
| 全体的なデザインは「EQっぽく」、目新しさが感じられないのが残念である |
ティーザーキャンペーン期間が長かったためか、斬新さが失われた可能性も
さて、メルセデス・ベンツが「過去1年間にわたり」様々な手法を用いてティーザーキャンペーンを行ってきた新型CLAがついに正式発表。
現時点では電動バージョンのみが公開されており、ハイブリッドモデルは後日登場予定だとアナウンスされていますが、両者は基本的に同じデザインを持つことになるものと思われます。
そして今回発表された新型CLAの「電動バージョン」につき、コンセプトモデルよりやや控えめではあるものの、空力的なフォルムをしっかりと継承しており、優れたエアロダイナミクス、そして優れた航続距離を実現しているであろうことを視覚的に表現しています。
Image:Mercedes-Benz
新型メルセデス・ベンツCLAはこんなクルマ
そこでこの新型CLAを見てゆくと、流れるような優美なフォルムに丸みを帯びた滑らかなコーナー処理が施され、フロントとリアに備わるのは「ボディ幅いっぱいの」ライト。
雰囲気的には「EQ」シリーズにて採用されたものに近いように思えますが、メルセデス・ベンツは近年「EQモデルをガソリン車に、ガソリン車をEQへと」寄せるデザインを採用するため、このCLAのルックスは「当然の帰結」なのかもしれません。
Image:Mercedes-Benz
ただ、今回CLAにて初めて取り入れられたのが「スリーポインテッドスターを採用したランプ内のエレメント」で、今までのメルセデス・ベンツ(たとえばEクラスなど)で採用されたものに比較すると「より立体的に、より明確に」スリーポインテッドスターを表現することに。
さらに驚くべきは、フロントグリルに142個もの「光るスリーポインテッドスター」が装着されていますが、これはもしかするとガソリンエンジン搭載モデルでは「採用見送り」となる可能性も(より大きな開口部が必要なので)。
Image:Mercedes-Benz
なお、視覚的にわかるように実際の空力性能にも秀でており、CLAの空気抵抗係数(Cd値)はわずか0.21だと説明されていますが、この数値はボディデザインだけでなく車体下部(裏面)の滑らかな処理によるものでもある、ともアナウンスされています。
そして全体的には「流麗」なプロポーションを持つように見え、これは全長で6.1センチ、ホイールベースでは4センチ延長されたことに起因するのかもしれません(グラスエリアが縮小されたようにも思われ、寸詰まり感がなくなった)。
新型メルセデス・ベンツCLAはこんなインテリアを持っている
そして新型CLAのインテリアに目を移すと、2023年に発表された「CLAコンセプト」にかなり近く、シンプルなフラットデザインの縦型ダッシュボードに円形のエアベントがアクセントとして配置され、ダッシュボード全面には大きなデジタルスクリーン。
Image:Mercedes-Benz
なおこのスクリーン(スーパースクリーン)はオプション扱いとなっていて、10.25インチのデジタルメーター、14インチのインフォテインメントスクリーン、14インチの助手席用スクリーンにて構成されることとなるもよう。※メルセデス・ベンツは大型スクリーンンにつき、「もはやラグジュアリーではない」と説明しているが、その代替をまだ見つけることができていないようだ
そのほか、インテリアだと(これまでのメルセデス・ベンツ同様に)アルミニウム、木材が使用され、さらには(サステナビリティを意識した)紙と麻を使用したものまで用意されているようですね。
Image:Mercedes-Benz
MBUXシステムはもちろん「最新バージョン」となって新しいMB.OSオペレーティングシステムが採用され、GoogleのAIやChatGPTとの連携により、これまでに比較して高度な音声認識やインターネット検索が可能となったほか、ドライバーの感情を認識し、その感情に応じて車内照明を緑(ポジティブ)またはオレンジ(ネガティブ)に変化させる機能も搭載されているのだそう(ただ、車両に自分の感情を”ネガティブ”と判断されるのはちょっと嫌だ)。
ナビゲーションシステムも進化し、拡張現実(AR)を活用した目的地表示や、最適な充電プランの提案が可能になったほか、Disney+やSony RIDEVUの動画ストリーミングサービスに対応し、停車中はセンター画面でも動画視聴ができるほか、クラウドゲームサービス「Boosteroid」やゲームコントローラーにも対応していることについても言及されています。
新型メルセデス・ベンツCLAのエレクトリックパワートレーンは「2種類」
電動CLAには2つのバージョンのエレクトリックパワートレインが用意され、それぞれ非常に長い名称が付けられており、 ベースモデルは「CLA 250+ with EQ Technology」と呼ばれ、上位モデルには「CLA 350 with EQ Technology」という名称が与えられていますが、それぞれのスペックは以下の通り。
CLA 250+ with EQ Technology
- 後輪駆動
- 最高出力:268馬力
- 最大トルク:335Nm
- 0-60mph加速:6.6秒
- 最高速度:約209km/h
- 2速ギアボックス搭載(加速用の11:1ギアと効率重視の5:1ギアを切り替え)
- 車重:2,064kg
CLA 350 with EQ Technology
- 追加のフロントモーターを搭載したAWD
- 最高出力:349馬力
- 最大トルク:515Nm
- 0-60mph加速:4.8秒
- 最高速度:209km/h
- 車重:2,135kg
両モデルとも85kWhのニッケル・マンガン・コバルト・リチウムイオンバッテリーを搭載していて、このバッテリーはアノードにシリコン酸化物を使用することでエネルギー密度が20%向上し、コバルト使用量を削減できたほか、バッテリー製造時の二酸化炭素排出量を30%削減したという「環境対応型」。
また、最大320kWの急速充電 に対応し、WLTP基準だと、CLA 250+で最大792km、CLA 350では最大771kmの航続距離を達成するとされ、非常に高い実用性を持つことも明かされています。
Image:Mercedes-Benz
気になる発売時期と価格については正確に触れられておらず、「2025年中にデリバリー開始」とだけ。
ただしメルセデス・ベンツの例にならい、近日中には追加でのアナウンスがなされることとなりそうですね。
合わせて読みたい、メルセデス・ベンツ関連投稿
-
-
メルセデス・ベンツがフルモデルチェンジ板「GLC」の情報をチラ見せ。ベストセラーだけあって「最新デザイン、最新技術」がてんこ盛り、同社の次世代EVの牽引役に
Mercedes-Benz | 今後、同社EVの車名には「EQ」が用いられず、「 with EQ Technology」が付与されることになりそうだ 加えてEVのデザインも内燃機関搭載車と統一されるこ ...
続きを見る
-
-
「存在しない」メルセデスAMG Oneの取引で8億円を失った男が詐欺師を相手取り訴訟を起こしたとの報。この詐欺師は過去にも「架空AMG One」取引で訴えられたことも
| この詐欺師は文字通り「犯罪の宝庫」ともいえる経歴を持っている | それにしても8億円をポンと払えるのにも驚かされる さて、クルマの盗難や詐欺はどんどんその手口が高度化しており、クルマを購入する側と ...
続きを見る
-
-
メルセデス・ベンツは「復刻」ビジネスには手を出さない。「復刻とレストアは異なります。希少車のオーナーはその希少性に誇りを持っており、それを裏切るような行為は絶対にしません」
Image:Mercedes-Benz | さらにメルセデス・ベンツは1886年以降に製造された車両のパーツ供給を行う準備ができている | そしてなによりも重要視するのは「オリジナルの仕様の維持」であ ...
続きを見る
参照:Mercedes-Benz