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| 現行BMW M4、2029年まで生産継続の噂が浮上 |
BMWは「ガソリンエンジンを捨てない」と発表しているが
BMWは新世代プラットフォームとデザインを持つノイエクラッセ「第一弾」、iX3を発表したところですが(あまり話題にならなかった)、それとほぼ同時に「Z4」「X4」「8シリーズ」はこのノイエクラッセ世代では投入されず、つまり現行モデル限りでライフが尽きることも明らかになっています。
そして今回報じられているのが「M4含む4シリーズの生産が最大で2029年6月まで継続する計画がある」という情報で、BMW専用フォーラム「Bimmer Post」に投稿された情報によると、G22/G23型4シリーズとG82/G83型M4は”しばらく”生産ラインに残る見込みなのだそう。
また、4シリーズ グラン クーペも2028年6月まで生産が継続される予定である、とも伝えられています。
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なぜBMWは「4シリーズ」を延命?
BMWが4シリーズの生産を延長する可能性は驚きではなく、というのもBMWはの主力たる米国市場では、4シリーズは同ブランドの乗用車の中で最も売れているモデルであり、今年の最初の9か月間で3シリーズを1万台以上も上回る販売台数を記録しています(ただし、前年同期比だと販売は減少)。
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よって、今回の判断(これが本当だとすれば)についてはポルシェなどほかのいくつかの自動車メーカーが下した「(不透明な市場環境の先行きを鑑み / 主力モデルの販売期間欠損を防ぐため)現行モデルを延命する」という判断に準ずるものとなると考えられますが、裏を返せば「ノイエクラッセ世代では、エンスージアスト向けとして、ガソリン世代の4シリーズやM4を上回るコストパフォーマンスや魅力を持つクルマを作れない」ということなのかもしれません。
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「ノイエ・クラッセ」への移行期における戦略的選択
BMWは最近、4シリーズをアップデートしましたが、あと4年間「販売を継続するならば」、生産終了までの約4年間でもう一度の刷新を受ける可能性もあり、これもやはり他の自動車メーカーが「延命による老朽化を防ぐため、予定外の追加フェイスリフトを行う」のと同じ対応であると考えられ、大幅な再設計までは行われないものの、なんらかのアップデートが反映されることになりそうです。
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参考までに、BMWは今後数カ月で「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」プラットフォーム技術を他のラインナップにも導入するとすでに認めているものの、現行プラットフォームに対しては(アーキテクチャが異なるので)導入できない改良も少なくはないはずで、よって4シリーズとM4が改良されるにしても、「ノイエクラッセに通じる外観が与えられる」程度になるのかも。
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ただ、今回の話は「ウワサ」の範疇を出ておらず、というのも数年前には「クーペとカブリオレへの関心低下から、BMWが4シリーズの生産を中止し、8シリーズと統合する」という話が出てきたり(結果的に実行されていない)、さらに今年の初めには、次期4シリーズがノイエ・クラッセ・プラットフォームを採用するという別の報道もあったため。
しかしどの報道も「ガセ」ではなく、BMWが実際に検討している内容が漏れ伝えられたのだと考えていますが、それだけBMWは「様々な可能性を検討している」ということなのでしょうね。
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いずれにせよ、電気自動車(EV)の未来に関して多くの不確実性がある中、ガソリンエンジンを搭載した4シリーズと高性能なM4をもう少し長く存続させるという判断は非常に理にかなっており、もう少しの間、BMWはぼくらに夢を提供してくれるものと考えられます。
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参照:Motor1