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BMWの「CS」「CSL」は何を意味し、それぞれどう違うのか?時代とともに変わりゆくその意味、そのキャラクターを解説

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| BMWは「CS」「CSL」をMモデルの”サブブランド”として活用 |

それぞれ性格が異なり、それぞれの存在意義がある

さて、BMWは先ほど新型M2 CSの情報を公開したところですが、この「CS」については、かつて「非常に限定された」シリーズであったものの、近年のBMWは「CS」そして「CSL」についてサブブランド化し、積極的に展開する意向を見せています。

そこでこの「CS」「CSL」ですが、これには明確な意味と由来があり、それぞれの略称は特別なスポーツモデルに使われていて、以下のような意味を持っています。

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「CS」の意味・由来

「CS」の意味:

CS = Coupé Sport(クーペ・スポーツ)→Competition Sport(コンペティション・スポーツ)

「CS」とはもともとBMWが高性能な2ドア・クーペモデルに付けていた名称で、標準モデルよりもスポーティで、シャープな走りを意識した仕様となっているのが特徴です。

ただ、近年ではM3のように「クーペ」ではないモデル(セダンやワゴン)にも「CS」を設定しており、よってBMWは整合性を持たせるためか「CS=クーペ・スポーツ」ではなく「CS=コンペティション・スポーツ」へと変更しています。※もともとBMWはMモデルの上位バージョンに「コンペティション」を設定していたので無理のない変更である

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代表的なモデル:

  • BMW 2000 CS(1965年〜)
  • E9 3.0 CS(1970年代)
  • M4 CS(2018年)
  • M3 CS(2023年)

「CS」モデルの特徴:

  • エンジン性能の向上
  • 専用サスペンションや軽量化部品の採用
  • 内外装をスポーティな仕様へと変更
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「CSL」の意味・由来

「CSL」の意味:

CSL = Coupé Sport Leichtbau(クーペ・スポーツ・軽量)→Competition Sport Leichtbau(コンペティション・スポーツ・ライト)

ドイツ語の「Leichtbau」は「軽量」を意味しており、CSLモデルはCSのさらに上位版であり、軽量化とサーキット走行性能を徹底追求した特別仕様車という位置づけです。

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代表的なモデル:

  • BMW 3.0 CSL(1972年)
     → 初代CSL。「バットモービル」の愛称でも知られる
  • E46 M3 CSL(2003年)
  • M4 CSL(G82型、2022年)

特徴:

  • 徹底した軽量化(カーボンファイバー、薄型ガラスなど)
  • レース志向のチューニング(足回り・エンジン制御)
  • 快適装備の簡素化(リアシートの撤去など)

🏁 まとめ:CSとCSLの違い

項目CSCSL
フルネームCmpetition SportCompetition Sport Leichtbau
主な目的スポーツ性能の強化軽量化とレース志向の極限パフォーマンス
快適装備ある程度残される快適装備を削減して軽量化
製造台数CSLより多め(量産型)非常に限定的(希少モデル)

M4「CS」とM4「CSL」はどう違う?

そこでM4における「CSL」と「CSL」とがどう違うのかを見てみると、その差異は以下の通り。

「CSL」だと「軽量性」を追求したがために座席までをも取り払うという徹底ぶりが目立ちます。

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基本スペック比較(G82型 M4ベース)

項目M4 CSM4 CSL
発表年2024年2022年
エンジン3.0L 直6ツインターボ (S58)同上
最高出力550馬力550馬力
トルク約650Nm約650Nm
駆動方式4WD(xDrive)RWD(後輪駆動)
トランスミッション8速AT(トルコン式)8速AT(トルコン式)
0-100km/h加速約3.4秒約3.7秒(タイヤ条件により)
車重約1,790kg(xDriveのため重め)約1,625kg(軽量化済み)
シート構成4座(リアシートあり)2座(リアシートなし)
台数制限生産制限あり(少量生産)世界限定1,000台
価格(参考)約2,000万円前後(日本)約2,400万円前後(日本)

「CS」「CSL」の コンセプトと違い

そして「CS」「CSL」は(使用だけではなく)その用途にも差異があり、その違いがそれぞれの仕様にもあらわれていると考えることが可能です。

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M4 CS:公道 + サーキット向けの万能スポーツ

  • 「日常もサーキットも両立できる高性能クーペ」
  • xDrive(4WD)搭載でオールウェザー対応、非常に高い安定性
  • リアシートもあり、普段使いにも耐える仕様
  • インテリアはアルカンターラとカーボンを多用しつつ快適装備も維持
  • 高性能を楽しみつつ、日常でも使いたい人向け。スポーツ性能と快適性のバランスが絶妙
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M4 CSL:サーキット重視のピュアスポーツ

  • 「BMW Mの技術の粋を集めたレース志向モデル」
  • 徹底した軽量化(リアシート撤去、薄型ガラス、チタンマフラーなど)
  • サスペンションは専用セッティング、足回りもより硬派
  • 快適装備(リアシート、遮音材、インフォテインメント)を犠牲にしてでも軽量化
  • 極限の軽さと鋭さを求めるサーキット重視派・コレクター向け。実用性は捨てて性能に全振り
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サーキット vs 公道適性

用途M4 CSM4 CSL
公道◎(4WDで全天候対応)△(乗り心地や快適性が犠牲)
サーキット◎(高性能)◎◎(レース志向・軽量・高剛性)
実用性◯(4座で日常使い可能)✕(2座、快適性を削減)
コレクション性◎◎(超限定生産)
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