| スズキは欧州市場をメインとして実際に「ジムニーのEV」投入計画を持っていた |
それにしてもいまだにジムニーの世界レベルでの高い需要は落ち着きそうにない
さて、今年発表される可能性があった「大物」がジムニーEV。
現在欧州だと(乗用車としての)ジムニーの販売ができず商用車のみのラインアップとなっていますが、この販売できない理由は「環境規制」であり、スズキはこの状況を打破すべく、まずは欧州にて「ジムニーEV」を販売する計画を立てていたわけですね。
ただ、今回そのジムニーEV計画がキャンセルされたとも伝えられていて、それはスズキ株式会社の鈴木俊宏社長が「ジムニーをEV化すると、最も良い部分を台無しにするだろう」と語ったことに端を発し、この期に及んでこの発言をしたということは「ジムニーEVはとうぶん”無い”」と考えていいのかもしれません。
「電動化はジムニーの本質と相反する」
鈴木俊宏社長によると完全電動番のジムニーはその(ジムニーの)本質と根本的に相反すると述べ、その理由はズバリ「バッテリーの重量」。
つまりジムニーをEVにするとあまりに重くなりすぎてしまい、「ジムニーEVについて話すと、ジムニーの最も良い部分を台無しにすると思います。ジムニーのコアの強みは適切な重量だと思います」と述べ、加えて同じ観点からジムニーにハイブリッドパワートレインを搭載するという噂についても否定しています。
これは2023年にスズキが発表した計画からすると「大きな方向転換」であり、さらに鈴木俊宏社長は、ヨーロッパ市場においてジムニーはあくまで軽商用車(LCV)であり続けるだろうとも語っているので、ジムニーについては今後大きな変化があるとは考えにくく、よってこのまま内燃機関を搭載する可能性が大。
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一方で同氏はジムニーの未来につき、代替燃料が選択肢となる可能性があると考えていることに触れ、「もしジムニーをプロフェッショナル向けの道具として市場に提供し続けたいのであれば、e-fuel(合成燃料)やバイオ燃料を利用した内燃機関技術がジムニーを未来にわたって支える方法かもしれません。」とも。
これら意見を踏まえると、「ジムニーの電動化の線は薄い」と考えてよく、しかし逆に「5ドア」「ピックアップ」などバリエーションを拡大しつつワールドワイドに展開することとなるのかもしれませんね。
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参照:Autocar