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| ヒョンデが「ジェネシス」を通じて長年の夢を果たす |
ヒョンデはかねてよりスーパーカー業界への参入を標榜していたが
ヒョンデのプレミアムブランド、ジェネシスがフランスのル・カステレにて「マグマ GT コンセプト (Magma GT Concept)」を世界初公開。
これは単なるデザインスタディではなく、今後10年間のマグマの高性能な未来を象徴し、GTレース参戦への野心を明確に示すランドマーク的なモデルだと説明されています。※「マグマ」はジェネシスのスポーツブランド
なお、ヒョンデはずっと前から「スーパーカービジネスへの参入」を目標に掲げていましたが、ついに(ジェネシスを通じ)積年の夢がかなったわけですね。
マグマ GT コンセプトの特徴と狙い
まず、このマグマ GT コンセプトは、ジェネシス初の純粋なスポーツカータイプであり、「Effortless Performance(意図しない性能、努力を感じさせない性能)」という哲学を具現化した存在。
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1. 「Effortless Performance」とは?
ジェネシスの最高クリエイティブ責任者であるルク・ドンカーヴォルケ氏は、「マグマ GT コンセプトは、生々しい攻撃性や妥協なきスピードによって定義されるのではなく、バランスによって定義される」とコメントしています。
- 定義: ドライバーが自らの技術を証明することを求めず、むしろそれを高めることに焦点を当てる
- 特徴: プレッシャーの下でも落ち着きがあり、すべてのコンポーネントが「努力を感じさせない性能」という単一の目的に奉仕するよう細部にまで調整されている
これは単に速いジェネシスではなく、ジェネシス史上最も完成度の高いパフォーマンスの表現であると位置づけられています。
2. GTレースを視野に入れた設計と戦略
このコンセプトカーは、ヒョンデ・モーター・カンパニーのCEO投資家デーで発表されたロードマップと密接に連携しており、ジェネシスはこれを将来的にパフォーマンスアイコン、すなわち「ハローカー(halo car:ブランドの顔となるモデル)」として開発し、GTレーシングクラスへの長期的な参入を目指している、ともコメント。
- エンジン配置: ミッドリアエンジンレイアウトを採用していることが明かされており、これはGTカテゴリーのレースを視野に入れた野心を暗示している
この点において、先に発表された「X グランレーサー ヴィジョングランツーリスモ コンセプト」「X グラン ベルリネッタ ヴィジョン グランツーリスモ コンセプト」とは異なっていて、こちらは実車が製作されたといえどもデザイン的なビジョンを示す存在として捉えるのが妥当であり、一方で今回時発表されたマグマ GT コンセプトは「現実のレースを戦い、現実にユーザーが購入できる」存在ということになりそうですね。
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3. モータースポーツにインスパイアされたデザインと空力性能
マグマ GT コンセプトのデザインは、その目的、すなわち空力性能と走行効率の最適化を明確に示しています。
- シルエット: 低く構えたフロントボンネットと長く傾斜したルーフラインにより、レースカーらしい洗練されたシルエットを形成
- GTプロポーション: 幅広く筋肉質なリアフェンダーは、ジェネシス独自のデザイン哲学「アスレチック・エレガンス」を通じてクラシックなGTレースカーのプロポーションを再解釈
- エアロダイナミクス:
- ヘッドランプと統合されたフロントカナードがダウンフォースと独自性を向上
- フロントスプリッターから翼のような形状に広がるG-Matrixエアロダイナミクスパターンは視覚的なシグネチャーであると同時に、気流を最適化する機能的な要素となる
- メカニカルなリアの二本線ランプグラフィックと最適化されたリアエアロ構造により、「低くワイドな」揺るぎない存在感を生み出す
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ジェネシスが目指す「ラグジュアリー・ハイパフォーマンス」の未来
マグマ GT コンセプトは、ジェネシスが「ラグジュアリー・ハイパフォーマンス」への移行における重要なマイルストーン。
このモデルは、パフォーマンスの方向性を視覚的かつ哲学的に具現化し、今後の10年間におけるジェネシスのパフォーマンスアイデンティティを導く戦略的な道標となるものと思われます。
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さらにジェネシスは、このマグマ GT コンセプトを旗艦とし、将来のハイパフォーマンス・ポートフォリオの基盤を築くという戦略も示しており、GTレースへの参入はブランドイメージをさらに高め(さらにはル・マン24時間レースへの参戦も表明済み)、現在のジェネシスを「高級車ブランドから”高級スポーツブランドへ”と大きく変革することになるのかもしれません。
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