
| テスラは関税による原材料の調達コスト上昇を懸念 |
さらには米国が諸外国に課した「報復関税」の対象となりやすく困難に陥っている
さて、様々方面で話題になり様々な影響を及ぼしているドナルド・トランプ新大統領。
とくに問題となっているのは既報のとおりの「関税」ですが、この輸入関税に対して多くの国が「報復関税」を導入することとなってしまい、結果的に世界中にて物価が上昇し「ワリを食うのは消費者」という状態となっているわけですね。
そして家計が圧迫された消費者は耐久消費財への支出を減らすこととなり、さらに「関税によって高くなってしまった(自動車含む)工業製品」を購入することが難しくなってます。
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テスラは全世界において危機に直面
実際のところ、テスラはアメリカにおいて輸出入ともに困難な状態に、そして世界レベルでの販売が困難な状況に陥っていて、よって同社は「関税が生産コストに与える影響について警告するため、アメリカ合衆国の貿易代表ジャミソン・グリア氏宛てに手紙を送付した」と報じられています。※製造に関わる原材料の輸入価格高騰、報復関税両方の面からテスラに困難が生じている
テスラはイーロン・マスクCEOの政治的発言や行動によって販売面における大きなダメージを受けており、さらには貿易戦争によっても打撃を受けているということになりますが、テスラは今回「進行中の貿易戦争が生産コストを上昇させ、アメリカからの輸出競争力を低下させる可能性がある」と警告していて、この手紙には”テスラの恐怖”を浮き彫りにしており、テスラが新たな課題に適応するために世界的なサプライチェーンの再編を進めていることが示されています。
ドナルド・トランプ大統領はテスラにとって、さまざまな方面において有益な存在であることが証明されていますが、進行中の貿易戦争に関しては「そうとはいえず」、そこで3月11日付けにてジャミソン・グリア氏へ宛てた手紙を送付し、報復的な関税が製造コストに与える影響について警告したのだと考えられ、手紙の中でテスラは「国内のサプライチェーンの制約をさらに評価し、米国の製造業者を貿易戦争の影響から守るための努力を求める」としたためているものの、興味深いことに、この手紙には署名がなされておらず、つまりイーロン・マスクCEOが送付したものではないということ。
よってテスラの誰がこの書面を作成し送付したのかはわかっていないというのが現状であり、しかしテスラ内部の「現在の状況を憂慮した」誰かが送ったのだということになりそうですね。
テスラはどういった苦境に立たされているのか
テスラはこの手紙において、貿易戦争が実際の障害を生んでいることに触れ、「アメリカの製造業者および輸出業者として、テスラはUSTR(米国貿易代表部)に対し、不公平な貿易慣行に対処するために提案された措置の影響を考慮するよう促します。サプライチェーンの積極的な現地化を進めても、特定の部品やコンポーネントは米国内で調達することが難しい、あるいは不可能であることがあります」と述べているそうですが、これはつまり「テスラ車そのものはアメリカ生産ではあるものの、バッテリーに使用するリチウムやコバルトなどの材料は輸入に依存しており、それに関税をかけられると米国内で生産する車両のコストが上がり、値上げをせざるをえなくなる。一方、これらの原材料をアメリカ国内で調達しようとしても、米国内での供給が不足している」と訴えることに。※ただしテスラは「他人に頼る」わけではなく、より多くの材料とコンポーネントを国内で調達するために世界的なサプライチェーンの変更を進めているとも報じられる
この件についてイーロン・マスクCEOがどう考えているかについてはわかりませんが、同氏がドナルド・トランプ大統領に圧力をかけて関税を撤廃させる方向へ動くかどうかについては全くの未知数で、むしろ「関税支持を公然と表明」しています。
一方、中国政府からは(ドナルド・トランプ大統領に近い立場にいるということで)イーロン・マスクCEOへと「米大統領に対し関税撤廃を呼びかけて欲しい」という打診があったとも言われ、しかしこれに応じなければ中国内においてテスラの活動が制限されることも考えられるため、イーロン・マスク氏は「非常に難しい」立場に置かれているのかもしれませんね。
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