAの規定するモータースポーツのカテゴリを意識して”ターボよりもGT”を優先したのだと思われます。※あるいは、ポルシェにとっての”ターボ”はラグジュアリー性が不可欠であり、その意味でも911GT2はポルシェの考える”ターボ”ではなかったのかもしれない

なお、997世代、991世代のGT2 RSもやはり「ターボを持ちながら」ターボを名乗らず、そして991.2世代以降のGT系を除く911シリーズの一部についても「ターボ化」されているものの「ターボ」というグレード名を名乗らず、これは4気筒エンジンを搭載する718ケイマン / ボクスターについても同様ですね。

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ついにガソリンエンジンを持たない「ターボ」も

そしてポルシェは2019年にタイカンをもって「ピュアエレクトリックカー」市場へと参入していますが、このトップレンジは「タイカン・ターボS」。

もちろんタイカンはガソリンエンジンどころかターボチャージャーも持ちませんが、タイカンで示す「ターボ」とは単に排気を利用した加給技術にとどまらず、「ポルシェの歴史において、そのラインアップにおいてもっともパワフルなモデルに与えられる称号」としてのターボ。

そしてもちろんマカンEVにおいても「ターボ」が追加されることになりますが、この傾向を見ても、ポルシェのトップレンジは(パワートレーンにかかわらず)常にターボである、という姿勢は変わらないものと思われます。

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そしてポルシェはこの「ターボ」を神格化すべく、2023年に「ターボナイト」なる新しいターボ専用カラーを導入しています。

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ポルシェがターボモデル専用のエンブレム、そしてホイールや内外装に専用色「ターボナイト」を採用すると発表。今後ターボ系は「神格化」されるもよう
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これは重厚感と高級感のあるメタリックグレーによって表現され、内外装のポルシェクレスト(エンブレム)のほか、モデルネーム、内装のステッチなど「ありとあらゆる部分」に使用されることとなり、新型パナメーラ、そしてフェイスリフトを受けたタイカンを皮切りに、順次導入される予定であるとアナウンスされていますね。

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参照:PORSCHE

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