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「アフィーラ(AFEELA)」の開発と発売が正式に中止ソニー・ホンダ・モビリティの夢はなぜ潰えたのか。プレ生産が開始された後の「異例の判断」

ソニー・ホンダ・モビリティ「アフィーラ1」フロントサイド(停止状態)

Image:Sony Honda Mobility

| やはり開発から発売までの期間が長く、その間に中国の自動車メーカーがキャッチアップし追い越していったとしか言いようがない |

今回、ソニー・ホンダ・モビリティより「正式に」開発と発売の中止がアナウンスされる

2026年3月、ソニー・ホンダモビリティ(SHM)が、EVブランド「AFEELA(アフィーラ)」の第1弾となるセダンおよび第2弾SUVの開発・発売を中止すると正式に発表。

これはホンダが今月12日に打ち出した「電動化戦略の根本的な見直し」に伴い、アフィーラに提供予定だった技術や資産の前提条件が崩れたことが直接の要因で、米国オハイオ州の工場ではすでにプレ生産が始まっており、納車開始を年内に控えていた異例のタイミングでの「プロジェクト終了」となっています。

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Image:Sony Honda Mobility

この記事の要約(30秒チェック)

  • 発売中止: $102,900(約1,560万円)の「Signature」を含む全モデルの販売計画を撤回
  • ホンダの激震: 自社EV(0シリーズ)やアキュラRSX復活計画の中止に続く、大規模なリストラの一環
  • 巨額の損失: ホンダはこれらの一連の中止により、最大158億ドルの損失を計上する見込み
  • JVは存続: ソニーとホンダの提携自体は解消せず、中長期的な「新しいモビリティの形」を再検討
ソニー・ホンダのEVブランド「アフィーラ(AFEELA)」にSUVが登場。2028年発売の次世代EVが描く“動くリビング”とは
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詳細:なぜ「生産直前」で中止になったのか?

アフィーラは、テック企業のソニーと自動車メーカーのホンダが手を組んだ「動くエンターテインメント空間」として期待されていたEV。

しかし、市場環境の激変がその夢を阻むこととなり・・・。

  • ホンダの戦略転換:ホンダはEV市場の減速とコスト増を受け、巨額の損失を出してでも不採算プロジェクトを切り捨てる決断を下すことに。アフィーラはこの「クリーンアップ」の対象となった形へ
  • 高価格帯の壁:約1,500万円という価格設定に対し、現在のEV市場では需要が限定的であると判断される
  • 資産提供の停止:アフィーラはホンダの次世代EVプラットフォームを活用する前提ではあったものの、ホンダがその基盤技術の開発計画を変更したため、SHMは「車を作るための土台」を失うことに
ソニー・ホンダ「AFEELA 1(アフィーラワン)」がオハイオで試作開始。しかし「動くプレイステーション」に1600万円の価値があるのかという懐疑的な意見も

Image:Sony Honda Mobility


AFEELA中止までのタイムラインと当初の計画

以下がアフィーラブランドの歩みではありますが、発表がなされた6年前には「まさか」中国勢がここまで力をつけEV業界を席巻するとはだれも考えておらず、そして「今後」のことを考えるならば、いかに本生産直前であったといえど、ここで「勇気ある撤退」を選んだほうがいいのかもしれませんね。

年月出来事 / 計画内容
2020年 1月CES 2020ソニーが「VISION-S」をサプライズ発表
2022年 10月SHM設立ソニーとホンダのジョイントベンチャー発足
2023年 1月新ブランド発表ブランド名を「AFEELA」に決定
2026年 3月発売中止発表セダン、SUVともにお蔵入りが決定
(幻の計画)2026年後半北米でのデリバリー開始予定だった
アフィーラは2030年までに「SUV」「コンパクトカー」を発売し3台体制でテスラに戦いを挑むとの報道。その武器となるのは高付加価値の先端技術
Sony Honda Mobility

ホンダを襲う158億ドルの損失

ホンダはアフィーラだけでなく自社ブランドのEV計画も大幅に縮小しており・・・。

  • 0シリーズの中止: 次世代EV「0 Sedan」「0 SUV」の発売をキャンセル
  • RSX復活の夢: ファンが期待していたアキュラRSX(インテグラ)の電動復活モデルも中止
  • 経営判断: 「サンクコスト(埋没費用)」を惜しんで傷口を広げるより、早期撤退による「損切り」を選ぶという判断。これは、ロールス・ロイスやランボルギーニがEV計画を後回しにする動きとも共通している
アフィーラは2030年までに「SUV」「コンパクトカー」を発売し3台体制でテスラに戦いを挑むとの報道。その武器となるのは高付加価値の先端技術
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結論:ソニーとホンダ、これからの関係は?

興味深いのは「アフィーラというクルマは世に出ることはないものの、両社は提携関係を解消したわけではない」ということ。

共同声明では「モビリティの未来への貢献について、中長期的なポジショニングを改めて発表する」としており、今後は「車両そのものの製造」から、ソフトウェアやエンターテインメント・プラットフォームの提供へと軸足を移す可能性が考えられます。

ソニー・ホンダがそのEV第一弾「アフィーラ ワン」の受注を開始。価格は1420万円、納車は2026年から。現時点では「買う理由」を見出すことが難しい

Image:Afeela

アップルのEV断念に続き、ソニー・ホンダの挫折は「テックと自動車の融合がいかに困難であるか」を自動車産業の歴史へと大きな教訓として刻んでおり、いっそう中国の自動車メーカーの技術的優位性が明確になったようにも思えます(ステランティス、VWゴルフの、アウディのように中国の自動車メーカーの技術力を頼りにする例も見られ、現場では一層そういった傾向が強く感じられるのかもしれない)。


プレ生産車はどうなる?

そこで気になるのが「すでにオハイオ工場でラインオフしたプレ生産車両やプロトタイプ」。

これらは今後、技術研究用として活用されるか、あるいは一部が博物館に収蔵される可能性が考えられ(これについては公式に言及されていない)、公道を走るアフィーラを見ることができないのはクルマ好きにとってもガジェット好きにとっても非常に残念な結末ということになりそうです。

ソニー・ホンダ「AFEELA 1(アフィーラワン)」がオハイオで試作開始。しかし「動くプレイステーション」に1600万円の価値があるのかという懐疑的な意見も
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参照:Sony Honda Mobility

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