
| もはやAIの普及によってあらゆる情報が集約できるように |
ただしこの事件の全容については「謎」が多い
コロラド州デンバーで、約2年前に盗まれたランボルギーニ・ウラカンEVOがついに発見され、しかし驚くべきは警察ではなくオーナー自身がChatGPTとGoogleを使って足取りを追跡し車両の発見に至ったという点。
ここでその手法、その経緯について見てみたいと思います。
2年前の大規模スーパーカー窃盗事件
被害者となったのはカリフォルニア州オレンジ郡在住のアンドリュー・ガルシア氏。
彼のウラカンEVOは、複数の高級車が盗まれた「数百万ドル規模の窃盗団事件(当時現地では大きく報道されたようだ)」の犠牲者として姿を消したといい、この窃盗団はまずレンタカーを借り、返却せずにそのレンタカーの車台番号を流用した所有権書類を不正に作成したうえで20台近い高級車を転売していたといいます(盗難車とレンタカーとの車台番号を入れ替えたのだと思われる)。
しかしこの手法は一部で見破られ、多くの被害者が車を取り戻せた一方、アンドリュー・ガルシア氏のウラカンEVOについては行方が掴めないままであったのだそう。
手掛かりはInstagramの写真
そして事態が動いたのは、ガルシア氏のもとに届いた一通のInstagramメッセージ。
そこにはウラカンの写真とともに「このクルマを売ったのはあなたか?」という問い合わせがあり、送信者は車内に残っていたアンドリュー・ガルシア氏の名刺を見つけ、興味本位で連絡してきたのだと説明されています。
これをきっかけに、アンドリュー・ガルシア氏は写真をChatGPTに入力し、Googleの位置情報ツールと組み合わせて解析を行うことに。
得られたデータをもとに丹念に調査を重ね、最終的に車がコロラド州デンバーにあることを突き止めた、と報じられています。
その情報を警察に提供した結果、現地当局がウラカンEVOを無事発見し、車台番号の照合によって確かにアンドリュー・ガルシア氏のウラカンEVOであることが確認されたそうですが、ぼくとしてはインスタグラム経由でメッセージを送ってきた人物とウラカンEVOとの関係がちょっと気になるところです。
事件はまだ終わっていない
コロラド自動車窃盗防止局のケイル・グールド報道官は、この“AI探偵”ぶりを称賛。
「こうした積極的な情報収集は、盗難車両の回収に大きな効果を発揮します」
一方で、デンバーにあったウラカンEVOがどういった経緯にて、誰の手に渡っていたのかは依然不明だとされ(となるとインスタ経由でメッセージを送った人物とは連絡が取れず、どこの誰かを特定できていないのかもしれない)、事件の全容解明には至っていない、とのこと。
なお、カリフォルニアで摘発された窃盗団の関係者については、1名がすでに有罪判決を受けており、もう1名は10月に公判を控えている、とも補足されています。
これまで盗難車の発見は「困難」だとされてきたものの、最近だと様々な情報の取得が可能となったことで「自分の(盗まれた)クルマが異国の地で販売されている」ことを発見し、無事にクルマを取り戻した例などが報じられていますが、今後はより積極的に盗難車を探すことができる時代に突入したということになりそうですね。
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参照:CARSCOOPS