
| ヒョンデ、9月販売で過去最高を更新 |
ヒョンデは「新しい戦略」を採用する「新しい」自動車メーカーである
ヒョンデ(Hyundai) が2025年9月に71,003台(前年比+14%)を販売し、同社史上最高の9月を達成したことが明らかに。
第3四半期全体でも239,069台(+13%)と過去最高を更新しており、年初来の販売は678,349台(+11%)と堅調な推移を見せています。
四半期ベース、単月ベースともに最高を更新した背景には、EV販売の急伸が大きく寄与したことがあると報じられていますが、ここでもう少し詳しく内容をチェックしてみましょう。
EV販売が倍増、主役は「アイオニック5」
ヒョンデのEVは2025年第3四半期に前年同期比で2倍(+100%)の販売増。
9月単月でも+153%と驚異的な伸びを示しています。
- アイオニック5:8,408台(前年比+152%)
- 2025年累計:41,091台(+35%)
- 販売台数でサンタクルーズやヴェニューを超え、ソナタに迫る勢い
- アイオニック6:9月は+36%と健闘
- 年初来販売:9,132台(前年より約30台増)
- 年初来販売:9,132台(前年より約30台増)
- アイオニック9:5月発売開始からすでに4,177台を販売し、好調なスタート
なお、コナEVはガソリン車と統計がまとめられており、(EVのみの)正確な販売台数は不明です。
また、9月末で米国の連邦EV税額控除の終了が迫ったため、駆け込み需要が発生した可能性も指摘されていますが、アイオニック5はそもそも「税額控除の対象外」であるとも報じられており、その中でのこの業績は称賛に値するものだとも考えています。
EV以外の好調モデル ― サンタフェとヴェニュー
EVだけでなく、内燃モデルでも一部の車種が大幅な伸びを見せています。
- サンタフェ:9月販売+28%、年初来+22%(累計102,160台)
- ブランド第3位の売れ筋モデルに定着
- ブランド第3位の売れ筋モデルに定着
- ヴェニュー:9月販売+77%、年初来+20%(累計23,728台)
- 依然として販売規模は小さいが、成長率は大きい
- 依然として販売規模は小さいが、成長率は大きい
苦戦するモデル ― コナ、ソナタ、サンタクルーズ
一方で、従来の主力車種の一部は減速していることも報じられ、その理由は「クロスオーバー市場の激戦により、小型モデルがやや苦戦している」から。
- ソナタ:年初来▲5%(45,914台)
- コナ:年初来▲11%(57,278台)
- サンタクルーズ:年初来▲18%(20,633台)
こういった傾向を見るに、「他社との互換性がある製品は販売を失い」「ヒョンデならではの個性を備えるモデルは販売を伸ばす」傾向が鮮明になっていて、「ヒョンデらしさ」を追求するここ最近の戦略が奏効していることもわかります。
ヒョンデの今後の注目点
- EV販売がこのペースで伸び続ければ、2025年通年でも記録更新はほぼ確実。
- 米国インセンティブ終了後の需要動向が焦点。
- アイオニックシリーズの新型追加や改良により、EVシェア拡大が期待される。
ヒョンデは「アイオニック5」を中心とし、世界市場でEVブランドとしての存在感を急速に高めているという状況ですが、今後テスラや中国勢との競争が激化する中、どこまでシェアを伸ばせるかに注目です。
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参照:Carbuzz