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「1台売って利益31万円」。利益率が8年で7.8%から4.4%へ、中国の自動車業界を襲う「利益消滅」の危機。“破滅的競争”がもたらす末路とは

中国車

| ここから想像できるのは「大量倒産」、そしてそこからの業界再編である |

この記事のポイント(要約

  • 過去最低水準の利益率:2025年1月〜11月の業界利益率は4.4%。1台あたりの利益は約2,000ドル(約31万円)
  • 売上は増えても利益は出ない:売上高は8.1%増だが、コストが9%増と逆転
  • 「内巻(ネイジュアン)」の代償:過剰な価格競争により、モデルの70%が赤字販売、販売店の半数が赤字経営
  • EVシフトの光と影:新エネ車(NEV)の生産は27%増と爆動するも、体力削り合いのフェーズへ

豊作貧乏?「10兆元市場」の裏側にある悲鳴

2025年、中国の自動車業界は「3,100万台生産」という驚異的な規模に達しており、しかしその華やかな数字の裏で、メーカーや販売店はかつてない「薄利」に喘いでいるという報道がなされることに。

中国乗用車協会(CPCA)の崔東樹秘書長が発表した最新データによると、2025年1月〜11月の業界全体の利益率はわずかに4.4%で、これは2024年の4.3%に次ぐ「史上2番目の低水準」です。

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統計データ:利益率の推移(2017年〜2025年)

以下は年ごとの利益水準の推移ですが、かつては「ドル箱」だった中国市場が、いかに急速に利益を削り取られてきたかがわかります。

ただ、ここで注意を要するのは、この数字が「ガソリン車」「EV」を含めるということで、EVの販売増加とともに(EVは開発コストがかさみ、その元を取るのに時間がかかるため)利益率が下がるのは「ある種では必然の流れ」であるとも考えられること。※ただしもちろん、それとは別に過当競争が利益を引き下げる大きな理由として存在する

シャオミの自動車事業が急成長。2025年第1四半期に7万台超を納車、しかしそれでも1台あたり13万円の「赤字」
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利益率 (%)備考
2017年7.8%業界の黄金期
2021年6.1%EVシフトが本格化
2023年5.0%価格競争が激化
2024年4.3%史上最低を記録
2025年 (累計)4.4%1台あたり利益:約2,000ドル

※2025年の月別推移では、8月に3.4%まで落ち込むなど、非常に不安定な状況が続いている

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「中国車の敵は中国車」。現在の中国ではEV市場の競争があまりに厳しく、「BYDとテスラが支配する市場において、NIO、シャオペン、Li Autoすら生き残る可能性はゼロ」
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なぜ利益が出ないのか? 3つの構造的要因

1. 「コスト増加」が「売上成長」を上回る

業界全体の売上高は10兆元(約200兆円)を突破し、前年比8.1%増と成長していますが、深刻なのはコストが9%増となって売上の伸びを上回っている点。

原材料価格の変動や人件費の上昇がメーカーの首を絞めている、と分析されています。

2. 「内巻(ネイジュアン)」と呼ばれる破滅的競争

中国で流行語となっている「内巻(Neijuan)」は、不毛な内部競争を意味します。

  • 価格競争の波及:テスラやBYDに端を発した値下げ合戦が、EVだけでなくガソリン車市場にも波及
  • 損切り販売:現在、中国で販売されているクルマの約70%が「赤字」で売られているという異常事態に陥っている
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3. 販売店の「連鎖破綻」の危機

メーカー以上に深刻なのがディーラー(販売店)だとされ・・・。

  • 52.6%の販売店が赤字経営
  • 値下げの原資をディーラーが負担させられるケースも多く、大手販売グループ「広匯汽車」の上場廃止や、ポルシェセンターの閉鎖など、流通網の崩壊が始まっている
ファーウェイ
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今後の展望:生き残るのは「ごく一部」

Xiaomi(シャオミ)がEV参入からわずか1年で1台あたりの損失を劇的に減らす(Q2時点で1台500ドルの赤字まで改善)など、テクノロジー企業による効率化は進んでいるものの、しかし多くの既存メーカーにとって現在の4.4%という利益率は「研究開発への投資」を維持するのがやっとの数字。

業界関係者は「2026年は、安売りでシェアを奪い合う段階から、本当の意味での価値(ブランド・技術)で生き残る企業が決まる淘汰の年になる」と予測しており、大荒れの時代に突入することが予想されます(そして中国外の自動車市場も”無関係”ではいられないだろう)。

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中国 マクサス
激動の自動車業界では2025年に何が起きるのか?中国では「大量倒産」「合併」「欧米企業と中国企業の提携解消」「自動運転や全固体電池の導入」が予想される

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今の状況は中国の消費者にとって「安く高性能なクルマが買える」最高の時期に見えますが、メーカーやディーラーが倒産すれば、購入後のアフターサービスや保証が消滅するリスクも孕んでおり(オンラインサービスが利用できなる可能性も)、今の中国市場で車を買うなら、「そのメーカーが来年もあるか」を見極める能力が求められている状況なのかもしれませんね(それでも、価格に飛びつく消費者は少なくはないだろう)。

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参照:CarNewsChina

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