
| 直近のメルセデス・ベンツではC63のように「致命的」に売れない製品が登場 |
メルセデス・ベンツ電動Gクラスが「販売不振」報道 G580は“鉛のようにディーラーから動かない”?
ドイツの有力経済紙Handelsblattによると、メルセデス・ベンツの電動SUV「G580 with EQ Technology」が、発売から約1年で深刻な販売不振に陥っているもよう。
同紙によれば、ある匿名の幹部は「ディーラーで鉛のようにディーラーに居座って動かない。完全な失敗作だ」とコメントし、さらに別のマネージャーも「ニッチなモデルで、販売台数は非常に少ない」と認めるなど、社内でも失敗の認識が広まりつつあるようですね。
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メルセデス・ベンツ広報は「販売目標を達成している」と主張
一方、Mercedes-Benzのグローバル広報マネージャーMarkus Nast氏は、カーメディアの取材に対し次のように回答しており、つまり、顧客が選択肢を持てる体制を整えていくことが今後の戦略になるようです。
「Gクラスは引き続き高い人気を誇っており、2024年第4四半期には過去最高の販売実績を記録しました。2025年第1四半期も前年比+18%の伸びを見せています。今後も、電動パワートレインと高性能内燃エンジンの両方を提供可能な体制を整えることを予定しており、引き続きGクラスにも適用されます。」
メルセデス・ベンツ「エレクトリック」Gクラス、G580の販売台数:ICEモデルの7分の1にとどまる
Handelsblatt紙が報じた具体的な販売データは以下の通りで、内燃機関モデルが約7倍の人気を誇っており、G580は明らかに出遅れている状況です。
- G580(電動モデル)販売台数:1,450台(2025年4月末時点)
- 従来型Gクラス(ガソリン・ディーゼル)販売台数:約9,700台
なぜ電動Gクラスは売れないのか?主な要因4つ
① 圧倒的な価格差
電動Gクラスは、ガソリン・ディーゼルモデルに比べて大幅に高価で、価格面での競争力に欠けています。
② 実用性の低下
- 最大積載量:わずか415kg(欧州仕様)
- トウバー(牽引装置)非対応
- 電動ならではの航続距離の問題によって「どこまでも行ける」というGクラスの魅力のひとつが失われている
③ とんでもない重量
- 欧州仕様:3,085kg
- 米国仕様:約6,746ポンド(約3,060kg)
この重さが航続距離や運動性能にも悪影響を与えているのは間違いなさそう。
④ 航続距離の不満
- WLTP基準:473km
- EPA基準(北米):約239マイル(385km)
競合EV SUVに比べて見劣りする航続距離も販売に影を落としている、と考えていいのかも。
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小型版「リトルG」にも影響?EV専用からICE併売へ方向転換か
販売不振の影響は、今後登場が予定されている「リトルG/ベビーG(仮称)」にも波及する可能性があります。
当初はEV専用車として2027年発売予定でしたが、Handelsblatt紙によれば現在は内燃機関モデルの導入も検討中とのことで、このリトルGについては「ガソリン版あるいはハイブリッド版と、EV版との併売」となる可能性が高いと見られているようですね。
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まとめ:Gクラスの未来は「電動」と「V8」の二刀流に?
- 電動Gクラスは高価格・低実用性がネックで苦戦
- ICE(内燃機関)モデルは依然として高い人気を維持
- メルセデスは「顧客に選択肢を与える戦略」へ移行
- 小型GクラスもEV一本足ではなく、多様なパワートレインで展開か
「本物のGクラスが欲しい」という声は今も根強く、今後もV6・V8搭載モデルへの需要は続くものと思われ、メルセデス・ベンツは電動化を進めつつも「Gクラスの本質」を見失わないようバランスと取る必要性が問われています。
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参照:Motor1