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【リコール情報】テスラが約1.3万台のモデル3/モデルYをリコール。突然動力を失うおそれ、原因はバッテリーパック内の不良コンタクター

テスラ

| テスラには珍しく「物理的な問題」が生じる |

テスラが約1.3万台のEVをリコール、突然の動力喪失リスク

テスラが12,963台の車両をリコールすると発表。

対象となるのは2025年式モデル3および2026年式モデルYで、いずれも走行中に突然動力を失うおそれがあるとしています。

国家道路交通安全局(NHTSA)の発表によると、この問題はバッテリーパック内のコンタクター(接触子)に起因しており、品質基準を満たさないなInTiCa製ソレノイドを使用していたことが原因なのだそう。

不具合の詳細:「コイル終端の不良」が原因で接触が途切れる

リコール報告書によると、不具合のあるソレノイドではコイル終端の接続不良により接触が突然切断され、結果として駆動力が失われる可能性があるとのこと。

運転者には事前に警告が表示されず、予兆なしに動力を失うケースが想定され、これは追突などの事故につながる危険性があるために「無視できない安全上のリスクが存在する」と報告されています。

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テスラは8月から調査を開始、複数の報告を受けて判明

ことの発端は複数の車両オーナーから「パーキングからドライブに切り替わらない」という症状が伝えられたことですが、テスラはこれを受けて2025年8月に調査を開始。

そして調査の結果、高いコイル抵抗値を示す不良コンタクターが確認されたといい、これをきっかけにテスラは原因を特定し、InTiCa製ソレノイドの欠陥が原因であると結論づけたようですね。

現時点で事故や負傷の報告はなし

報告によれば、テスラはこれまでに26件のフィールドレポートおよび36件の保証請求を受け取っているものの、幸いにも事故や負傷の報告はないとのこと。

ただし、問題が発生した場合には完全に動力が失われるため、深刻なリスクが伴うことには注意が必要です。

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無償修理は12月から開始予定

テスラはこの問題に対処するため、不良コンタクターをInTiCaソレノイド非搭載タイプへ交換する無償修理を実施。

顧客には12月9日以降に案内が郵送され、全国のテスラサービスセンターで対応可能とのことですが、おそらく日本で納車された車両は(生産工場やサプライヤーが異なると考えられるため)リコール対象外なのだと思われます(現時点では国土交通省にリコールに関する届けはなされていない)。

今回のリコールが示す課題

今回のリコールは、EVの電気系統の信頼性がいかに重要かを改めて示しているように思いますが、テスラはこれまでもソフトウェア関連の不具合で複数回のリコールを行っており、今後はソフトのみではなく「ハードウェア品質の監視強化」が求められることとなりそうです。

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EV信頼性への影響とテスラの対応評価

テスラはこれまでもOTA(Over-the-Air)アップデートで迅速に不具合を修正する姿勢を見せてきましたが、今回のように物理部品の交換を伴うリコールは別問題。

特にバッテリー関連の不具合は安全性の根幹に関わるため、ブランドイメージへの影響も避けられず、しかし一方で、早期に問題を特定し無償修理を発表した点は、対応の早さとして高い評価を獲得することができるのかもしれません(北米では、起きたことよりも、それにどう対処するかという行動が重要視される傾向があるようだ)。

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参照:NHTSA

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