Image:9FF
| ポルシェ911GT3の魅力のひとつは「自然吸気エンジン」ではあるが |
しかし「自然吸気であるがゆえ」どんどん出力を上げるターボ勢への対抗が難しい
ドイツのポルシェ専門チューニング会社「9FF」が992型のポルシェ911 GT3、GT3 RS、911 S/T用として「F92 GTurboボルトオンキット」を発表。
9FFによると、このF92 GTurboキットは、自然吸気エンジンの特性をターボ車の性能と組み合わせたもので、992 GT3に対する初のターボコンバージョンキットとなっています。
たしかにポルシェ911GT3には「パワー」が必要であるが
このF92 GTurboパッケージには、ギャレット製G3-770ターボチャージャー(ツイン)、大型ウェイストゲート、インタークーラー、インテークマニホールド、インテーク、エキゾーストシステムが含まれていて、全てのパーツはボルトオン方式により取り付け可能で、オーナーは必要に応じて元の仕様に戻すことができるのだそう。
GTurboキットは0.2バールと0.6バールのブースト圧にチューニングされており、それぞれのステージでは750馬力と760馬力を発生させ、最大トルクは750Nmに制限されており、トランスミッションは7速PDKまたは6速マニュアルギアボックスに対応可能。
視線吸気エンジンは限界を迎えようとしている
なお、ポルシェ911GT3は「最も素晴らしいスポーツカーのひとつ」ではあるものの、ターボ化やハイブリッド化によって「700馬力」「800馬力」を獲得するライバルに対しては出力面でのビハインドがあり、実際にニュルブルクリンクでは(おそらくパワーに起因して)ライバルに遅れを取っている状態です。
よって「911GT3のハンドリングはそのままに、ターボパワーにて対抗」したいという向きが存在することも間違いないとは思うものの、その持ち味のひとつである自然吸気エンジンを失ってしまうのはあまりに惜しい、とも考えています。
参考までに、ユーロ7が導入されれば自然吸気エンジンは「最大で30%ほどパワーを抑えないと規制をクリアできない」とも言われるので、今後自然吸気エンジンのパワーアップを望むことはできず、よって各社ともそれを見越してターボ化を行っているというのが現状であり、そのためポルシェは「(ポルシェにおける)ニュル最速モデル」をこれまでの911GT3や911GT3 RSではなく、より可能性の見込める「911ターボ」に求めるのかもしれません(実際、911ターボに軽量パッケージが設定されるなど、911ターボはこれまでとは異なるスパルタンな方向へと動いている)。
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参照:TheSupercarBlog, 9ff