
| それでも「モデルS」は自動車史においてもっとも重要なクルマであることは間違いない |
この記事の要点(30秒チェック)
- 歴史の終焉: テスラの躍進を支えた「モデルS」と「モデルX」が2026年第2四半期(4〜6月)で生産終了
- 工場の変貌: カリフォルニア州フリーモント工場の生産ラインは、人型ロボット「Optimus」の製造拠点へ転換
- ラインナップの激減: 今後、テスラが販売する乗用車は「モデル3」「モデルY」「サイバートラック」の3車種のみに
テスラが「車種」の半分を切り捨てる。2026年春、衝撃の決断
「テスラは単なる自動車会社ではない」——イーロン・マスク氏が長年言い続けてきた言葉が、最も過激な形で現実に。
2026年1月28日に行われた2025年第4四半期決算説明会にて、マスク氏はモデルSおよびモデルXの生産を2026年第2四半期をもって終了すると発表し、これにより、テスラの代名詞であった「S3XY(セクシー=Model S, 3, X, Y)」ラインナップは崩壊し、同社は「自律走行」と「ロボティクス」を核とした新フェーズへと突入します。
なぜテスラはフラッグシップを捨て、ロボットを選ぶのか?
今回の決定には、テスラが直面している「現実」とマスク氏が見据える「未来」が交錯しています。
As we shift to an autonomous future, Model S & X production will wind down next quarter.
— Tesla (@Tesla) January 29, 2026
If you’d like to own one of them, now’s a good time to place your order.
Tesla wouldn’t be what it is today without Model S & X and their (early) owners – thank you for your support over… pic.twitter.com/4J06T1QjVM
1. 役割を終えた「名誉除隊」
マスク氏は説明会で、両モデルの終了を「名誉除隊(Honorable Discharge)」と表現。
2012年登場のモデルS、2015年登場のモデルXは、テスラを高級EVブランドとして確立させた功労者ではありますが、しかし2025年の販売台数は全体のわずか3%以下にまで落ち込んでおり、もはやビジネスの主役ではなかったというのが現実です。
2. 工場を「Optimus」のゆりかごに
そしてさらに衝撃的なのはモデルS/Xを製造していたフリーモント工場のスペースを人型ロボット「Optimus(オプティマス)」の量産ラインへと作り変えること。
マスク氏はここで「年間100万台のロボット生産」という途方もない目標を掲げており、自動車業界に革命を起こした生産ラインを、今度は「やはり時代を変革するであろうテスラボットの」生産に充てるというわけですね。
生産終了モデルと今後のラインナップ比較
ここでモデルSとXが消えた後のテスラの布陣を確認しましょう。
| 車種 | ステータス | 今後の役割 |
| Model S | 2026年Q2 生産終了 | なし(歴史的アイコンへ) |
| Model X | 2026年Q2 生産終了 | なし(歴史的アイコンへ) |
| Model 3 | 販売継続 | 主力セダン・エントリーモデル |
| Model Y | 販売継続 | 世界一売れているSUVとしての柱 |
| Cybertruck | 生産拡大中 | 革新的デザイン・ピックアップ枠 |
| Cybercab | 2026年4月生産開始予定 | ハンドルのない完全自動運転専用車 |
| Optimus | 2026年量産開始予定 | テスラの次なる主力「製品」 |
モデルSとXが残した「伝説」とこれからの懸念
テスラファンにとって、このニュースは一つの時代の終わりを意味します。
- 「Ludicrous(爆速)」と「Plaid」: スーパーカーを置き去りにする加速力は、モデルSが世界に知らしめた
- ファルコンウィング: モデルXの象徴的なドアは、EVに「ワクワクする未来」を与えた
一方で、懸念も残っており、現在、モデルS/Xに代わる「高級セダン・SUV」の直接的な後継車は発表されておらず、2026年4月に生産開始とされる「サイバーキャブ」はハンドルもペダルもないロボタクシーであり、「自分で運転を楽しみたい高級車ユーザー」の受け皿が消滅することになります(ただ、新型ロードスターがこれに代わるのかもしれないが、今回の決算発表では言及がなされていない)。
新しい知識:テスラの「AI企業」への完全変態
今回の決定により、テスラの企業価値の裏付けは「販売台数」から「AIの知能」へと完全に移行します。
マスク氏は、将来的に「ロボット1台につき数万ドルの利益が出る」「数百万台レベルでのデリバリーを行う」と予測しており、自動車販売よりもロボットとFSD(フルセルフドライビング)のサブスクリプションが収益の柱になると踏んでいます。
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結論:今が「フラッグシップ・テスラ」を手に入れる最後のチャンス
「モデルSやXが欲しいなら、今すぐ注文すべきだ」——マスク氏はそう呼びかけており、2026年夏以降、テスラのショールームからあのエレガントなセダンとガルウィングのSUVは消え、代わりに人型ロボットが並ぶことになるかもしれません。
自動車史を変えた一台を手に入れたいなら、残された時間はあとわずかです。
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参照:Tesla



















