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| シャオミ、新型電動SUV「YU7」の価格は間もなく発表へ|価格競争には不参加を表明 |
価格競争に「加わらない」シャオミの戦略とは?
2025年5月22日に正式発表されたXiaomi(シャオミ)初の電動SUV「YU7」。
そのデザインやスペックが注目を集める中で、最も関心が高まっていたのが「価格」です。
この価格については現在未発表であり、シャオミ創業者兼CEOである雷軍(Lei Jun)氏によれば「価格は正式ローンチの1〜2日前に決定される」。
加えて「中国で激化しているEV価格戦争には加わらない」という姿勢も明言していますが、この価格競争はBYDが仕掛けたひとつの「消耗戦」で、まずBYDが一部車種で40%近い値下げを発表した後、いくつかの(大手含む)自動車メーカーがこれに追随し、現在中国のEV市場では「値引き祭り」といった様相を呈しています。※自社登録による販売水増し、新古車の氾濫も問題視されている
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こうなると自動車メーカーはその利益を圧迫されてしまい、そうなると研究開発費を捻出できなくなって将来の製品展開に問題が生じ、ひいては国際競争力が落ちてしまうという懸念から中国政府が「値引き規制」に乗り出したといわれるほど。
そしてこういった状況の中で発表されたのがシャオミYU7なのですが、「激しい値下げ戦争の中」ローンチするということで、多くの消費者は「YU7も現在のEV市場を反映してかなり安い価格で発売される」と踏んでいたものの、シャオミCEO自らがこれに冷や水を浴びせた格好となっています。
価格はSU7より大幅に上?23.5万元説に否定的なコメントも
上述の通り「YU7は比較的お買い得な設定がなされる」と予想されていて、発表直後から(YU7の価格は)23.59万元(約450万円)ではないかと噂されており、しかし雷軍氏は「価格競争に参戦しない」、さらに「SU7のエントリーモデルより2万元高い程度には収まらない」ともコメントしたため、今は(23.59万元という当初の予測ではなく)テスラ・モデルYの26.35元に近い価格で登場するという見方が一般的。
これは現在の「BYDを皮切りに、Geely(吉利)、Chery(奇瑞)、SAIC(上汽)、FAW(一汽)など大手が次々と値下げ競争に突入した」状況においては相当に強気な戦略でもあり、それだけ同氏はYU7に自信を持っているということになりそうですが、その価格はもちろん、価格発表後の市場の反応を注視したいところですね。
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シャオミ YU7のスペック詳細:3つのグレード展開
✅ YU7(スタンダードモデル)
- 全長/全幅/全高:4999 / 1996 / 1608 mm
- ホイールベース:3000 mm
- モーター出力:235kW(315ps)
- バッテリー:96.3kWh(LFP)
- 航続距離:最大835km(CLTC基準)
- 0-100km/h加速:5.88秒
- 最高速度:240km/h
✅ YU7 Pro(上級モデル)
- 駆動方式:デュアルモーター 4WD
- 総出力:365kW(489ps)
- スタンダードモデルと同じ同じLFPバッテリー(96.3kWh)を搭載
- 航続距離:最大770km
- 0-100km/h加速:4.27秒
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✅ YU7 Max(最上級モデル)
- 出力:508kW(681ps)
- バッテリー:101.7kWh(NMC 三元系)
- 航続距離:最大760km(CLTC)
- 0-100km/h加速:3.23秒
- 最高速度:253km/h
- 装備:デュアルチャンバーエアサスペンション、ブレンボ製4ピストンキャリパー
展示展開と今後のスケジュール
現在、シャオミは北京・上海・杭州・成都の56店舗でYU7の静態展示を実施中。
さらに広州国際モーターショー(Greater Bay Auto Show)終了後には、中国全国92都市で展示が予定されています。
SU7がそうであったように、YU7もまた「テスラキラー」の旗手だと目されていますが(そしてそうなる可能性は非常に高い)、シャオミは「価格に頼らないプレミアムEVの提供」という新たなチャレンジを掲げており、価格志向がいっそう強まる中国市場においてどれだけの支持を得られるのか、興味は尽きないところでもありますね。
まとめ:Xiaomi YU7はテスラキラーとなるか?
- 価格はまもなく発表、テスラ・モデルYより安価な可能性
- 航続距離・加速性能ともに非常に高水準
- シャオミは価格競争ではなく、ブランド価値と性能で勝負
- 3グレード展開で、エントリーユーザーからパフォーマンス重視層までカバー
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